羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け
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開発秘話

  • 2023年3月14日

2023年 FOODEXフローズンオブフューチャー グランプリ受賞!極みの大粒 肉餃子と極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子の開発ストーリー

先日リリースされた2023年春夏新商品。様々な食品が発表されましたが、今回は新しい2つの餃子極みの大粒 肉餃子と極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子の開発ストーリーに迫りたいと思います。開発者は山本さんです。 なお、この極みの大粒 肉餃子はFOODEXフローズンオブフューチャーでグランプリを受賞しております!審査では、「肉感が他の冷凍餃子を圧倒している」、「肉の味にコクを感じる」といった高評価をいただき、グランプリ受賞に至りました。   2023年春夏新商品!極みの大粒 肉餃子と極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子の開発ストーリー チームからプチ贅沢を提案したところから開発がスタート 編集オガワ 今回の餃子の開発はどうした着想から生まれたのですか? 山本さん 大袋タイプのラインナップ拡充の需要があるということです、開発から提案をしていったのがはじまりです。 市場にも日常使いのものだけでなく少し高級な餃子が増えてきていて、トレンドであるプチ贅沢を大阪王将がだすなら?という思いから提案しました。 編集オガワ なるほど、最初から同時に極みの大粒 肉餃子/極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子の2種類を開発する考えだったのでしょうか? 山本さん はい。オーソドックスなものと、少し変化球的なものということで2種類で考えていました。 お肉へのこだわりがぎっしり詰まっている!極みの大粒 肉餃子の開発 編集オガワ まずは極みの大粒 肉餃子について、こちらはどのような餃子でしょうか? 山本さん 普通の餃子タイプの中で、本当に美味しいものとは?というものを書き出すところから始めました。肉感、ジューシー、にら、にんにくなどのやみつき感など、それらを突き詰めた上で本当に美味しい部分は何なのか、というものを追求した餃子になっています。 編集オガワ なるほど、確かに大事な要素な気はしますね。ですが、それって餃子といえば全部同様なんじゃないですか?この餃子ならではの特徴はどんなところにあるのでしょう? 山本さん 例えば肉感、という要素について。普通の餃子は鶏豚肉がメインなので今回は牛肉、しかもすね肉を入れて、食感とコクをだしています。これによってやみつき感を出しています。更に食感がほしいので、豚のもも肉の角切り(ダイスカット)が入っています。自社でカットして歯ごたえのアクセントを演出しています。 こうした肉のバランスだけでもかなり試作していて鳥豚牛の配合、お肉の割合など最適なバランスを探りました。牛が多すぎるとハンバーグみたいなるし、少ないとコクがない。餃子としての食べごたえと、食べ飽きない、をつきつめたんです。 編集オガワ 肉だけでもそれだけこだわったのですね。少し分かりました、餃子に必要な各要素のレーダーチャートでいえば、その全体の要素が極大化されるようなところを狙っているのですね。 イメージ 山本さん そのようなイメージです。今回はこれまでにない挑戦をやってきています。配合割合だけでなく、餃子に加工するまでの工程でも、例えば練り込んでいる時間にしてもミキシングを長くするなど、工夫を凝らしています。 編集オガワ どういった効果があるのでしょうか? 山本さん よく練ることでお肉の結着がよくなり、ジューシー感を更に出すことができます。目指す食感、ジューシー感をイメージしてそこにたどり着くまでの100回くらいの試行錯誤を行っています。 皮の厚みも、旨味をだせるように他の餃子よりも厚い専用の皮を使っています。厚みと、もっちりとした感じを出すように水の量、温度調整などを頑張りました。 編集オガワ 餃子ができあがって、反応はありましたか? 山本さん 社内だけでなくバイヤーさんからも、かなり好評をいただいています。羽根つき餃子の約1.7倍サイズのリッチな餃子なので、美味しいし大きな袋の目立つ形も良いねと言われていて、味だけでなく総合的に良い反応をいただけたことは嬉しいですね。 成形で実現したジューシー爆弾?!極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子開発ストーリー 社内公募のアイデアから開発スタート 編集オガワ 極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子は見た目が一風変わった餃子ですが、こちらはどんなきっかけから開発が始まったのでしょうか? 山本さん もともとは全社横断の公募の仕組み「ライフデザインプロジェクト」から生まれたものです。生産や、営業事務の社員など、誰でもアイデア出せるプロジェクトなのですが、この餃子は生産管理の方のアイデアなんです。工場の話ではあるのですが、秋冬にスープや鍋の用途で好評のぷるもち水餃子なのですが、春先は秋冬ほどの生産がないので、このラインを活かそうという考えから始まりました。 編集オガワ なるほど、そんな発想から生まれたのですね。この特徴的な見た目はどういうところから着想を得たのでしょうか? 山本さん 実際に餃子の中にはこのような形のものがあるのですが、今回は現在の市販冷凍品にはない、丸い餃子をイメージしました。 編集オガワ こだわりには苦労がつきものだと思いますが、何か大変だったことはありますか? 山本さん 可愛らしくも食欲の出るような形にこだわって試作品はできたのですが、工場での生産に乗せるのは苦労しましたね。水餃子を作る機械でやろうと思ったのですがいい形にならず、最終的には他社では大福や豚まんなどを作る際に使う包餡機で作っています。 編集オガワ わざわざ機械を取り寄せるほどだったんですね。形だけでなく、味にはどのようなこだわりがあったのでしょうか? 山本さん 味をつくるのもかなり大変でした。厚みのある皮なのですが、水餃子ほど固くてもだめで、肉汁がじわっとするほどよい厚さ、固さを追求しています。でも柔らかい皮だと肉汁が溢れてしまう、厚くしすぎるとジューシー感が出ないので最適なバランスを見つけるための試作を繰り返しました。 編集オガワ 餃子の餡についてもこだわりがありますか? 山本さん そうですね。食べた時に香味野菜の香りと旨みあふれる肉汁が感じられるように工夫を凝らしています。そして餃子として成立するように皮、餡の割合を考えて、作ってみるというトライ・アンド・エラーを繰り返しています。最終的には名前の通り肉汁が爆弾のようにあふれる、というところまで持っていくことができました。 編集オガワ こだわりきった餃子なわけですね。新しいチャレンジには失敗がつきものだと思いますが、そういったことはありましたか? 山本さん たくさんあります。笑 ラインテストの失敗では、餃子の皮がもっちりしていてるのでコンベアに貼りついて、加熱のボイル工程に行かない、ということがありました。また、成形のための機械をもってきたのは良いが、それをそれをセッティングすること自体も大変で何度も失敗しました。最終的にはラインと機械の設定もしっかりできたのですが、現場の皆さんも協力いただいたおかげで、形になっていったと思います。 編集オガワ できあがった後、皆様からの反応はいかがでしたか? 山本さん かなり面白いという評価が出ていました。味はもちろん、こだわった形状や名前も含めて総合的にお褒めいただき、苦労の甲斐があったな、と感じています。極みの大粒 肉餃子とセットで評価いただけているのも嬉しいですね。 ウキウキ気分で食べたい餃子になりました 編集オガワ 今回の2つの目玉となる新餃子、どんなシーンで食べていただきたいですか? 山本さん 今日はいつもの餃子と違う、というウキウキとした気分に、皆で食べていただきたいですね。自宅でのプチ贅沢をお楽しみいただきたいです。 編集オガワ ありがとうございました。今後山本さんが取り組んでみたい開発はありますか? 山本さん 今までの延長線上にある開発だけでは大阪王将の存在価値は発揮できないのではないか、と考えております。お客様の不満を取り除く、あるいはこれまでにないような満足感を得ていただけるようなチャレンジをしていきたいと思います。 今回、新しく開発を取り仕切るポジションにもなりましたので、そうしたチャレンジをチームでやっていきたいと考えています。 こだわり抜いた2つの餃子、召し上がれ 極みの大粒 肉餃子と極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子の開発ストーリーをお届けいたしました。店頭でお見かけの際にはぜひお試しください。冷凍餃子の新境地のようなご馳走感のある餃子になっています!  

