羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け
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冷凍食品ジャーナリスト山本純子の『冷凍食品のはなし』

  • 2023年5月25日

日本人が一番食べている冷凍食品は何でしょう?

クイズです。日本人が一番食べている冷凍食品は、何でしょう? 冷凍食品の概況やトレンドについて講演を依頼されることも多くなり、冷凍食品が「時空間超越食品」であること、「生鮮三品+惣菜で生鮮四品、さらに+冷凍食品で生鮮五品」といった持論を披露したりしているのですが、消費の実態などを説明する際に、「さて、クイズです。日本人が一番食べている冷凍食品は、何でしょう?業務用も含めてのランキングです」と聞くと、ほとんど正解が返ってきません。 「ギョーザ」、「コロッケ」、「炒飯じゃない?」「あ、うどん!」といった答が多く出て、いずれも不正解。業界人に聞いても、今まで正解はゼロです。 実はダントツ1位で「ポテト」、2022年の輸入量42万3757トン 答は「ポテト」。輸入冷凍野菜です。 正解を聞くと皆さま、「え?」「あのハンバーカーと食べる?」「あ、そうか~」と納得してくれます。 人気のポテト、2位の「うどん」を22万トン以上離して42万3757トン(2022年輸入実績)とダントツ1位です。しかも前年比で12.4%増と大きく伸びていて、主流の米国産、カナダ産に加えて近年は、ベルギー産やオランダ産など、ヨーロッパからのポテトも需要が伸びています。 日本のじゃがいもに比べると、大きくて細長い北米産ポテトは、細長いシューストリングカットができて、ハンバーガーチェーンや居酒屋おつまみなどに欠かせないメニューになっています。水分量が少なめで、フライするとホクホクした食感が魅力です。 一方、ヨーロッパ産のポテトは、日本のじゃがいもに似て黄色い色合い。しっとりほっこりの味わい。フライドポテトにするときも、皮付きカットや拍子木カットにして、マヨソース、チーズソースなど好みのディップで食べるのが一般的。本場ベルギーでの名称は、「フリッツ」です。 アメリカではフライドポテトのことを「フレンチフライ」と言います。つまりフランスのフライ、ですね。でもこれは、『ベルギーで体験した、フランス語を話す人たちが食べていた、美味しいお芋のフライ』を第一次大戦後、アメリカで再現した時に生まれた言葉のようです。 本当は、BELGIAN FRIIES(ベルジャンフライ)だと、ベルギー・フランダース農業物販売委員会(VLAM)ではPRをしています。 冷凍ポテトを料理にする 冷凍食品の一番人気、ポテトですが、単にフライにして塩味で食べるだけではもったいない。米国で定番となっているローディッドフライをご紹介しましょう。 ローディッド(loaded)とは、英語で「荷物を山積みにした」という意味です。山盛りのフライドポテトに、ソースや具材をたっぷりのせたアレンジメニューのこと。 例えば、ポテトの上にチーズソース、ミートソースと目玉焼き、ステーキをどっさりなどなど。 ポテトも、シューストリングはかりではなく、くし形のウェッジカット、小さい俵型のテーターパフ、網の目にカットしたワッフルカット、朝食向けでおなじみのハッシュブラウンなどを使ってみると、見た目も味わいも変化します。 ローディッドフライは、米国の野球観戦のお供。メジャーリーグの各スタジアムには、それぞれオリジナルのベースボールフライがあります。Instagramの@potatopower10で、チェックしてみてください。 ■ポテトの栄養~ビタミンCやカリウムにも注目 ポテトというと高カロリーイメージですが、中サイズ(148g)のポテトのエネルギーは110kcal。同量の白米に対して約半分のカロリーです。含まれるビタミンCは27mg、カリウムは620mgでバナナより多く、「カリウムの王様」と呼ばれているほど。たんぱく質は3g、食物繊維は2g。実際は栄養ぎっしりの食材です。 米国ポテト協会のアレンジレシピサイト https://www.potatous-jp.com/recipe/ 最近米国でバズっているという、パンを使わないハッシュブラウン・アボカド・トースト https://www.potatous-jp.com/feature/hash-brown-arrange/

  • 2023年4月20日

冷凍めんは美味しい! 年間20億食!!もはや「国民食」というはなし

今年2月、テレビ西日本制作の番組「ニッポンわが町うどんMAP5」の企画で、『冷凍うどん会議』に出席しました。うどん好きが集い、あれこれ語り合い、自分のイチオシ冷凍うどんを持ち寄り、試食しながら№1を選ぼう、という『会議』です。 うどんマニアも納得する冷凍うどんの美味しさ 出席者は、埼玉を日本一のうどん県にする会 会長・永谷晶久さん、年間400杯うどんを食べてきたうどんマニア第一人者・井上こんさん、うどん学を唱える香川大学名誉教授・合谷祥一先生、福岡でうどん食べ歩きを網羅してブームを巻き起こしている・岡澤アキラさん、そして冷凍食品ジャーナリスト山本純子というメンバー。司会はテレビ西日本の橋本真衣アナウンサーでした。 結局、美味しいうどんに上も下もない!ということで、№1は決まらないまま会議は終わります。そのVTRを見て「何を見せられたんだ!!」というオチだったのですが、うどん好きやうどんを研究している先生まで、「美味しい冷凍うどん」の要請に応えてくれるほど、冷凍うどんは、その美味しさで認知されていると再認識できました。 番組で、どんな美味しい冷凍うどんが?と気になった方は「エフエフプレス」の番組リポート記事をぜひご覧ください。 冷凍めんのコシは「水分勾配」 『冷凍うどん会議』の中で山本は、冷凍うどんのコシ、美味しさのヒミツを日本冷凍めん協会提供のイラストを使って説明しました。 イラストは、ゆでたての状態のめんの断面と、時間が経ってのびてしまっためんの断面の比較です。ゆでたてで凍結して「時間を止めた」冷凍めんは、外側の水分量が80%程度、中央は50%程度です。水分勾配(こうばい)というのですが、この水分量の差が「コシ」として美味しく感じられるのです。 ちなみに、九州人はやわらかいうどんしか食べない、とよく聞きますが、岡澤さんのプレゼンした因幡うどんは、口当りがやわらかい食感の中にも適度なコシがありました。 もう一つ、山本が番組内で訴えたことは、冷凍めんはもはや「国民食」だということ。年間生産食数は、20億食。つまり日本の人口で割ると、国民1人あたり、年間約16食。国民は、月に1回以上必ず冷凍めんを食べている、という計算になります。これはもはや「国民食」と言うべきではないか、という話。実際、日本冷凍めん協会では、かつて、冷凍めんは国民食!と打ち出すPRをしたことがあります。 まあ、とにかく、冷凍めんは美味しい。うどんは釜揚げ状態、パスタはアルデンテ、そばは打ち立てゆでたて、ラーメンももちろん、湯切りしてスープを注いだ出来立ての再現、ということです。 2022年の冷凍めん生産量は、20億416万食、12.2%増 2023年4月、日本冷凍めん協会が発表した「冷凍めん年間生産食数調査」によりますと、2022年の冷凍麺生産量は、20億416万5千食で前年比12.2%増と大きく伸びています。コロナ禍により業務用の生産量が大きく落ち込んだ2021年から転じて、過去最高だった2020年実績(20億943万7千食)に次ぐ史上2番目の数量です。 冷凍めん生産量20億食のうち、「うどん」は11億食。55%を占めています。そしてその9割近くが「素材めん」、つまり「玉うどん」です。 コシの強さが人気のさぬきうどんを筆頭に、稲庭風も夏場にのどごしが良く人気です。最近は、相次ぐ食品の値上げラッシュの中で、リーズナブルで便利な主食系素材として家庭用玉うどんの人気が急上昇と聞きます。 品目別に見ると、大きな伸びを示しているのは「中華めん」です。つまり、ラーメン。なんと、前年比120.7%、3億5200万食。特に市販用は130.7%とすごい伸びでした。 冷凍ラーメンのブーム、昨年中頃から顕著ですね。スーパーの冷凍食品売場では、扉1枚のスペースが冷凍ラーメン、という店も増えてきて、選べる楽しさが提供できるようになりました。 業界団体は今年40周年。冷凍うどんは来年50周年 年間20億食の数字はインパクトがあって、「国民食」と堂々と言えますね。振り返れば冷凍めんが脚光を浴びたのは、瀬戸大橋が開通した1988年。本場の香川県でさぬきうどんを食べ歩こう!とさぬきうどんブームが起こりました。そんなブームの最中、現地の人々から「へたなところよりカトキチのさぬきうどんの方がうまい」といった声もあり、冷凍うどんがブレイクしていったのです。冷凍うどんのパイオニア、カトキチのさぬきうどんが発売されたのは1974年。来年、50周年ですね。カトキチブランドは、今はテーブルマークに継承されています。 日本冷凍めん協会は、さぬきうどんブームの一歩手前、1983年11月に設立され(当時は、冷凍めん協議会)、今年40周年を迎えます。 冷凍ラーメンブームが来ていると書きましたが、その前、2013年には冷凍パスタが急激に伸びた、冷凍パスタブームがありました。1食のメニューになっていて、バリエーション豊富。レンジ数分で手軽に、美味しく食べられる冷凍パスタは、いまやすっかりお手軽ランチとして定着しています。冷凍ラーメンもブーム云々ではなく、これから冷凍食品の人気ジャンルとして定着して発展していくことでしょう。私は、冷凍パスタと同じような道のりで、生活者の皆様に認知され、品揃えも広がっていくのではないかとみています。 もちろんラーメンの世界には、即席麺、カップ麺、チルド麺とライバルが目白押し。ですが、冷凍めんが最もお店のラーメンの味わいを再現できるのではないでしょうか。冷凍ラーメンは、今後も人気が続き、圧倒的な美味しさでライバルたちを脅かす存在になるのではないかと思います。 「大阪王将」ブランドでも、近年ラーメンに力を入れていますね。餃子、炒飯、そしてラーメン。おなかいっぱいになれる街中華の定食。すべて冷凍食品で可能なのです。いやぁほんと、冷凍食品ってすごいです。

