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10月18日は「冷凍食品の日」、10月は「冷凍食品月間」

1年365日(4年ごとに366日)、記念日になっていない日はないようです。冷凍食品にももちろん、記念日があります。

「冷凍食品の日」は10月18日、そして10月は「冷凍食品月間」です。

日本冷凍食品協会が、1986年に「冷凍食品の日」を制定、翌年に10月を「冷凍食品月間」と定めました。由来は、冷凍の「とう(10)」で10月、冷凍食品の自主的取扱基準に基づく保存温度、マイナス18℃以下(食品衛生法の規制はマイナス15℃以下)にちなんで、18日です。また、10月は食欲の秋、食に関する話題も多いということで、10月を「月間」に設定したのです。

このように説明すると、“業界あるある”のように思えますが、この制定に至るまでには、業界人なら誰もが心しびれるエピソードがありました。

 

業界有志が立ち上がった!心しびれるきっかけ

198485年当時、好調に伸びてきた家庭用冷凍食品の勢いが急に弱くなり、「成長が止まったのでは」、「成熟期か?」といったことが業界内でささやかれていました。しかし、「いや、これは単なる踊り場。冷凍食品の良さをPRすれば、きっと再び成長軌道に乗るはず」と立ち上がった方々がいました。トップメーカーの味の素、ニチレイ、ニッスイ(日本水産)の当時の冷凍食品担当部長3氏でした。リーダーは後に味の素㈱社長に就任した故江頭邦雄氏です。

いつもはライバルとして、マーケットで熾烈なバトルを繰り広げる大手3社。その担当部長が相まみえ、業界の発展のためにと業界全体で取組むべき、冷凍食品そのもののPRについて話し合ったのです。

そして彼らの提案が協会事務局を動かし、業界を動かし、特別予算、特別協賛が組まれて、「冷凍食品市場活性化特別事業」の名称で、プロジェクトがスタートしました。その結果、「冷凍食品の日」を制定、一般の消費者を招く業界挙げてのPRイベントが1986年10月18日に実施されたのです。イベントを開き、話題を提供、マスコミに取り上げられ、広く全国の消費者に伝わることを目指す企画です。

以降、36年が経過しますが、大喪の礼の前年に中止があった以外、毎年冷食協主催のイベントが開催されています。

 

問屋も立ち上がり、成長軌道へ

私は専門紙記者でしたので、“業界挙げて”というフレーズを何度使用したか覚えていないくらいです。この動きは食品問屋の有志も動かしました。首都圏では問屋が会員、メーカーが賛助会員で構成する「首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)」が1987年に誕生します。流通に共通する課題を話し合い、スーパーで展開するキャンペーンを開始しました。現在も、冷凍食品を購入し、ハガキで応募するクローズドキャンペーンを毎年実施しています。その他地方でも数カ所、活動が盛り上がりましたが、M&Aによる流通再編の波を背景に、今では終息していてさみしい限りです。

しかし、業界人の予想通り、「冷凍食品の日」制定から程なくして、家庭用冷凍食品は再び成長の勢いを増してきます。「お弁当」商品のバラエティが広がり、瀬戸大橋開通で冷凍さぬきうどんが話題になり(1988年~)、焼きおにぎりのヒット(1989年)、電子レンジ調理のフライが登場(1994年)、自然解凍OK商品の開発(1999年)と、市場をリードする数々の開発商品が出てきたこともマーケット拡大の要因になりました。

2000年には、日本冷凍めん協会も「冷凍めんの日」を10月10日(れい:0のつく10月、とう:10日)に定め、冷凍めんの美味しさ、新鮮さを啓蒙する普及事業に取組んでいます。

 

まだまだ成長、夢は広がる

ライバル関係を超越して、声を掛け合い、普及事業に協力する。そんな活動を実現できた業界が冷凍食品業界です。成長する勢いがあるからこそ、互いに奪い合うことなく、さまざまな方向で企業が発展していけたと思います。昨今、高級冷凍食品や冷凍食品専門店が話題になって大いに注目を集めている家庭用冷凍食品ですが、今後も成長する未来が予測できる、そんな夢が広がっている業界なのだと考えています。

資料:(一社)日本冷凍食品協会
国内生産高(業務用・家庭用別)統計の推移
2021年度の冷凍食品の日イベント
(ゲストは三國清三シェフ、山口もえさん)