  • 2022年12月22日

日本最大最速級の餃子製造工場、操業スタート!

イートアンドフーズには冷凍食品を製造している工場が複数あります。 関東にはなんとこの度、三つ目となる冷凍食品製造工場が完成!! 11月についに動き始めました。 ということで、いったいどんな工場なのか!?ちょこっとお見せしちゃいます♪   第三工場はどんな工場? 新工場ではありますが、実は関東第二工場に隣接するように建てており、 第二工場と行き来ができるようになっています。 第三工場の特徴は、「AI」や「IoT」を駆使した“日本最大最速級”の工場であること。 当社の主力商品である「大阪王将 羽根つき餃子」の製造ラインを増やし、 コロナ禍を経てよりいっそう需要拡大が見込まれる冷凍食品をたくさん作るために生まれました。 新技術を駆使して生産性の向上を図り、品質と安全性も高めています。   羽根つき餃子で考えると、第三工場で作れるのはなんと!月に約595トン!! あのアフリカによくいるゾウさん、約5トンです。 アフリカゾウ、約120頭分・・・むしろよく分からなくなりますね。すいません。   工場の中を少しだけお見せしちゃいます! たくさん作れる理由は、速いから。なにが速いって? 人間の代わりに機械が増え、何もかもが速いんです! スピードアップした工場の中を、少しお見せします♪ 例えばこちらはカットした野菜や、出来上がった具を全自動で運ぶAGVちゃん。 横文字だとかっこいいですが、トコトコ確実に運んでくれる真面目な子です。   そして安全性を保つにはチェックが大事。 今までは何人もの人の目で、商品を一つ一つ丁寧にチェックしてきました。 今回、もっとスピードを上げるために投入されたのが無数のカメラ! 何台も並んだ機械から、ものすごいスピードで出てくる餃子たちを1つ1つしっかりチェック。 個数不足などを検知し、異常があるものは取り除きます。   空港の保安検査場のように、包装後も中身に異常がないかチェックをするX線探知機など、 他にも様々な最新機器を導入し、安全・安心な美味しい商品づくりを加速させています!   安心・安全で美味しい羽根つき餃子をお楽しみください! また2022年6月には、関東工場・関西工場ともに、食品安全システム規格「FSSC22000」を取得。 厳しい管理を実施し、安全強化の取り組みも進化しています。   みなさんもぜひ、進化し続ける工場でおいしく作る「大阪王将 羽根つき餃子」を食べてみてください!

  • 2022年8月31日

大阪王将冷凍餃子のおいしさに迫る!美味しい餃子を支える人達のお話

老若男女誰もが愛してやまない餃子。中華食堂、スーパー、はたまたネット販売など、いつでもどこでも様々な場面で買って、おいしく食べることが出来ます。本日は、そんな中でも大阪王将 冷凍餃子の「おいしい」を支えていただいている契約農家さんを取材して来ました。工場で製造する餃子に最適な大きなキャベツ、白菜をこだわって育てている農家さんです。   365日いつでもおいしい餃子を作るために!農家さんのご紹介 餃子の中にはいろんな食材が使われています。たとえば、キャベツ、白菜、ニンニク、ショウガなどなど。そんな中でも、野菜のシャキシャキ感をだすキャベツと、ぷるもち水餃子に使われ、野菜の自然な甘味をだすために使われている白菜を生産いただく、茨城県の生産者様の諏訪ファーム様諏訪社長を訪問いたしました。   実際の収穫現場にて – 白菜編 キム 実際にこちらはどのくらい白菜を育てているのでしょうか。 諏訪社長 ここだけで20アール(テニスコート10面分)あって、おおよそ20tくらいの白菜がとれます。今収穫しているのは、明日、大阪王将さんの工場に納品する分になります。 キム こんなに立派な白菜を作っていただいて本当にありがとうございます。今、朝の8時ですが何時ごろから収穫されているんですか。 諏訪社長 朝4時頃から収穫しています。涼しい時間から収穫してすぐに倉庫保管することで、白菜自身の温度が上がらずに、より良い白菜を提供できると考えてます。 【白菜を収穫中の諏訪社長】 キム こんなにも品質にこだわっているんですね。これはおいしい餃子になるわけです。 諏訪社長 工場へは鉄コンテナ(通称鉄コン)で提供しています。この鉄コン1基で白菜が約550㎏入っています。明日の納品が8tなので、16基納品します。 次の収穫に向けて – キャベツ編 実際に7月に納品予定のキャベツを見せていただきました。 【5月時点のキャベツ畑の様子】 諏訪社長 ここは、7月に供給するためのキャベツを生産しているところです。まだ、キャベツも小さく、これからすくすくと大きくなっていきます。 キム どれくらいの数量を育てているのですか。 諏訪社長 ここからは約35tとれる見込みです。野菜作りは事前に契約を結び、いつ、どこから、いくらで、いくつ納品いただくのかが決まっております。キャベツは7月に20t納品いただく予定ですが、天災(雹が降ることも!!)、病気などで収穫量が減った時も安定供給できるようにしています。 キム 安定供給のために、数量まで調整して頂いているのですね。   キム 畑を見ると同じ畑でも成長具合が違いますが、これはどうしてなのでしょうか。 諏訪社長 これは、出荷時期に合わせてキャベツの品種を選択し、出荷日の予測をつけながら、数日間の間隔をあけて育てています。5月、6月、7月収穫するキャベツはすべて品種がちがっているのですよ。 キム 本当に、大阪王将 冷凍餃子に安心・安全でおいしいキャベツ、白菜を供給するためにつくっているのですね! 美味しい餃子にするための農家の努力、情熱はすごい! おいしい餃子を作るために、このような産地の皆様に支えられていることを、インタビューすることが出来ました。私も調達担当として、今後も産地の皆様と協力していき、美味しい餃子を作っていきたいと思います! ご協力いただきましてありがとうございました。  