  • 2023年3月23日

台湾の冷凍食品トップメーカー「桂冠」訪問記~世界のブランドへ 

3月初旬、日本食品業界の大イベント、FOODEX JAPAN2023が開幕した時、私は遠い空の上、、、いえいえ、生きています。元気にこのコラムを書いています。 3年数カ月ぶりの海外取材に、心ワクワク。台湾に向かう空の上でした。 訪台の目的は、台湾の冷凍食品トップメーカー、桂冠實業股份有限公司(台北市、王亞倫社長)の取材です。2019年、王亞倫社長に「取材に行きます!」と固い約束をしながら、新型コロナウイルスの流行でそれが果たせぬまま3年余り。ようやく再開できた最初の海外出張です。 久しぶりの海外取材というワクワク以外にも、心躍る理由はたくさんありました。それは懐かしい方々との再会。 1991年、台湾の冷凍食品業界団体設立の際、私はその設立セレモニーの取材に参りました。以来30余年、桂冠(Laurel)の発展を現地で確認できることが興味深いのはもちろんのことですが、王亞倫社長の実父で当時社長だった王正一氏、同氏の弟で現会長の王正明氏との再会を果たすことができました。また、1990年に東京の日本冷凍食品協会事務所で出会って以来、親しくして頂いている陳建斌氏(当時台湾政府農業委員会の加工食品担当官、後に生産局長、前財団法人農業科技研究院院長、現財団法人台湾香蕉(バナナ)研究所董事長)との面談も旧交を温める嬉しい旅でした。 ▲1991年に取材した桂冠實業創業者王正一氏(前列㊥)、王正明氏(同㊨現会長)と嬉しい再会 さらに、台湾食品業界の女性経営者で構成する、台湾WF-NETの歴代会長との懇談もスケジュールにありました。台湾WF-NETは、日本のWF-NET(食品業界女性経営者ネットワーク、2014~)が2013年に台湾視察をした時の交流会を機に設立された団体です。桂冠實業の王亞倫社長も、もちろんメンバーの1人。 ▲台湾WF-NETメンバーとも3年半振りの再会 ▲桂冠實業の王亞倫社長(台北市内の同社ジョイン・キッチンで) 日本のWF-NETは、食品業界の中でかなり少数派である女性経営者の交流の場として発足しましたが、台湾では「女性の方が強い!」とよくうかがいます。実際、台湾WF-NETメンバーの皆様にお目にかかるたびに、いつも元気なパワーを頂くことができます。 「湯圓」市場シェア90%、鍋用具材50%超、レンジ食品50% さて、「桂冠」ブランドの主要冷凍食品を紹介しましょう。 ▲市場シェア約90%を誇る「湯圓(タンユエン)」 まずは、「湯圓(タンユエン)」。台湾で日常愛されているもち米団子(デザート)です。冬至の時には必ず食べるという風習があります。丸い形から「円満」を願うそうです。団子の中身は、黒胡麻あん、小豆あん、ピーナッツあんををはじめ、さまざまなバラエティがあるほか、あんの無い小さなサイズもあります。 ▲日本ブランドとのコラボも多数。からだの外からもお腹の中からも温めるユニクロ・ヒートテックコラボ!! ▲小湯圓 日本ではタピオカミルク以来、台湾食品のブームが続いていますので、湯圓ファンになっている若い女性もいるようです。私は、久しぶりに食べましたが、その美味しさと進化ぶりに驚きました。 もちろん湯圓を作るメーカーは他にもありますが、なんと、桂冠ブランドは市場シェア90%。圧倒的な美味しさ、品質で他の追随を許しません。 その秘密は、厳選したもち米を仕入れ、古来の方法に基づき団子を作っていること。白玉粉から製造する他社製品とは格段に差別化されているのです。 ▲桂冠第二工場に搬入された湯圓の原料もち米 新北市(台北市北部)の第二工場に毎日入荷されるもち米です。このこだわりが高品質の理由。 鍋料理のことを台湾では「火鍋」と書きますが、さまざまなスープで食べる鍋用の各種具材も「桂冠」ブランドの得意カテゴリーです。市場シェアは50%超えです。 スーパーの売場を視察すると、ちょうど鍋シーズンの盛りなのでずらりと並ぶ鍋用具材。売場は消費者ニーズに合わせてブランド別に陳列していました。その中で「桂冠」は扉2枚分と圧倒的な品揃え。しかも価格レベルが高いのにもかかわらず売れていました。 人気№1の具材「桂冠蛋餃」(卵餃子)は、魚すり身の具を卵の皮で包んだ水餃子です。卵焼きにスープが浸みてジューシー。食べてみると、なるほど~と人気の理由が理解できます。 ▲圧倒的人気の鍋用具材「卵餃子」 需要が伸びている新カテゴリーはスパゲティ、炒飯です。高さのあるトップシール容器に入っていて、少しシールを開けてレンジ調理でOKです。このレンジ対応商品でも「桂冠」ブランドは約50%の市場シェアを獲得しています。 実は、かつて取材した台湾のメーカーはほとんど経営母体が変わっています。唯一、変わらずトップブランドとして発展したのが「桂冠」です。王亞倫社長から「イノベーション、誠実さ、責任感をキーワードとした家族経営企業」と紹介がありました。現在経営の中枢にいるのは王社長はじめ創業者兄弟の姉弟たち、つまり従兄弟同士です。 ▲営業・マーケティングを統括する王振宇副社長(手にしているのは新規事業製品、高齢者向け栄養食品) 王振宇副社長は営業・マーケティングセンター統括。手にしているのは、2018年から取組んでいる新事業、高齢化社会に対応した高たんぱく栄養スープ・健康食品です。専門医や健康雑誌とコラボした開発商品です。 1970年設立のきっかけは「大阪万博」、以来台湾の冷凍食品業界をリード 創業者、王正一氏によると、冷凍食品事業を始めたきっかけは、1970年の大阪万博訪問。王氏の家業は製氷業でしたが、冷凍冷蔵庫が普及しはじめた時代です。家庭で氷ができるようになり、事業の先細りを予感し始めた頃に、大阪万博でひらめき、冷凍食品事業会社として桂冠実業を設立しました。 日本にとっても大阪万博は、冷凍食品を活用したセントラルキッチンの威力を実証したイベントです。また、米国発のファストフードの可能性を確認した年でした。 冷凍食品を活用した家庭団らん料理を広める 今回のトピックスのひとつ、それは、桂冠が食卓フォーラム「好好説頓飯」を世に投げかけていること。2018年からの取組みで、家族で楽しくお話しながらの食事、という意味です。冷凍食品を素材にさまざまなメニュー提案をする拠点となるキッチン「桂冠窩廚房」(Joy’in Kitchen)も台北都心に設けています。 台湾は日常の外食が根付いていますが、家族で冷凍食品を使った料理をして、楽しい時間を過ごしましょうという提案は、ある意味斬新なプロモーションと言えそうです。家族の食卓が基本と考えてきた日本で、個食が増えてきたこと、そんな時に冷凍食品が活躍していることを考えると、相反するトレンドで冷凍食品がそれぞれ伸びていることに驚きます。 来年4月、屏東に第三工場、保税機能いかして世界へ 大きなトピックスは、来年4月、桂冠第三工場が台湾南部の屏東・農業科学パーク内に完成することです。桂冠の冷凍食品売上は、コロナ禍によって7%アップの実績(2021年)とさらに大きく伸ばしているそうですが、都心の第一工場、第二工場はフル稼働。そして人手不足の悩みがありました。南部に最新の新拠点を設けること、さらに、工場スペースに余力を残し、保税機能を生かして国内外企業とのコラボレーションを計画しています。 ▲2024年に完成する桂冠第三工場は保税機能を持つ加工施設 確かに台湾南部で保税機能のメリットを生かせば、同新工場を生かして製造し、東南アジア圏への商品供給も可能です。もちろん台湾マーケットで人気の日本仕様(日式)商品をトップメーカー桂冠の販売ネットワークにのせることもできそうです。 同社では既に1995年中国・上海に工場を設立し、上海地区で、鍋用具材トップメーカー、湯圓市場シェア30%など、華東地区の冷凍食品リーディングブランドの地位を築いていますが、王亞倫社長は、「第三工場の完成を契機に国際戦略を加速させます」と今後の夢を語ってくれました。 桂冠:Laurelが世界の冷凍食品ブランドとして躍進する時代。ぜひ見届けたいもの。もちろん日本企業のブランドの世界進出もです。 冷凍食品を追いかけて42年目の私ですが、これは50年目くらいまでを目指して頑張らねばならないなぁと思った次第。頑張ります。