  • 2022年8月29日

2022年 目玉新商品「大阪王将 謹製羽根つき なにわのお好み餃子」開発ストーリー

以前、こちらの記事でもご紹介させていただいた2022年 秋冬の新商品 「大阪王将 謹製羽根つき なにわのお好み餃子」。かなり変わった一品になっておりますが、今回はその開発者 三條さんにインタビューをしてみました。 2022年 目玉新商品「大阪王将 謹製羽根つき なにわのお好み餃子」開発ストーリー 開発の原点は社長の一声から 編集オガワ 今回、かなり変わった着想の餃子だと思うのですが、なぜ開発をはじめたのですか? 三條さん SNSでチーズ餃子にソースをかけている写真が投稿されていたのがきっかけです。それを見た仲田社長が「お好み焼きみたいやな」と話していて、作ってみようかー、と。 編集オガワ そんなきっかけなのですね!というか、社長もSNSを見ているんですね?笑 三條さん 勿論です!うちの食品がどうやって食べていただいてるか、関心は高いですよ。アイデア会議も盛り上がって、そこからの開発は早かったです。 編集オガワ この餃子はソースとあおさ、鰹節が付いていますが、餃子自体は他の羽根つき餃子とは違うんですか?たれがソース達に変わっただけだったり? 三條さん 全然違いますよ! お好み焼きへのリスペクトが餃子に詰めこんだ 三條さん 餃子自体もお好み焼きに寄せていて、キャベツをたくさん使い、更に具材にかつお粉末なども使っています。ソースを使わなくても香る餃子になっていて、生産現場では餡をつくっているだけでも香りがしてきていますよ。笑 編集オガワ お腹がすきそうな現場ですね。 他にも普通の餃子と違うところはありますか? 三條さん 皮だけでなく具材としても小麦粉を入れて、お好み焼きに寄せています。餃子のパンチが出過ぎてしまうので、にんにく、しょうがなどは敢えて外してあります。 編集オガワ それじゃあ本当にほぼお好み焼きでは…?! あくまで餃子であることのアイデンティティとは? 三條さん そこが特に工夫したところなんです! あくまでも餃子なので、完全なお好み焼きではなくて、餃子であることをしっかり出す必要があると考えました。 そこで羽根の素を工夫し、ソースがかかってもしんなりしないようにパリッとした食感になるように配合しているんです。 編集オガワ 羽根のパリパリ感で餃子らしさを表現することにしたんですね! ソースや、添付が盛り沢山でも、5フリーのお好み餃子 編集オガワ ここまで伺ってきて、餃子の具材だけでなくソースなども色々なものを使っていそうなのですが、こちらの餃子も5フリーなのでしょうか? 三條さん はい、「素材の力を味に活かす」という我々の方針に沿って開発をしているので、こちらの餃子もちゃんと5フリーですよ。 生産現場との連携でお好み餃子の完成形へ 編集オガワ 食品開発のお話を聞いていると味などを決めていく段階と、製造工程に落とし込んでいく次の段階の2段階のハードルがあると感じているのですが、こちらの製造工程への落とし込みはどうでしたか? 三條さん そうですね、これまでは「餃子のたれ 2つ」とか「岩塩」でしたが、今回は「ソース」「あおさ」「鰹節」という3つの添付を付ける、ということで製造工程をどう組むかは現場との連携で築いていきました。なかなか厄介なので生産からはやめてよー、とも言われました。笑 でも、お好み焼きこれがないと、と思って根気よくお願いしました。 編集オガワ 結構な苦労があったのですね、お好み焼きらしさと餃子らしさの両立、難しい課題を成立させたと思うのですが、実際に出来上がってみて、各所の反応はいかがでしたか? 三條さん 営業さんのプレゼンに同行してバイヤーさんの意見を聞く機会があったのですが、「おー!」という驚きの反応がもらえたと共に、「見た目が面白いね」と言っていただけました。 編集オガワ 狙い通り、ですね?笑 三條さん そうですね。3つの添付にこだわって良かったと思いました。 楽しんで食べてほしい、という思い 編集オガワ 今回のお好み餃子、どのようなシーンで召し上がっていただきたいですか? 三條さん やはり見た目が楽しい、驚きがある、という餃子ですので、おうちでパーティーなんかで家族や友達と楽しみながら食べていただきたいですね。 編集オガワ 三條さんは先日の「羽根つき タン塩餃子」の開発もあり、変わり種の餃子の開発をよくされているイメージなのですが、次に取り組みたい開発などはありますか? 三條さん 機能性食品とか健康系の食材が増えてきていているので、個人的にはちょっと健康系の餃子にもチャレンジしたいと思っていますね。 編集オガワ ありがとうございました。 大阪王将らしい遊び心ある餃子、召し上がれ いかがでしたか?今回は「大阪王将 謹製羽根つき なにわのお好み餃子」の開発者ストーリーを伺ってまいりました。見た目のインパクトだけでなく、お好み焼きへのこだわり、餃子へのこだわりが詰まったしっかりした食品になっています。満足度間違いなしですので、ぜひ一度お試しください!

  • 2022年6月9日

2022年春夏 大阪王将新商品!ラーメン開発秘話

皆さん、こんにちは。 2022年春から新登場した大阪王将の冷凍ラーメンはご存じでしょうか。今回は、新登場した冷凍ラーメンの開発秘話について開発担当自らご紹介させて頂きたいと思います!! まずは商品のご紹介! 金華スープの醤油ラーメン スープに世界三大ハムの1つである金華ハムのエキスを使用。金華スープを使用して作る大阪王将のお店の醤油ラーメンを忠実に再現しました。 麺は、量も多く満足感があり、しっかりとしたコシが特徴です。 https://www.eat-and.jp/foods/products/detail.php?id=2A1P5GR スタミナ味噌ラーメン 創業当時のメニューをオマージュした商品。スープのコクにこだわり、町中華の懐かしさを感じられる商品に仕上げました。 こちらも麺は、量も多く満足感があり、しっかりとしたコシが特徴です。 https://www.eat-and.jp/foods/products/detail.php?id=2A1P5Q8 どちらもスープにこだわったスープが美味しいラーメンです! ラーメンを開発しようとしたきっかけは? 大阪王将の商品を作る私たちは、餃子はもちろん食べて頂きたいですが、餃子以外にも色々な中華を食べて頂きたいと常に思っています。中華を食べに行った時の中華料理がたくさんテーブルに並ぶ光景をおうちでも楽しんでほしい。そんな思いから餃子だけでなく小籠包や焼売も作ってきましたが、今回ついにお店でも大人気のラーメンに挑戦しよう、ということになりました。 商品のこだわりポイントは? まずは、スープです!スープにはかなりこだわりましたし、自信もあります。「お店で出るような職人が作った味を再現するには?」と考えました。色々なタイプでスープを試食しましたが、「返し」のイメージの希釈タイプが一番お店の味を再現できると考え、お湯で割るスープにたどり着きました。 返し・・・スープで割る前のたれのこと。 次に麺です。茹で伸びしにくく、お店のようなコシのある麺をご家庭で簡単に実現できるよう独自の配合で作りました。 醤油ラーメンは、金華スープがポイントです。金華スープとは、世界三大ハムの1つで、高級中華コク出しでおなじみの食材である金華ハムの旨味を入れたスープのこと。これはお店の醤油ラーメンにも使われています。金華スープを使用したお店の醤油ラーメンに近づけるため、金華ハムのエキスを使用し、お店の味の再現にとことんこだわりました。金華スープのコク深い味わいにしょうがを効かせて飽きない味付けにしました。 スタミナ味噌ラーメンは、濃厚さとパンチがポイントです。大阪王将創業当時のメニューの”スタメン”をオマージュした商品で、味噌と豆板醤のコクとにんにくの旨味に少しとろみをつけた旨辛濃厚スープです。トレンドである、スタミナみなぎるような味わいにしたく、にんにくとにらを入れ辛さを出しました。トレンドのスタミナ感と町中華のなつかしさを感じられるネオノスタルジックな味付けに仕上げました。 苦労したことは? 基礎の基礎ですが、まずはラーメンを知るというところで苦労しました。特に麺です。ラーメンは好きでよく食べるので、なんとなく分かると思っておりました。 しかし、提案していく中で、「あれ、全然わかってないじゃん!」と感じ、ちょっとショックを受けました(笑) 社内のプロたちに提案する中で、「もっとプリッと」「固く」「コシ」「伸びにくく」など的確なアドバイス頂きましたが、最初の方はニュアンスを理解することが難しく、苦労しました。 ラーメンを知るためにいろいろなお店に食べに行き、「こないだ言われたことってこれかも!」だったり、「このスープ、イメージに近い!」などだんだん分かってきたことを実感し、開発が楽しくなりました。 あとは、単純にラーメンを何食も食べることもちょっと苦労ポイントでした(笑)職人の方にも「ラーメンは、スープは飲み干すまで」と聞き、お店で食べるときはスープを飲み干すまで完食します。それをはしごしたりしましたので、かなり胃が大きくなった気がします・・・。でもこれは開発“あるある”ですね。 印象に残ったことは? 大阪王将のお店を長年やっている強みを最大限に活かした開発が出来たことです。 お店のエッセンスと取り入れた配合を考えるだけでなく、 例えば、自社工場では大阪王将のお店の麺も作っているのですが、工場長直々に麺の作り方について教えて頂きました。「お店のようなコシを出すには?」「材料それぞれの役割について」などお店の麺のこだわりなどを教えて頂きました。また、お店の職人が近くにいるので、大阪王将のメニュー開発の方などにもアドバイス頂き、外食で培ったノウハウを活かした商品作りが出来ました。 どんな人にどんなシーンで食べてほしい? もちろんいろいろな方に食べてほしいと思いますが、特にリモートワークでのお昼や少しゆっくりしたい時の夜・夜食に食べてほしいです! リモートワークでは、限られた休憩時間に調理をしなければならず少しハードですが、 これならお鍋いらずでお湯を沸かす時間を入れても10分以内で完成する、超簡単調理なのでおすすめです! 調理方法は、麺をレンジで加熱し、スープはお湯で割るだけ!   また、羽根つき餃子や炒飯と一緒に食卓へ出して大阪王将定食をおうちで楽しむ食べ方はぜひ皆さんにやって頂きたいです。調理も簡単なのに満足感たっぷりなメニューでおすすめです。 おうちで大阪王将定食♪     最後に ラーメンの魅力伝わりましたでしょうか。ラーメン食べたくなりましたか!?   はじめてのラーメン開発は、1から学ぶことがたくさんありました。 麺の作り方からラーメンのスープを美味しく作るポイント、麺との絡み、などラーメンって奥深い…! また、初めてで分からないことが多い中、委託先様の工場の方々や各原料メーカー様にもたくさんご協力頂き、何とか発売することができ、本当に色々な方々のご協力があって商品化できると改めて感じました。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございます。   是非、皆さんお手に取ってラーメンをメインにおうちで大阪王将を楽しんでみてください!!