  • 2023年2月23日

スーパーが力を入れる冷凍食品 ~スーパーマーケット・トレードショー2023

国内最大規模のスーパーマーケット関連展示・商談会、「スーパーマーケット・トレードショー2023」(SMTS:一般社団法人全国スーパーマーケット協会主催。2月15日~17日、幕張メッセ)の会場で、初の冷凍食品企画展示「冷凍×食」が賑わいました。 かつてはスーパーマーケットの中で売上構成比も低く、軽んじられている感のあった冷凍食品ですが、今では戦略ジャンルになってきた、ということです。業界を取材して41年、こんな驚くことに巡り会うとは、しみじみ感慨深いSMTSでした。ということで、今回は少々まじめに会場のリポート。 SMTS主催者企画展示は、ライブステージで9本のセミナー、全国スーパー冷凍PB試食体験9品、新商品約100品のピックアップ展示、冷凍自販機はじめ最新情報・トレンド展示で構成されました。余談ですが、空きスペースが気になって主催者スタッフに聞いたところ、冷凍自販機「ど冷えもん」のサンデン・リテールシステムが、半導体不足の影響で新規営業を控えざるを得なくなり、急きょ展示を取りやめたとか。海外由来のいろいろなモノ不足がこんなところにも影響しています。 企画展示のアンバサダーは、「冷凍王子」こと、西川剛史さんが務めました。 生鮮+惣菜(生鮮4品目)、そして生鮮5品目は冷凍食品 私もライブステージ・セミナー講師の依頼を受け、「冷凍食品は生鮮5品目 いまこそFresher Than Fresh!」をテーマに掲げて講演しました。 予約制のセミナーではなかったので、自己紹介をどうしようかと考え、思いついたのは、「マツコの知らない世界に3回出た」でした。初対面の方はそれだけで、ああ、冷凍食品に詳しい人、そして熱心すぎて面白い(変な)人、と理解してくれます。 「生より新鮮」は、前回の本コラムで記した通りです。収穫後鮮度がどんどん落ちて、栄養価も損なわれていく生鮮に対し、冷凍食品は鮮度も栄養価もとれたて、作りたての状態で時間を止め、空間を超越して食卓まで届けることができます。冷凍食品は、鮮度の高い生鮮5品目と考えたときに、スーパーマーケットでは、今よりもっとふさわしい場所で販売すべきではないか、と訴えました。 つまり、生鮮3品に続いての壁面か、レジに近い惣菜の対面に位置する場所です。そんなレイアウトなら、今日明日に食べるもの、明日以降食べるものをと考え、選ぶ来店客に、店側からこの商品でこんな食卓をと提案しやすくなると考えます。惣菜を閉店間際まで揃え、値引きして、廃棄するロスも削減できます。 究極、冷凍食品各種と、冷凍食品にはない、殻付き生卵や生野菜サラダがあれば、食卓は整います。 大阪王将「街中華」に行列、地域を生かした商品に関心集まる さて、SMTSの「冷凍×食」は、主催者企画展示ゾーンと50社を超える出展社ブースで構成されて、通路は人だかり。大手NBの出展は、「大阪王将」の『街中華』を再現し、VIP食堂を併設したイートアンドフーズのブース、マルハニチロの「サカナクロス」コンセプトを訴えたブースでした。 一番目立ったのは、黄色い「大阪王将」の看板と白い暖簾が来場者を引きつけたイートアンドフーズのブースです。試食には常に行列ができ、VIP食堂も大盛況でした。プレス発表前ですが、新商品の「極みの大粒 肉餃子」(標準24個:720g)、「極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子」(標準20個:700g)も試食披露していました。 “肉汁爆弾”とは、大阪王将ブランドらしいキャッチーなネーミングです。確かに、丸くてもっちりした皮をひと噛みすると、熱々の溢れる肉汁。新しい食卓の一品になりそうです。 マルハニチロの「サカナクロス」は、世界の水産をリードする同社らしく、魚とテクノロジー、魚とスポーツ、魚とサステナブルなど、掛け合わせることで新たな価値を創造して、社会の役に立つというコンセプト発信。大画面で迫力ある映像も流しながら、マルハニチロ社員による熱意溢れる説明に聞き入る来場者の姿が印象的でした。 そう、ものを作るだけではない、生活をデザインするのも食品産業の重要な役割なのですねぇ。 全国ご当地の商品が多彩に並んだことで、かなり見応えのあるゾーンになっていました。その中でも青森県は自治体としての唯一の出展でした。官民連携の『冷凍ベンチャー事業』を昨年度から推進中で、「青森といえば冷凍食品」を目指して、特産品を生かした商品開発、販路の開拓を官民協力で実践しています。 地域で見ると、目立ったのは九州勢でした。新商品の生パスタと窯焼きピザのピザレボ(福岡市)、“魚やがパスタ”とPRする「海鮮パスタシリーズ」の柳川冷凍食品(福岡県柳川市)、太宰府天満宮参道の名物「梅ヶ枝餅」を製造・販売する㈱やす武が「冷凍 梅ヶ枝餅」を紹介しました。確かにお餅は冷凍適性に優れた素材です。 離島の冷凍食品も注目の的でした。島の魚と中華料理研究家による「匠の百皿-HYAKUSARA」(㈱島のごちそう、鹿児島県・獅子島)は、高級中華の価格帯レベルです。 島の漁業を維持、発展させるための開発食品。冷凍食品の『時空間超越システム』はこんなところに生かされます。 スーパーの冷食60年。『超高速凍結機』がロス削減に貢献する近未来の話 国分グループ本社のブースは、2月14日に発表した、『超高速凍結機』㈱ゼロカラ(本社:神奈川県横浜市、荻野龍哉社長)との業務提携について、詳細を発表する場になりました。 ゼロカラは2017年11月に創業したスタートアップ企業ながら、ブライン凍結機(冷媒液に包装した食品を浸ける凍結機)の商品棚をダイナミックに上下させることと、熱交換効率をアップさせる工夫により、「世界最速凍結機」を謳える凍結機を開発して急成長しています。 もちろん、高性能凍結機で商品を作っても、その出口、しっかりと管理できる物流と販売先が確率していなければ、無用の長物。冷凍食品はシステムで成り立つものなので、凍結機の性能ばかりを追いかけても、最終的なお皿の上に高品質の食品が乗るかどうかは確約できません。今回の業務提携は、急速凍結以外のトータルサポートを国分が担うことによって、サプライチェーンを創造していこうというプロジェクトになります。 夢に描いた「日配品の凍結も可能」という中村典正部長(国分グループ本社低温フレッシュデリカ統括部戦略推進室低温推進部長兼国分フードクリエイト常務執行役員営業統括)。「来年は恵方巻をやりたい」とのこと。海鮮海苔巻きの試食をしました。恵方巻は毎年、食品ロスの槍玉に挙がるもの。冷凍食品の発展は、SDGsの目標達成にも通じるのです。 ちなみに、今年、2023年は、日本のスーパー初の冷凍食品売場(ダイエー三宮1号店)が誕生して60年。同店に冷凍食品を納入したのが、中村氏の実のお父様、中村博一氏(現ナックスの前身、中村博一商店創業者)です。60年を経て、夢を受け継ぐ姿に感動しました。『夢とロマン』の冷凍食品事業。久しぶりに昭和時代のフレーズを思い出しました。