  • 2022年3月29日

注目はごはんのおかず!?大阪王将 たれつき肉焼売 開発秘話

2022年春夏新商品のリリースを受けて焼売の開発ストーリーを語っていただいた前回の記事。 今回はその続編として、2022年春夏のリニューアルや5フリーについてお話を伺いたいと思います。 大幅改善!?大阪王将 たれつき肉焼売のリニューアルポイントとは 編集オガワ 早速ですが、今回のリニューアルポイントを教えて下さい。 田島さん ひとつは焼売そのもののリニューアルです。具材のたまねぎ、たけのこ、しいたけのサイズを大きくして、食感を楽しめるようにしました。食べたときの満足感が更に増えていますよ。 編集オガワ 元々一粒あたりのサイズが大きめで満足感あると思ってたのですが、更に食感が良くなったということですね! 田島さん そうです。二つ目のポイントはたれです。こちらは前面改良して、以前より甘さを感じるバランスにしています。 編集オガワ ほう。なぜそのようなバランスになったのでしょう? 田島さん 焼売をご家庭のさまざまな場面でご利用いただきたいという思いから、たれをつけてごはんによく合う味わいとなるようにしました。 編集オガワ おつまみやお弁当だけでなく、この焼売を主役に一食が成り立つようなシーンを狙っているわけですね!他にもリニューアルが入っているポイントはありますか? 田島さん 甘めのたれにつけてもしっかりと焼売自体の存在感が出せるように、焼売の肉のジューシー感がアップしていて、たれを付けたときにベストマッチするようになっています。 焼売も香料・甘味料・着色料・保存料・化学調味料不使用!5フリーについて 編集オガワ こちらの焼売はリニューアル以前から5フリーだったと思うのですが、5フリー対応にするというのは難易度高いのでしょうか? *5フリーについてはこちら 田島さん そうですね、単純に5フリーにするだけなら添加物を除くだけなので難易度は高くないのですが、お客様に美味しく召し上がっていただけるような味、あと社内で職人クオリティと認められる味になっていないといけないので、この点が難しいところですね。 編集オガワ なるほど、職人クオリティの味は保たなければいけないのですね!その場合は、どのようなことを工夫しましたか? 田島さん 具材の配合をとにかく工夫しましたね。肉の味が強すぎると、油が出すぎてしまうし、しょうがを入れすぎても辛くなる。素材のうまみを存分に出したいけど、出しすぎるとくどくなるという悩みもあります。「家庭で食べるからこそ、素材の本来の美味しさを楽しんでいただきたい」という5フリーに込められた思いを実現するために、ちょうど良いバランスとなるよう配合・加工をひたすらトライ&エラーで進めました。 編集オガワ 試作の繰り返しで磨き上げていったのですねー。この焼売ですが、どうやって食べるのがおすすめですか? 田島さん 勿論、色々なシーンで使用いただけるように丹精こめて作っていますよ。ただ今回のリニューアルで、以前よりもさらにごはんと合う味になったと思っています。今回焼売そのものだけでなく、たれにも大きな改善が入っていまして、醤油単体と食べるのとは違う味わいに作っています。このたれとの相乗効果でおかずのメインを貼れるイメージですね。 新商品開発経験とサステナビリティ?開発者としての目標を聞いてみる 編集オガワ 田島さんは焼売の前にはどのような食品を開発していたのですか? 田島さん 羽根つき餃子の別のフレーバー、ということで「大阪王将 羽根つきチーズぎょうざ」や「大阪王将 羽根つきカレーぎょうざ」の開発を行ってきました。 編集オガワ 結構攻めている食品の開発をしてきたんですね! 田島さん そうですね。焼売も当社としては初めての挑戦でしたし、なぜか攻めたような企画は私が担当することがあります。笑 編集オガワ 色々と開発を続けてきて、これからどんな開発をしていきたい、というものはありますか? 田島さん 外食のお店もやっている大阪王将ですが、こちらのメニュー開発メンバーもすごくて、お店のクオリティも進化しているんですね。ですので、私達冷凍食品などの開発としても、それに負けないような美味しさをと、家庭用ならではの便利さを追求していきたいですね。 編集オガワ なるほどー確かに外食も面白いメニューが沢山でてきてますもんね。ワクワクするというか。家庭用では便利さの追求、というのも大事なわけですね。 田島さん 私は最近立ち上がったサステナビリティ分科会にも入っていて、会社で掲げている環境(Environment)のフードロス削減、CО2削減といった分野に開発の力で貢献できれば良いなと考えています。 編集オガワ そういえば、その件については社内研修で会長・社長にしていたプレゼンでも触れていましたね。 田島さん はい。会社としてサステナビリティに取組んでいく、という中で開発としての提案や「会社としてこれが必要では?」といった内容を提案させていただきました。この提案の影響もあってか、委員会メンバーに入れてもらえたのかな、と思っています。 編集オガワ 開発で貢献、というのは大事ですね。ありがとうございました! 進化する冷凍食品で、楽しい肉焼売ライフを! いかがでしたか?今回は焼売のリニューアルポイントから、開発者が考えている将来についても伺いました。 職人クオリティで美味しいのに添加物が5フリーで便利、しかもサステナビリティに貢献している、なんて欲張りな冷凍食品な気がしますが、そんな食品が次々と世に出ていくのは楽しみですね。 この度リニューアルの大阪王将 たれつき肉焼売、ご飯にもビールにも合う使いやすい食品ですのでぜひ一度お求めください。

  • 2022年3月14日

大阪王将のネクスト冷凍食品「たれつき肉焼売」開発秘話

先日当社からもリリースのあった2022年春夏新商品。今回大幅にリニューアルした「たれつき肉焼売」について、まずは冷凍焼売が生まれるまでの話を開発者にインタビューを行いました。 ゼロからの挑戦。冷凍焼売開発へのスタート 編集オガワ 田島さんはいつから焼売の開発に携わっているのですか? 田島さん 焼売についてはリニューアル前の、はじめての自社製「たれつき焼売」を世に出すところからですね。餃子だけでなく大阪王将の他の中華食品も召し上がっていただけるよう幅を広げたい、という思いから開発が始まりました。 編集オガワ なるほど、初めての挑戦、となるとやはり苦労しましたか? 田島さん そうですね、冷凍食品として焼売自体を作ったことがなかったので、まずは美味しい焼売を考えるところが大変でした。 冷凍焼売実現への道。美味しい焼売とは? 田島さん 餡と皮、それぞれを分けてまず考え、その後合わせて美味しくなるような状態に持って行きました。先に餡の開発に着手したのですが、この時点でも苦労しましたね。これまでの経験を活かそうと餃子をベースに作ってみたのですが、当たり前ですけど餃子を丸めたような味の焼売ができてしまったりして。 編集オガワ 餃子を丸めたような味…笑 田島さん そうです。それから「焼売の美味しさって何?」という目線で、協力会社の皆様にアドバイスをいただいたり、また自分で作ったり、と試行錯誤を重ねましたね。 餃子と焼売の皮、何が違う? 編集オガワ ゼロから考えることがお大事だったわけですね。皮の開発はどうだったのでしょうか?そもそも、餃子と焼売の皮って違うんですか? 田島さん 全く違いますよ! まず、皮の薄さ、性質が違うんです。皮の主張が大きいと、具の美味しさが感じられなくなってしまうので、餃子の皮だと厚すぎるんですね。皮の薄さと共に、電子レンジで調理した時に、固くなり過ぎないような配合を考える必要があります。 また、餃子と焼売ではそもそも成型までの工程が違うんですね。味に加え、こうした検討も必要で何回も作り直しました。 「美味しい」を作るにあたって、開発者がもつ試作の悩みとは 編集オガワ 素朴な疑問なのですが、何回も作り直している中で味がわからなくなったりすることは無いのでしょうか? 田島さん ありますよー。自分なりにおいしくなったなと思っても、実際にそうでない場合も大いにありますので、商品開発部内で試食をしてもらったり、工場で働いているパートさんの意見もよく聞いています。 最初は「餃子の丸いの」とか「焼売かな?これ」のような厳しい意見もあったのですが、試作を重ねるうちに次第に好評になりました。 そのうちサンプルの試食は依頼する前から争奪戦になっていたりして。最終的に外食のベテラン職人にも美味しいと言ってもらえたときには、嬉しかったですね。 編集オガワ こうした努力が冷凍の「たれつき肉焼売」実現につながったわけですね! 新しい味を作るまでの道程は険しい いかがでしたか?今回は大阪王将で初めて焼売を作るのに挑戦するまでのお話を伺いました。この後、今回のリニューアルポイントなどについてもインタビューできましたので、そのお話はまた後日、お知らせしたいと思います。 当たり前かもしれませんが、餃子と焼売は全然違う、ということが今回の私の学びですね。笑

  • 2021年11月8日

研ぎ澄まされたパンチがポイント!羽根つき スタミナ肉餃子の開発ストーリー

この2021年春夏に新しく販売が始まり、大変多くの方に召し上がっていただいているのが今回ご紹介する「羽根つき スタミナ肉餃子」です。パッケージはもちろんなのですが、名前だけでもそそる表現ですね。 今回はその「羽根つき スタミナ肉餃子」開発者の村田さんにお話を伺いました。 既存の餃子とは違いを出しながらも餃子の「もう一つの王道」を目指した 羽根つき スタミナ肉餃子 編集オガワ 早速ですが、今回の開発を考えたきっかけはどんなところにあるのでしょうか? 村田さん 今回考えたのは今多くの皆様に食べていただいている羽根つき餃子と共に主役を張れるような、「もう一つの王道」の餃子を作ることにあります。 編集オガワ なるほど、「もう一つの王道」。 村田さん 「もう一つの王道」を考える中で餃子を食べる時、「人間はニンニクが食べたいのではないか。餃子=ニンニクのイメージが大事なのではないか」というのを考えました。 編集オガワ そうなのですね、なぜ「もう一つの王道」が大事なのでしょうか? 村田さん 我々としては、既存の羽根つき餃子がある中で、その中でも日常的に召し上がっていただけるような定番的な餃子がもう一種類あっても良いのではないか、と考えたんです。 そこで、餃子としての軸をずらさず、かつ「月曜日は羽根つき餃子だったから、水曜日はこっちの餃子にしよう」と思えるような餃子を考えたんです。 編集オガワ そう考えると結構厳しい制約条件の中で考えられたのですね。苦労されたことはありますか? 村田さん 今回は、実はあまり悩みませんでした。新商品は必ず社長の承認が必要なのですが、今回は一回目の社長提案でほぼOKが出ていました。 編集オガワ なんと、それはすごいですね!なぜそんなにスムーズに進めるできたのでしょうか? 冷凍餃子の開発に活きる、意外でも納得感のある経験とは 村田さん これまでの経験で餃子の練具合を学んできたことが活きた結果というのが一つですね。もう一つは、お店での経験が活きている部分もあるのではないかと思います。 編集オガワ 村田さんはずっと開発をされていた訳ではないのですね? 村田さん そうなんです。以前は当社グループのラーメン事業部で、店舗の店長をやっていました。その時代に店舗のメニュー改善など開発にあたることもこなしていたこともあり、味の勘が研ぎすまれていたと思います。 編集オガワ 外食の仕事をしていた経験が活きているわけですね!「お店の味」は伊達じゃないですね。 どんなところにその技が活きているのでしょうか? 村田さん わかりやすい特徴を出すこと、具体的にはニンニク感とジューシー感ですね。実際に具材のニンニクと肉はレギュラーの羽根つき餃子の2倍入っています。 編集オガワ なるほど、例えば、しょうがなんかも増量したりしているのでしょうか? 村田さん しょうがは使っていないですね。調味料も必要最低限、でシンプルなものになっています。 編集オガワ 不思議です。なんでそうなったのでしょう? 村田さん 開発の経緯で、最初は色々な具材、調味料入れていたんです。ですがニンニクを立たせるためにはもっと削っていく必要があると考えたのです。色々引き算をした結果、現在のシンプルな構成ができたんです。 編集オガワ 意外にも引き算が役に立ったんですね!料理マンガで見たことあるような展開ですね。笑 どうしてそのように、味の展望が思いついたのでしょう? 村田さん やはりこれまでの経験が活きていて、何を足すとどんな味になるか、などはわかっていたのが大きいと思います。 羽根つき スタミナ肉餃子 開発のための苦労は? 編集オガワ 大阪王将の羽根つき餃子といえば、水いらず油いらず、フタいらずで羽根がつくところが大事だと思うのですが、この辺については味が変わることで苦労はあったのでしょうか? 村田さん そういった点は苦労していないですね。 編集オガワ (この人、何でも卒なくこなすタイプか?) こちらにもお店の経験が活きているのでしょうか? 村田さん いえ、こちらには私の経験というよりも組織としての経験が活きていますね。羽根つき餃子の仕様として、ロジックができているので、味を変えても実現可能なんです。 編集オガワ なるほどー、こちらには平山さんたちチームの力なんですね!ちなみに、5フリーについてはどうですか? この餃子も5フリーですよね? 村田さん 5フリーにすることには意外と苦労しなかったですね。開発段階から保存料や化学調味料を使わずに味を構成しようと考えていたので。 編集オガワ では今回の餃子、開発には全く困らなかったんですか? 村田さん 実はコンセプトが決まるまでには大変苦労しました。どのような餃子が求められるかを調査して、どんな方向性を定めるか、というところですね。 編集オガワ なるほど、ちゃんと苦労しているじゃないですか!! 村田さん なんで嬉しそうなんですか? 編集オガワ いや、あまりにも「うまくいっています」感あったのでつい…記事的にはちょっとは苦労があってほしいもので。笑 村田さん ちゃんと努力して作っているんですよ!コンセプトが決まった後、最初の味を決めるまでは苦労しなかったのですが、量産に向けて同じクオリティでコストを合わせていていくのにも苦労しましたね。 編集オガワ 他にも苦労した点はありますか? 村田さん 発売当初から非常に好評いただいていて、本当に好評化いただいちゃったよーという感覚でして。この後これだけ召し上がっていただいているのを維持するためのリソースを検討したりする、ということも結構大変ですね。 ヒットした、というよりもこれから安定して作るのが大変だなという感覚です。 編集オガワ やはり開発は味だけでなく、安定してご家庭にお届けするまでが大事なんですね。 村田さん そうなんです!この餃子がレギュラーの羽根つき餃子と共に定着してほしいなー、と思っています。 羽根つき スタミナ肉餃子 最大の特徴とオマケ文化 編集オガワ 改めて、羽根つきスタミナ肉餃子のポイントを教えて下さい。 村田さん 味のポイントは先程お話した、にんにくとお肉なのですが、スープを餃子に組み込んでジューシーに仕上げているのもポイントですね。付属の岩塩と合うようになっています。 編集オガワ なぜ「岩塩」になったのでしょう? 村田さん 塩自体のアイデアは社長がくださいました。 編集オガワ 社長の言うことは絶対ってやつですか?! 村田さん 違いますよ! 具材がパンチのある構成なので、この餃子では普通のタレをつけると逆にパンチが弱まってしまうんですね。焼肉のタン塩をイメージして、岩塩が良いんじゃないか、という話になったんです。 編集オガワ タン塩ですか!なるほどー、さすが社長。良い例えを使ってくれますね。 村田さん 「美味しい食品を召し上がっていただきたい」という思いは同じなので、試食では役職関係なく、遠慮なく意見を出し合うんです。 編集オガワ タレをつけたり岩塩をつけたり、大阪王将は何かオマケつけるのが好きなんですかね?笑 村田さん 確かに、大阪王将の考え方として「何かつけたい」というのがありますね。お店にも味変のためのこしょうやラー油があるように、お好みで一味加えていただくことで、食事のシーンの幅が広がる、という考え方があるからだと思います。あって便利な冷凍食品、はもちろん大事なのですがそれだけでなく、楽しんでいただくための工夫もしたいなと。 編集オガワ ありがとうございます 開発者が語る、飽くなき冷凍食品追求への思い 編集オガワ ここまで羽根つきスタミナ肉餃子のお話をいただいたのですが、最後に村田さんのことも伺いたいと思います。 編集オガワ 弊社でいえば外食事業のラーメン店で店長をしたところから、食品事業の開発に異動、と大きな変化を経験している村田さんですが、仕事を通してやっていきたいことなどあるのでしょうか? 村田さん 入社したときから、家庭の役に立つ食品を開発したいと考えていました。ですので店長の経験は随所で活きているのですが、現在は自分が望んだ仕事ができていますね。 編集オガワ 今後も餃子に限らず、家庭に役に立つ、食卓を豊かにするような冷凍食品を考えていきたいと考えています。 編集後記 これまでいくつか大阪王将の冷凍餃子についても開発ストーリーをインタビューしてきましたが、今回の村田さんは味を作ることそのものよりも、事前のリサーチとコンセプト作りにご苦労された、というところが他の方々との大きな違いでした。開発の難所となるポイントはその食品の立ち位置だったり、会社の環境だったり、状況によって変わる、ということですね。 羽根つき スタミナ肉餃子は近日CMも公開予定だとか?! ちなみに今回、岩塩の発想をくださった弊社社長は、日本アクセス様の「第9回 フローズン・アワード」で直々にぷるもち水餃子を紹介しています!良かったら動画をご覧ください。投票すると抽選で1,000円分のLINE pay残高をもらえるチャンスがあります!奮ってご投票ください!