  • 2023年1月19日

Fresher Than Fresh! 生より新鮮? そんなことが起こるのが冷凍食品

タイトルに掲げたFresher Than Fresh(生より新鮮)とは、米国の業界が50年以上前に使用していた、冷凍食品の良さをPRするキャッチフレーズです。今こそ、この冷凍食品のメリットを広く認識していただきたい!そのためにもっと積極的に活動しよう!と2023年新年に決意した次第。 本コラムでも、NHK「あさイチ」の放送(2022年8月)で、衝撃が走った、「冷凍ほうれん草の方が、夏場の生鮮ほうれん草よりビタミンC量が格段に高い」という話を書きましたので、『生より新鮮』な事実が記憶に残っている方もいらっしゃるかと思います。 もちろん、野菜に限ることではありません。「急速凍結」して、マイナス18℃以下の低温温度帯で保存する冷凍食品は全て、鮮度がそこでストップ。そして、腐りませんので『生より新鮮』です。お惣菜は消費期限が1日限りですが、調理冷凍食品は賞味期限が約1年。解凍調理した時点で、いつでも『出来立て』になります。 冷凍とは鮮度を保つ手段です。欧米諸国では当たり前に認識されていることなのですが、日本ではなぜか、「冷凍」と聞くと「生鮮より劣るもの」と聞こえてしまう人が多いようです。こんな誤解はそろそろ解消していかなくてはなりません。 家庭で食べる刺身も冷凍が評価される時代に 先日、食品冷凍学の権威、鈴木徹先生(東京海洋大学特任教授)が出演したテレビ番組の中で、ローソンが販売している冷凍刺身が話題になりました。解凍した刺身をゲストが食べて、「え、美味しい」「新鮮!」「冷凍とは思えない(この言葉はちょっと問題)」といった感想が出ました。冷凍で販売されている刺身をきちんと解凍すれば、鮮度よく美味しいのは当然です。「解凍」表示をしてスーパーで販売している刺身を買ってきて数時間後に食べるより、明らかに鮮度が良いわけです。 ちなみに、マグロのサクなどカチカチの冷凍魚を解凍するときに、最も良い方法は、きちんと密閉パックした状態で行う「氷水(こおりみず)解凍」です。鈴木先生がずいぶん前から提唱している最適の解凍方法です。最近先生にお目にかかった時に『鈴木式解凍法』と名付けて普及していく、とうかがいました。ぜひ、皆様も『鈴木式』を体験してみてください。 今年ブレイク必至!冷凍パン 野菜、魚、肉が生より新鮮! ごはんは炊き立て、麺はゆでたて、そして、パンも焼き立て! それが冷凍のメリットです。今回は、そのパンの話をしたいと思います。 昨年12月12日に行われた「第10回フローズン・アワード」(日本アクセス主催)の表彰式で、消費者投票で選ぶ順位とは別に、「ゲスト特別賞」が設けられ、私は、冷凍パンの「バゲット ガーリックバター」(デルソーレ)を選びました。 約10年地道に拡販してきた良い商品です。選定コメントでは、冷凍適性が高いジャンルとして、「めん、ごはん、次には家庭用でもパンの需要が伸びるでしょう」と話しました。 実際、2016年から本格展開しているフランス発の冷凍食品専門店「Picard(ピカール)」(運営:イオンサヴール)では、オーブン調理で焼き上げるクロワッサンが一番の売れ筋です。 ホテル・レストランなど業務用で実績のある、群馬県桐生市のスタイルブレッドは、近年家庭用ブランドにも力を注ぎ、「Pan&(パンド)」ブランドで焼成済み冷凍パンを展開して、じわじわと人気が高まってきています。 ほかにも、「Pasco(パスコ)」ブランドの敷島製パンが、凍ったままでも食べられる「ホイップメロンパン」で話題を呼び、最大手の山崎製パンが冷凍でも「焼きカレーパン」を発売、駅ナカショップで冷たいクリームパンを展開する八天堂(広島県三原市)が「出来立てを超えたくりーむコッペパン」発売などなど、近年冷凍パンの話題は目白押しです。 都内の人気パン店では、焼き立て時刻に行列ができるほどですが、よく考えると、その場で食べるか、少なくとも当日食べなくては、焼き立てのふんわり、しっとりした美味しさは失われてしまいます。焼き立てをすぐ楽しむ方法として、冷凍パンが最も手軽で良い選択ではないかと思うわけです。 パンをカピカピにしてしまい食べられない、カビが生えてしまったので捨てた、そんな経験のある方は多いと思います。むだにする心配がない冷凍パンを上手に利用する方が、環境にも優しく、お財布にも優しいですね。 冷凍生地で焼き立て販売、冷凍パンを販売する、ロスゼロのチャレンジ! イートアンドグループのベーカリーショップ、アールベイカー(R Baker)では、昨年5月、オーダーを受けたら冷凍生地を使用して焼き上げた、「エピ」やミニサイズの「ピザ」を販売する店。その他に販売する商品は全て「冷凍パン」、というチャレンジングなお店を都内にオープンしました。その名は「YOUR OVEN(ユアオーブン)」。小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅から3分の商店街にできたコンパクトなお店です。 昨年、店頭でオーダーして食べてみました。オーダーを受けたら約3分~5分ほどで出来上がりでした。ベーコンエピというと“噛みしめる!”イメージですが、同店のエピは、ふんわりもちもち~。エピはフランス語で「麦の穂」という意味だそうです。 この形は火が入りやすいそうで、ちぎって食べやすいメリットもあります。代表的なベーコンのほか、チーズ、豆入りなどのバラエティもありました。 ピザは直径約13センチで、これももちもちタイプ。やっぱり焼き立ては美味しいです。そのあたたかさ、小麦の香りで幸せな気分になれますね。 通常のパン屋さんは、売れ残りがロスになってしまいますが、ユアオーブンは、冷凍生地で作る焼き立て販売、冷凍パンの販売ですので、ロスがゼロ。冷凍パンを買った方はお家で焼き立てを味わえます。すばらしい発想だと感心いたしました。 視察した足で、同店に冷凍生地、冷凍パンを供給している、セントラルキッチンを訪ね、中間店長にお話をうかがいました。 「小麦粉に米粉を入れることによって、しっとりやわらかい生地が出来上がります。冷凍に非常に向いています。美味しくて腹持ちもいいですよ」とのこと。 現在はこのセントラルキッチンで、ミックス、発酵、焼成、凍結まで対応しています。焼き立てをフリーザーに入れるシーンにワクワク。冷凍ってやはり素晴らしいシステムです。今後、ロスを出さないベーカリーとして多店化していくのではないか、その第一歩を目撃しているのではないかと、気持ちが高ぶっていきました。 出来立て、Freshが冷凍の神髄!「冷凍とは思えない」という発言がなくなりますように!  

  • 2022年12月15日

人がほとんどいない工場が今どき~しかも「停まらない!」 それは人間愛かも

今回は『工場のはなし』です。 “食品工場の自動化・DX展”とうたっている「第3回フードテック ジャパン」(2022年12月7日-9日、幕張メッセ)会場で、取材をしていた時の会話。 「なるほど、この機械が完成したら、この場所で作業していた人たちがいなくなる訳ですね。じゃあ例えば一千万円払っても、給料を考えたらすぐ元がとれる。2年くらいで」 「いえいえ、16時間連続で動いてくれますから倍で考えてください」 「そうか!二交代」 「しかも歩留まりがいいです。レシピ通り。誤差は2%未満! 人の場合は10%近く」 「それもすごい。コストアップが深刻な昨今、即採用ですね」 少し沈黙があり、にっこりして、 「人が1日中ずっと同じことを繰り返すなんて、そんなつらい仕事はもう無くしていかないと、、、」 コストのことばかり考えていた自分を恥じました。そして、チャップリンが機械の歯車に挟まれる映画のシーンが浮かんだのです。ああ、この方は、世のため人のためになる食品機械の開発が嬉しくて、生きがいなんだと敬服した次第。展示会場には、DX、IoT、AI、ロボットなどなど、さまざまな無機質な横文字が溢れていましたが、技術開発の原動力は人間愛かも、と考えながら帰路につきました。 都市化が進むと共に、商品は効率よく生産され、付加価値を付け、流通、販売、消費されていく訳ですが、その便利さのために、人に負担のかかる作業が必須になるという矛盾もありました。それはモノクロ映画の時代からの大問題。それがすっきり解決されていく、というのが今どきの工場です。   日本最大最速級の餃子工場は『停まらない』 2022年9月に竣工、11月に稼働開始したイートアンドフーズ関東第三工場も、まさに今どきの工場です。しかもかなり先を進んでいます。そのキャッチフレーズが「停まらない工場」(仲田社長)です。 「停まらない」って、忙しそうな感じに聞こえますが、製造ラインに人は数えるほどしか見当たりません。AI、IoTを活用して、餃子の生産工程を一括管理しているからです。ちゃんと餃子が包まれているか、トレイに規定の個数がはいっているかなどなど、監視チェックしているのは、人に代ってカメラです。カメラは、いわばコンピューターの目。人の目よりも正確に、大量に学習している情報に基づいて不備のあるものはラインからはじいていきます。 ▲人手がほとんど不要という餃子成型ライン。「ずーっと見ていたい」と熱心に見学する冷凍食品マイスター、タケムラダイさん㊥、㊨は自慢の工場が完成してニッコリ、イートアンドフーズ山本浩専務。 自動化装置は最先端です。餃子の原材料は別室で下処理したものをAGV(無人搬送機)が一時保管庫の前まで運んでいます。大量の重い原材料を人力で押して運ばずとも良いのです。 そして、「停まらない」との言葉を生んだ、画期的なアキューム装置(トラブル対応中の製品の一時回避装置)。これには驚きました。 もちろん、大量生産する冷凍食品工場では、稼働時間中フル稼働して、生産計画通りに、流れるように製造するのが理想的。しかし、いくつかの製造工程の中でひとつトラブルが起こるとその流れがストップ、ロスタイムとなります。ちょこちょこ停止することを「ちょこ停」と言うそうですが、その「ちょこ停」が起こる度に生産効率は低下します。つまり、それがコストアップにもつながってしまうということです。それを避けるのがアキュームレーション。日本語では「蓄積」でしょうか。 数年前、アキューム機能を他のメーカーでも見たことがありますが、それは、トラブルが起こった時に、その前工程の速度を低下させるものでした。当時も「コンピューターってすごい」と驚いたものですが、今回導入されたイートアンドフーズのアキューム装置は、さらなる驚きがありました。生産速度を落とさず、さらに、凍結した製品の品質をしっかりと保っているのです。 トラブル解消後のアキューム装置動作に胸がときめく イートアンドフーズ関東第三工場のアキューム装置は、包装ラインにトラブルが起こった時に作動、餃子のトレイを並べて、1段、また1段と装置に積み上げていきます。そして、中は保冷機能付き。 トラブル解決後は、積み上げていた餃子のトレイを少しずつラインに戻していきます。その戻し方がすごい。ラインの流れを止めず、頃合いを見て1つずつと丁寧なのです。まるで高速道路のパーキングエリアから、運転のうまいドライバーが本線に合流するかのような手際の良さ。思わず機械に向かって「えらい!上手!賢い!」と褒めていました。 冷凍食品にとってとても重要なポイントのひとつにコールド・チェーンがあります。出荷から流通・販売、そして調理されるまでの冷凍庫での保管状態も含め、マイナス18℃以下の温度帯を繋いで保つことです。これまで、その品温管理は工場出荷の段階からと考えていましたが、同工場のアキューム装置を見て改めました。 製造工程でも品質維持を重視するきめ細やかな配慮。同社の『餃子愛』を強く感じた視察でした。 もちろん、機械も間違うことがあるでしょう。それをコントロールするのが人の仕事。 美味しい冷凍食品は人を幸せにしてくれます。そして、美味しい冷凍食品を作る人たちが幸せであることも重要と、しみじみ感じ入っている2022年末です。