  • 2021年10月18日

美味しさ日々進化!ぷるもち水餃子の商品開発最前線

大阪王将の冷凍餃子の中でも長年愛されているのがぷるもち水餃子。今回はぷるもち水餃子の近年の開発ストーリーを、味の分野で開発している三條さんとパッケージなどの分野で開発している大菅さんに伺いました。 若手が大活躍して磨き上げられている、ぷるもち水餃子  編集オガワ 早速ですが、お二人はいつからぷるもち水餃子の開発に携われているのですか?  大菅さん 2019年からですね、新卒2年目から関わることになりました。        編集オガワ なんと2年目から。それはチャレンジングですね! 色々と悩んだのでは…?  三條さん 元々大阪王将の主力として人気があった水餃子ですので、プレッシャーはありましたね。私はリニューアルがミッションでしたので、元の味を落とさず、さらに良くすることに取り組んでいました。  編集オガワ その取組では、どのようなリニューアルがあったのでしょうか? 実は野菜が増えて味わい深くなっていた!ぷるもち水餃子  三條さん 餃子の中身の具材である野菜を5種類に増やしたことですね。しょうが、キャベツ、はくさい、にんじん、たまねぎ、とそれまでの野菜に加えにんじん、たまねぎを加えました。  編集オガワ あれ、にんにくは入っていないんですか?  大菅さん そうなんです!ぷるもち水餃子ではにんにくの匂いを気にせず毎日たくさん食べてもらえるように、という思いや、さまざまな料理に合うように敢えてにんにくは入れていないんですよ。  編集オガワ なるほど。そういえば最近スタミナ系の水餃子が作られていたような。  大菅さん スタミナ肉ニラ水餃子ですね、こちらはぷるもち水餃子と違ったシーンで使っていただけるように、しっかりにんにくとニラを効かせています。  編集オガワ 用途が違うんですね! 話が逸れましたが、リニューアルで野菜が増えたのにはどんな意図があったのでしょうか?  三條さん ぷるもち水餃子はそのままレンジでチンして食べていただいても美味しいように作られているのですが、大菅さんも話していたように他の料理に気軽に使えるのが良いところなんです。特にスープに入れると、簡単にスープが豊かになります。そこで私の最初の取組として、スープと一緒に食べるときにより相性が良いようにと考えて野菜を出すことにしました。  三條さん 野菜の品目が多いほうがスープの栄養も豊かになって嬉しいと考えたんです。  編集オガワ 確かにスープを作ろうとする時って野菜をたくさん入れたいーと思うかも。 他の素材の候補もあったのでしょうか?  三條さん ねぎ、にら、などの原料は候補にありましたが、にんじん、たまねぎの方が優しい感じがしたのと、やはりスープに合わせるということを考えて外しました。ねぎ、にらはパンチが出るけどスープを選ぶので、色々なスープに合わせる水餃子を、と考えたんです。私の好みもあるかもしれませんが。笑    編集オガワ なるほど、何でも使えるって確かに便利ですもんね。何かイメージするものがあったのでしょうか?  三條さん これは私が持っているイメージですが、中国の家庭の朝ごはんに着想を得ています。家庭によって違う餃子があって、おかゆがあって、という食事です。  編集オガワ 目指す水餃子の味、というのがあるのでしょうか?  三條さん 流行りの味を研究する為に水餃子の有名店に調査にいったりすることはあります。ただ私、ぷるもち水餃子は結構いい商品だと思っていて、大好きなんです。さらに磨きはかけたいですが、今の水餃子には私達のベストが尽くされています。  編集オガワ ぷるもち水餃子愛ですね! ちなみにこのリニューアルの後、今並んでいるぷるもち水餃子には更に改良が加わっているのでしょうか? 実は更にお肉が増量してジューシーになっていた!ぷるもち水餃子  三條さん 野菜の増量の次に、お肉の良さが出るように改良されています。豚肉の量を増加しこってり感を増やしているので、口にいれるとジューシー感が以前よりあって、甘みがよくでるようになっています。  編集オガワ 野菜の次は肉という順番なのですね。  三條さん はい。野菜を攻めた後「今度は肉感ジューシー感が必要なのではないか」と考え、その改良に着手しました。煮崩れしにくいように使っているので、スープと一緒に口に入れると、ハーモニーが楽しめるような作りになっています。  編集オガワ 話を聞いているだけでお腹が減ってきました、夕方だからでしょうか…(インタビュー時は17時頃) しかし次々と味の改良に着手していて勢いがありますね。開発を続けていて、味を決めるのに苦労は無いのでしょうか?  三條さん 今回の改良においては勿論苦労はありましたが、目指す味のイメージは、はっきりできていました。ただ実際にお店に置いていただくことを考えるとお求めやすい価格にする必要がありますので、それに合わせたレシピにする、という所は非常に苦労しました。  編集オガワ 日常的に色々なシーンで使っていただきたい、という思いからすると、価格は重要ですもんね。しかし、味を決めるのに苦労しない、というのはすごいですね。  大菅さん 三條さんは工場で一緒に働いていた頃、お弁当を作ってきているのを見ていたんですけど、それがいつも美味しそうなんです!普段から料理しているのが活きているんだと思いますよ。  編集オガワ なるほど! では今度はパッケージ関係を担当されている大菅さんにもお話を伺ってみたいと思います。大菅さんも三條さんと同じ頃からぷるもち水餃子の開発に携わっているということですが、パッケージというのはどういった所にこだわるのでしょうか? 冷凍食品って実はパッケージにも愛情が込められている!デザインにも職人技が光るぷるもち水餃子  大菅さん まずはお店でふと目に止まる美味しそうな、「しずる」写真を使うことですね。