  • 2022年11月17日

冷凍食品消費大国へ!1人当たり消費量23.1kg 日本は世界第5位ですが…

「日本を冷凍食品消費大国にしたい!」というのが、冷凍食品『愛』が強すぎる3人組、F3(エフスリー:冷凍生活アドバイザー・西川剛史さん、冷食マイスター・タケムラダイさん、そして冷凍食品ジャーナリスト山本純子)の合い言葉。F3は、2022年4月TBSテレビ「マツコの知らない世界」に3人揃って出演した際に生まれたトリオの名前です。 「日本は、もう消費大国じゃな~いの~?」というマツコさんに、国民1人当たり冷凍食品消費量は世界5位、しかも4位との差が大きいというグラフを見せたところ、「えーー!!」という反応がありました。確かに、日本は冷凍食品の開発、生産、流通で冷凍食品の先進国であってしかるべきですね。今回はちょっと深掘りをしてみましょう。   実は、もう少しだけ多めに消費しているという発表 2021年の日本の国民1人当たり冷凍食品消費量は23.1kg。日本冷凍食品協会では、国内生産量と冷凍野菜輸入量、冷凍食品協会会員による調理冷凍食品輸入量を合計したものを「冷凍食品消費量」としてまとめています。同年では290万トン。それを人口で割ると23.1kgとなります。 【表 資料 2022年統計速報文書 表-12】 〔資料:(一社)日本冷凍食品協会 令和3年(1~12月)冷凍食品の生産・消費について(速報)〕   「冷凍食品消費量」としてはいますが、発表時に協会では「調理冷凍食品の輸入については、当協会会員だけを対象にした調査であり、会員以外の商社、流通業者等が輸入しているものを考慮すると、実際の「消費量」はこの290万トンを上回るものと考えられる」と注釈を加えています。調理冷凍食品の輸入量調査数値は、協会会員38社を対象としたもので、同年は23万6千トン余でした。ではその他がどのくらいあるか?といっても、よく分からない、というのが実際です。輸入通関の際の品目が多岐にわたっているため、つかみきれないということです。   国内生産量はもう少し規模が大きい 経済産業省が今年2月、冷凍食品産業の伸長ぶりをリポートしています。 https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20220221hitokoto.html 同リポートで掲出しているのは、2019年までの工業統計調査による「冷凍調理食品の製造品出荷額」ですが、同年で1兆1999億円です。リポート内でも言及していますが、出荷額の多くは大手資本の企業が占めています。さらに中小企業でも大手の下請けも多いかと推測できます。その他いろいろな事情を置いて、少々乱暴ですが単純に同年の冷食協統計数値と比較すると、協会会員生産量の比率は約6割となります。 業界人が聞けば、なるほど、それくらいかなぁと思わせる比率かもしれません。 各国消費量、初の1位にドイツ、台湾が急伸 【表 棒グラフと数値表の2点】 〔資料:(一社)日本冷凍食品協会「令和3年 冷凍食品に関連する諸統計」から作成、海外資料はユーロモニターインターナショナル、日本の消費量は冷食協数値〕   2022年10月に日本冷凍食品協会がとりまとめた「令和3年 冷凍食品に関連する諸統計」に掲載されている世界各国の「冷凍食品の国民1人当たり年間消費量」数値と、先に示した日本の消費量数値を合わせて表にしました。日本は世界5位と変化は無いですが、上位4カ国はコロナの影響やインフレの影響でしょうか、乱高下しています。従来、アメリカとイギリスがトップを競いあっていたのですが、2021年は初めてドイツがトップに。 ドイツ?と疑問に思うかもしれませんが、昔、イギリスの冷凍食品専門店を視察した際、ドイツ産の冷凍食品が意外に多くあったことを思い出しました。ドイツ在住日本人のブログなど検索してみると、ありました、冷凍食品の話題。そして、冷凍食品宅配企業が2社あり、そのサイトを見てみると、ドイツ語なのでよく分かりませんが、写真を見る限りかなりバラエティ豊かなアイテムが揃っています。多くの家庭が地下室に大きな冷凍庫を持っていて、ストックしているとか。 注目したいのは、台湾の急伸。台湾の友人に聞いてみたところ、「コロナでかなり使用量が増えた」とのことでした。朝昼晩、全て外食でOKという食文化かと思っていたのですが、コロナ禍で大きな変化が起こったようです。 早く実際に海外に行って確かめたいものですが、日本に限らず、世界の冷凍食品事情も大きく変わったのだと実感した次第。 さて、日本の1人当たり年間消費量ですが、どうやら実際は30kgぐらいになっていそうです。「冷凍食品消費大国」一歩手前まで来たということでしょうか。勝手に机上の数字を掛けたり足したりしただけですが、ご参考まで。

  • 2022年10月20日

男子、冷凍食品と共に厨房に入るべし

男子厨房に入らず、なんて誰が言い出したのかはさておき、今回は、男子こそ冷凍食品を使って料理をしてほしい、そうすれば日本の家庭は、もっと明るくハッピーになる、という話です。 今夏、某女性週刊誌の企画で、50歳『調理定年』についてどう思いますか?とのインタビューを受けました。女性は50代以降になると「料理が好き」と答える人が減少するそうです(博報堂生活総合研究所調査)。料理が好き“だった”女性、比較的料理が得意な女性でも料理が嫌いになる。これにからめて、評論家樋口恵子先生(東京家政大学名誉教授)による、女性の『調理定年』推奨を紹介する企画でした。家族のための手料理を自分の『仕事』と考えてきた女性は、高齢になったときに重圧を感じがち。仕事と同じように、休暇や定年をという主張です。 冷凍食品を使うことは、手抜きではなく「手間抜き」と主張している私の返答は、「洗濯機は全自動、掃除は掃除ロボットという時代。会社の仕事もメールやオンライン会議が多くなって、すぐに成果が挙げられるのに、家庭料理だけは手作り至上っておかしい。便利で美味しい惣菜も、冷凍食品もたくさんある。素材からの手作り料理を強いるのは、『洗濯板で洗濯物を洗え』と言っているに等しいのでは」でした。 『調理定年』は、女性週刊誌の中心読者である中高年の女性に嬉しい言葉でしょう。子どものために手作り料理を頑張ってきたけれど、子育てが終わり、夫と2人だけになってしまい、さらにリタイアした夫の食事に1日3回追われるなんて、もうたくさん!という悲鳴すら聞こえてくるようです。 女性だけが頑張り家庭を支える時代が過ぎて、、、 家庭で料理をするのは女性、男性は上げ膳据え膳で片付けもしない、という不文律は、古くから日本の常識でした。昭和を経て、平成、令和となっても大きな変化はありません。一方で、女性活躍推進とか男女共同参画などの言葉が先行して、社会でも家庭内でも働き続けている女性は増える一方。無償労働時間(家事、ケア、ボランティアなど)の男女別調査では、日本の女性は男性の5.5倍と、諸外国に比べ際立って格差が大きいのです(OECD調査数値をベースに内閣府男女共同参画局が算出 参照: https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_kanshi/siryo/pdf/ka14-1.pdf)。 平成時代の話になりますが、食品企業で役員をしている女性がパネラーになって、聴衆の若い女性たちにキャリアアップのポイントを語るセミナーで、仕事と家庭の両立、という話題になりました。『両立』!? 最近になってようやく男性社員の育休が話題に上ってくるようになりましたが、『仕事と家庭を両立させる』って、当時の男性には全くあてはまらない言葉でした。 パネラーの一人は、「たとえば玉ねぎはまとめて1週間分皮をむいておきます。夕食作りで玉ねぎの皮をむくのは意外に時間がかかってしまって、、、」といった話をしました。いやいや、ソコじゃないんじゃありません?と心の中でつぶやいていた私。案の定、その企業では、その方に続く常勤の女性役員は未だに出てきません。 最近は世の中の風向きも変わってきました。育休から復帰したばかりの女性と久しぶりに立ち話していた時、「忙しくって、もう冷凍食品ばっかり。それでいいですよね。でも週末には疲れ切っています。え、旦那ですか?『とても無理』と宣言して、旦那には作り置き料理をやってもらってます」とのこと。 20代あたりから、徐々に変化が表われているようです。   冷凍食品は男子料理に向いている そんな折、冷凍食品宅配の老舗、SL Creations(旧シュガーレディ本社)が、男子料理向けの冷凍食品ミールキットの開発をすると発表しました。監修するのは、男子料理研究家の福本陽子先生です。1月発売の第一弾は、パスタをパエリア風に調理する「魚介の旨みたっぷりフィデウア」。3月発売予定は「特製 黒トリュフハンバーグ」です。すべて下処理済みで、生ごみは出ず、包丁を使わずキッチン鋏でOK。スマホで先生の調理デモを見ながら作業にかかれば、調理経験ゼロの人でも20分後には素晴らしく美味しい、家族が喜ぶワンランク上のメインメニューが出来上がります。 SLCreationsの男性向けミールキット めんどうな下処理は苦手だけど、かっこよくフライパンを振ってみたい男性、妻が作れないような本格料理を振る舞いたい男性に、冷凍食品を使った調理はマッチするとのこと。 確かに、玉ねぎのみじん切りだけで泣いて逃げ出しそうな方々には、冷凍玉ねぎがぴったり。さらにソテー済みならなお使い勝手がよさそうですね。冷凍食品をうまく組み合わせて使う料理は、男性ばかりでなく女性も、1人暮らしの若者も、高齢者も、料理をしてみたいお子様にも向いています。 簡単に、誰でも美味しいものができるなら、しかも後片付けが簡単なら、家族の誰がやっても楽しくできて、みんなが笑顔になれます。『手間抜き』により、短い時間で結果が出せる冷凍食品の利用が進むということは、日本の家庭が変わり、世の中が変わっていくことにつながるのです。 「男子、冷凍食品と共に厨房に入るべし」。もちろん、冷凍食品の羽根つき餃子なら、最もスピーディで超簡単、料理の成功体験が得られます。

  • 2022年9月22日

10月18日は「冷凍食品の日」、10月は「冷凍食品月間」

1年365日(4年ごとに366日)、記念日になっていない日はないようです。冷凍食品にももちろん、記念日があります。 「冷凍食品の日」は10月18日、そして10月は「冷凍食品月間」です。 日本冷凍食品協会が、1986年に「冷凍食品の日」を制定、翌年に10月を「冷凍食品月間」と定めました。由来は、冷凍の「とう(10)」で10月、冷凍食品の自主的取扱基準に基づく保存温度、マイナス18℃以下(食品衛生法の規制はマイナス15℃以下)にちなんで、18日です。また、10月は食欲の秋、食に関する話題も多いということで、10月を「月間」に設定したのです。 このように説明すると、“業界あるある”のように思えますが、この制定に至るまでには、業界人なら誰もが心しびれるエピソードがありました。   業界有志が立ち上がった!心しびれるきっかけ 1984~85年当時、好調に伸びてきた家庭用冷凍食品の勢いが急に弱くなり、「成長が止まったのでは」、「成熟期か?」といったことが業界内でささやかれていました。しかし、「いや、これは単なる踊り場。冷凍食品の良さをPRすれば、きっと再び成長軌道に乗るはず」と立ち上がった方々がいました。トップメーカーの味の素、ニチレイ、ニッスイ(日本水産)の当時の冷凍食品担当部長3氏でした。リーダーは後に味の素㈱社長に就任した故江頭邦雄氏です。 いつもはライバルとして、マーケットで熾烈なバトルを繰り広げる大手3社。その担当部長が相まみえ、業界の発展のためにと業界全体で取組むべき、冷凍食品そのもののPRについて話し合ったのです。 そして彼らの提案が協会事務局を動かし、業界を動かし、特別予算、特別協賛が組まれて、「冷凍食品市場活性化特別事業」の名称で、プロジェクトがスタートしました。その結果、「冷凍食品の日」を制定、一般の消費者を招く業界挙げてのPRイベントが1986年10月18日に実施されたのです。イベントを開き、話題を提供、マスコミに取り上げられ、広く全国の消費者に伝わることを目指す企画です。 以降、36年が経過しますが、大喪の礼の前年に中止があった以外、毎年冷食協主催のイベントが開催されています。   問屋も立ち上がり、成長軌道へ 私は専門紙記者でしたので、“業界挙げて”というフレーズを何度使用したか覚えていないくらいです。この動きは食品問屋の有志も動かしました。首都圏では問屋が会員、メーカーが賛助会員で構成する「首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)」が1987年に誕生します。流通に共通する課題を話し合い、スーパーで展開するキャンペーンを開始しました。現在も、冷凍食品を購入し、ハガキで応募するクローズドキャンペーンを毎年実施しています。その他地方でも数カ所、活動が盛り上がりましたが、M&Aによる流通再編の波を背景に、今では終息していてさみしい限りです。 しかし、業界人の予想通り、「冷凍食品の日」制定から程なくして、家庭用冷凍食品は再び成長の勢いを増してきます。「お弁当」商品のバラエティが広がり、瀬戸大橋開通で冷凍さぬきうどんが話題になり(1988年~)、焼きおにぎりのヒット(1989年)、電子レンジ調理のフライが登場(1994年)、自然解凍OK商品の開発(1999年)と、市場をリードする数々の開発商品が出てきたこともマーケット拡大の要因になりました。 2000年には、日本冷凍めん協会も「冷凍めんの日」を10月10日(れい:0のつく10月、とう:10日)に定め、冷凍めんの美味しさ、新鮮さを啓蒙する普及事業に取組んでいます。   まだまだ成長、夢は広がる ライバル関係を超越して、声を掛け合い、普及事業に協力する。そんな活動を実現できた業界が冷凍食品業界です。成長する勢いがあるからこそ、互いに奪い合うことなく、さまざまな方向で企業が発展していけたと思います。昨今、高級冷凍食品や冷凍食品専門店が話題になって大いに注目を集めている家庭用冷凍食品ですが、今後も成長する未来が予測できる、そんな夢が広がっている業界なのだと考えています。 資料:(一社)日本冷凍食品協会 国内生産高(業務用・家庭用別)統計の推移 2021年度の冷凍食品の日イベント (ゲストは三國清三シェフ、山口もえさん)

  • 2022年8月25日

冷凍の方が「栄養が摂れる?!」37年前の『事件』

「女子栄養大学の吉田企世子先生から電話がかかってきてね、どうもおかしいって言うんだけど、『先生、まったくおかしくありません。当然です』ってお答えしたんだ」と得意顔で語った、日本冷凍食品協会の比佐勤常務理事(当時、後に専務理事)の顔が浮かびます。下表「生鮮ほうれん草と冷凍ほうれん草のビタミンCが含有量」を見るたびに蘇る思い出です。もう37年前のことなんですね。 (一社)日本冷凍食品協会ホームページより 当時の女子栄養大学の研究室、吉田先生は学生に、生鮮のほうれん草と冷凍のほうれん草のビタミンC量を計測して比べるという課題を与えました。ところが、何度計っても生より冷凍の方が格段にビタミンC量が多く、「おかしい」ということになって、冷凍食品協会に問い合わせたのです。野菜・果実の栄養成分、品質研究が専門分野であった吉田先生ですが、生鮮・冷凍の分析結果は同等か生鮮が勝る、と予測していたのでしょうね。その時期は、表にある6月、初夏のことだったと推察できます。 冷凍野菜はいつでも『旬』 問い合わせを受けた比佐氏は、冷凍食品の賞味期限は約1年間なので、冷凍野菜は最も生鮮品が多く出回り価格も安定している旬の時期にまとめて生産できること。旬の野菜が美味しく栄養価が高いことは当然。冷凍野菜はブランチング(下ゆで)して急速凍結していること。急速凍結は食品の組織をなるべく壊さずに凍らせておく技術なので、適切に解凍すれば栄養価は旬の時期そのままであること、などを解説したそうです。 そう、ほうれん草の旬は冬場。その組織が壊れないように保たれているということは、冷凍ほうれん草はいつでも『旬』。説得力があります。 テレビで公開された最新実験結果でも、冷凍ほうれん草の「旬」の栄養を確認。 https://frozenfoodpress.com/2022/08/27/asaichi-frozen-vegi-vitaminc/ その当時、生鮮野菜と冷凍野菜の栄養量を比べる実験を行った例はなく、業界にとっては朗報、大喜びであったと思います。実際、それ以降、冷凍食品協会は、吉田先生の研究結果(1985年)を活用して、冷凍食品のメリットをPRしています。 余談ですが、「日本食品標準成分表」に、ほうれん草の栄養成分が、通年平均と夏採り・冬採り別に掲載されるようになったのは、2015年改訂(七訂)からです。  -18℃以下で1年間、これが経済的メリット 「冷凍食品では栄養が摂れない」「冷凍したら当然栄養は壊れているはず」といった誤解は、なかなか払拭できずにいるのですが、旬の時期に凍結した野菜と端境期の生野菜の栄養成分比較にふれると、皆一様にびっくりします。 年1回、旬の時期に作る、という話も、四季が巡って1年が経つ日本の消費者の感覚にフィットする話ですね。 さて、冷凍食品メーカーの多くが採用している約1年間という賞味期限、これは、-18℃以下を保って保管するという大前提の条件があります。もっと低い温度帯なら、賞味期限はより長く延ばすことができるのですが、製造した時の品質がほぼ同等に1年保つことができて、経済的にメリットのある温度帯として-18℃以下(華氏では0℉以下)が選ばれています(国際規格のコーデックス規格も同様)。 「グリーンピースのビタミンC保持に及ぼす温度の影響」(デートリッヒ、1957年)のグラフをご覧ください。急角度でビタミンC量が減少していく他の温度帯に比較して、-18℃以下ではほとんどと言ってよいほど保存日数の影響が低いことが表われています。 ちなみに、日本の食品衛生法による冷凍食品の品温は、微生物が繁殖できない-15℃以下と定められています。冷凍食品業界は、国の基準より厳しい国際規格を自主規格として採用し、より良い品質保持に努めているのです。  栄養バランスの良い食事は、、、自分で考えましょう 冷凍食品だけ食べてくださいとは言っていないのですが、時折、「冷凍食品ばかり食べて山本さんの健康状態が心配です」という意味不明のお気遣いをいただくことがあります。 ほぼ健康です。リスクは酒量のみ、と認識してできるだけ適量摂取に努力しております。 同じように「外食ばかりだと栄養が偏る」といった話も昔からよく聞きます。なんか変、と常々思ってきました。何をどれだけの量食べるかを考えて食事をすること、これは基本的な生きる力ではないでしょうか。 学校給食を長く取材していましたが、1日のバランス、1週間のバランスを考えること。多少太っていても気にせず、健康に過ごしている今より太らないように気をつけること、などなど、栄養指導をされている先生方からさまざまなお話をうかがいました。 冷凍食品はほぼ全ての商品に栄養表示があります。原材料も分かります。とても便利ですね。何を加えてバランスを取れば良いかが分かります。 かつて、大阪のテレビ番組に出演した際、「肉、野菜、炭水化物すべて入っている。餃子は”完全食”や」と力説した芸人さんがいらっしゃいました。ピザも似ています。 え、問題は量? 確かに。美味しいものはたくさん食べたくなりますからねぇ。

  • 2022年7月21日

冷凍食品買い方指南  カギは“コールド・チェーン”なのです

真夏、プールを出てアイスバーを頬張る至福の時、最後のひとくちがポトッと落ちて〈涙〉という経験、ソフトクリームがへなへなになって手がベトベトという経験、ありますか?私は、ボーっと考えごとをして、うかつに生きている子どもだったので、よくありました。 アイスはとけるまえに食べる!うっかりとけてしまったものを再凍結すると美味しくない!これ、鉄則ですね。スーパーでアイスを買おうというとき、お店に入って最初にカゴに入れる人はいないはず。特に夏は要注意です。買い物の最後にカゴに入れて、すぐレジにGO! 保冷剤かドライアイスを買うかもらうかして、まっすぐ家に帰り、すぐ冷凍庫にしまわなくてはいけません。 ところが、冷凍食品はというと、アイスほどには気遣っていただけていないような気がします。 ということで、今回は、「冷凍食品買い方指南」。 サブタイトルに掲げたように、そのカギは“コールド・チェーン”です。 お店では最後に買って保冷バッグ&保冷剤 『時間を止めて(急速凍結)』、『空間を超越する(マイナス18℃以下の保存・流通)』冷凍食品【前稿ご参照くださいませ】。マイナス18℃以下のコールド・チェーンをつなげて、売場に並べるまでは業界の仕事ですが、それ以降は、買い物をした皆様に託されています。 「チェーン(鎖)」をピンと張れば一直線ですが、どこかひとつの輪が切れたら、じゃらじゃらと落ちてしまいます。売場から皆様のご家庭の冷凍庫まで、ずーっとチェーンがピンと張れているかどうか、まずは意識することからスタートしましょう。 今やエコバッグの時代、冷凍食品を買う時は普通のエコバッグではなく、保冷バッグ持参を忘れずに。家を出るとき、冷凍庫にある保冷剤を入れておけばなお良いですね。保冷剤やドライアイスが有料の店もあるので、持参した方が節約になり、しかもエコフレンドリーです。 お店の中では、アイスと一緒に最後にカゴに入れて、すぐレジに向かいましょう。そして、保冷剤を持参してなければ、店でドライアイスや保冷剤を入手。そして、冷凍食品の上に置いて、しっかりチャックを閉めましょう。冷気は上から下に流れるのです。 注意したいのは、氷を使うのはNGということ。氷は冷凍庫から出してしまうとすぐ温度が上昇していきます。レジ横に置いてある氷は要冷蔵食品(10℃以下)の保冷用です。氷は、マイナス18℃以下の冷凍食品に接していると、時間の経過と共に冷凍食品の温度を上げてしまうことになるのです。 おうちでは 帰宅したら真っ先に、冷凍食品を冷凍庫にしまいましょう。そう、コールド・チェーンの最後のところです。 保管場所は、自分の使いやすいように、庫内を大きく4分割などして番地を決め、どこに何を納めるかをはっきり決めておくと良いですね。開け閉めの時間は短いほど良いですから。あれ。どこかなと探しているうちに庫内温度はどんどん上がってしまいます。 小分けにして使うものは、一度開封したら取り出し易い場所にまとめておくのも良い方法です。小分け使用の商品は、残りをジッパーバッグなどで保存するのも賢いやり方。乾燥しやすい麵類などは特におすすめです。 そして、『冷凍庫はみっちり保管』と記憶してください。空間が大きいと冷凍庫を開け閉めしたときにその空間に外気が入り込み、温度変化が起こりやすくなります、使った分を買い足していき、常にたくさん入った状態がベスト。 最後に注意いただきたいのは、冷凍=永遠ではない、ということです。 庫内が狭い家庭の冷凍庫は扉の開閉によって温度変化にさらされますので、家電メーカーでは、保存期間の目安は「3ヶ月」としています。もちろんそれを過ぎても腐らないのが冷凍の優れているところなんですが、印字されている賞味期限が何ヶ月先でも、買ってから2~3ヶ月以内を心がけて使い切るのが美味しく食べるコツなのです。 最近の冷凍食品はどれを食べても美味しくって、間違いなし。でも、せっかく美味しい冷凍食品を買っても、食卓できちんと100%の美味しさを再現しなくては、もったいない!!美味しく食べる第一歩は「買い方」。売場から家庭の冷凍庫までのコールド・チェーンがカギなのです。

  • 2022年6月16日

冷凍食品ジャーナリスト山本純子の
『冷凍食品のはなし』vol.1

1960年代のテレビアニメ、「スーパージェッター」をご存じでしょうか? 昭和のことはもはや故事、古典となってしまった令和の時代にこんな話題を振ると、なんか迷惑な年寄りになってしまいますが、『時の流れを超えてやってきた』少年ジェッタ-は、本当にかっこよかった。 ジェッターは、腕時計のようなもので「流星号応答せよ!」を呼びつけ(今のApple Watch風?)、どこから来るのやら空を飛んできて重量を無視して浮いているそやつに飛び乗り、マッハ15のスピードで飛んでいきます。少年少女の未来へのあこがれが詰まったアニメは、1965年1月7日にスタートし、最終回が1966年1月20日とのこと(何事もすぐ検索できる便利な未来になりました)。さて、その当時の家庭用冷凍食品はというと、1963年にスーパーの先駆け、ダイエー三宮店に初めて冷凍食品売場が登場し、ものすごいスピードで出店が続いたスーパーを通じて、人々の生活の中に入り始めた時期でした。 何が言いたいのかというと、時の流れを超える、未来から来たような『時空間超越』こそが冷凍食品の神髄、かっこよさ、ということです。   旬の食材も出来たての料理も、有名シェフのレシピによるごちそうも、急速凍結という手段で『時間を止める』。 そして-18℃以下という低温で保存して流通することで、約1年~2年、腐ることなく元の鮮度と品質を保ちながら、日本国内どこへでも、場合によっては海外へも、はたまた将来には宇宙にだって移動できる。行列ができるような有名店監修のラーメンも家庭にいながら楽しめる。つまり、『空間を超越できる』のが冷凍食品なのです。   『時空を止めて空間を超越する』というフレーズ、実は、わが国食品冷凍学の権威、鈴木徹先生(東京海洋大学特任教授)からお墨付きをいただいたもの。先生がかねてより唱えてこられた、「食品冷凍技術システム論」を私なりに解釈して表現したものです。 あるとき、「冷凍食品の最大のメリットとは?」と鈴木先生に聞かれ、「腐らないことです」と答えたところ、「そうだ!」と鈴木先生。「つまり、時間を止めて空間を超越する手段ってことですね」と私が言うと、「うまい表現だね」と褒めていただけた、という経緯です。 もちろん、時空間超越が可能になってから最後、冷凍庫から出して食卓に上るまでの扱いも重要です。システム論の『解凍・調理』のところを上手にこなすことが美味しさにつながります。“適切に解凍・調理をする”ことは、食べる皆様、厨房で調理する料理人の手に委ねられています。上手に解凍・調理して、素早く、美味しく、楽しく、快適な冷凍食品ライフを楽しんで頂きたいと思います。