ぷるもち水餃子のリニューアルではスープに合う、というコンセプトがありましたので「あつあつで美味しそう」を意識して作りました。  編集オガワ この辺は三條さんとの連携な訳ですね。  大菅さん また、全体的に大阪王将っぽいイメージ、例えば力強さ、親しみ、お店の歴史で証明もされている味へのこだわりや楽しさをイメージとして出すようにしています。筆文字も手書きで、ある社員に書いてもらっていて、味をだしているんですよ。  編集オガワ パッケージの「ぷるもち水餃子」確かにあまり見かけないフォントだなーと思っていましたが、まさか社員の手書きとは!書く手が震えそう。笑  大菅さん お店のメニューを書いているような人なので、職人技ですよ。  編集オガワ そうなんですね、今度メニューの字も見比べてみようかな。 先程同じ職場でお弁当…というお話がありましたが、お二人は同期なんですね。同期でひとつの商品を開発していく、というのはどんな感じなのでしょうか? 同期の連携が若くして活躍している秘訣  大菅さん 私が考えたパッケージデザインは三條さんに意見を聞きますね。  三條さん 私も水餃子そのものを作っているのですが、味は大菅さんにもみてもらっています。同期なので、世間話も気楽にできてディスカッションが進みます。  大菅さん たまに、雑談だけのときもありますけどね。笑  編集オガワ いいコンビな訳ですね!そんな有望若手に育てられているぷるもち水餃子なのですが、理想というか、目標などはあるんですか? ぷるもち水餃子の理想像はまさかの●●●?!  大菅さん 私達はぷるもち水餃子大好きなのですが、この水餃子は市販のソーセージのような存在になってほしいと思っているんです。  編集オガワ え、ソーセージ?結構イメージ違いますが…水餃子をパリッとさせるんですか?? 違います!  編集オガワ (二人だと否定に圧力がありますね。)  三條さん ソーセージって、そのままボイルしても焼いても美味しいし、色々なスープに入れても合うじゃないですか。 水餃子にはそれくらい活躍できる場があるので、それを多くのお客様に知っていただくのが私達の考える将来像ですね。  編集オガワ なるほど!使えるシーンとして、ソーセージを目指したい訳ですね!  大菅さん ちなみに、ひと手間加える裏技なんですが、ぷるもち水餃子は焼いても美味しいんですよ!  編集オガワ 水餃子を焼くなんて!いや、でもそれは日本で焼餃子で一般化されているのを見た中国の方の反応と同じか…? ぷるもち水餃子の開発にかける思い  編集オガワ ここまで色々伺ってきましたが、お二人はどんな時にこの仕事の達成感を感じますか?  三條さん 私は味として美味しいものができたときは勿論ですが、棚に並んでいるぷるもち水餃子をみて、ちゃんとお客様が手にとっている姿を見るとすごく嬉しいですね。あとはリニューアルで上司から味のOKがでても、ちゃんと工場で生産できているかは不安なんです。ですのできれいに生産まで流れると嬉しいというか、安心しますね。  編集オガワ やはり生産まで見て初めて、開発の喜びは得られるのですね。  大菅さん 私は、デザインの時点では勿論画像として、シミュレーションとしては何度も確認をするのですが、実物はやはり生産されたものでしか分からないんですね。特にぷるもち水餃子はトレーが入っていないので、お客様の目に留めていただけるように「くしゃっ」とならないようなパッケージ素材を選んでるんです。包材の中にぷるもち水餃子が入って、実物が届いたときに「ぴしっ」とパッケージが見えていると「できた!」という達成感がありますね。  編集オガワ パッケージデザインを手掛けているからこその喜びですね! お二人とも、本日はありがとうございました! 編集後記 入社から数年で主力の餃子の開発を任されている二人のインタビューでした。担当範囲は違いますが同期だからこそのコンビネーションで、遠慮なく意見を言い合える、というのは羨ましいなーと思う側面もありました。何よりもインタビューをしていて感じたのは、お二人のぷるもち水餃子への深い愛ですね。今度実際に、「焼きぷるもち水餃子」の作り方も詳しく聞いて、チャレンジしてみようと思います。 ちなみに、今回ストーリーを伺っている「ぷるもち水餃子」、日本アクセス様の「第9回 フローズン・アワード」にも参戦中です!当社の社長が直々にぷるもち水餃子を紹介していますので、良かったら動画をご覧ください。投票すると抽選で1,000円分のLINE pay残高をもらえるチャンスがあるんだとか…。ストックしてやー!

  • 2021年9月7日

羽根つき餃子開発リーダーに聞いてみた、大阪王将冷凍餃子の歴史3 驚き!5フリー実現への道

大阪王将羽根つき餃子では前回紹介の「フタいらず」に続くアップデートとして追加されたのが香料・甘味料・着色料・保存料・化学調味料の5つを使わない、という5フリー。 ▼前回紹介の「フタいらず」開発秘話はこちら ▼5フリーのご紹介は大阪王将ブランドサイトから 今回は5フリー開発のストーリーを、引き続き平山さんに伺います。 驚き!5フリー開発のきっかけ  編集オガワ そもそも冷凍食品で、しかも餃子だったりするとジャンクだなー、添加物盛り沢山なんだろうなーなんて思ったりするんですけど、違うんですか?  平山さん 全然違います!そもそも冷凍食品って、冷凍という技術を使っているんで保存料はそもそも、それほど必要無かったりするんですよ。  編集オガワ なるほど。納得だけど、意外な感じ。  平山さん そうそう、意外とこういった点は知らないお客様も多くて、ご説明させていただくと驚かれる方も結構いらっしゃいます。大阪王将の冷凍餃子については5フリー以前から保存料は使用していなかったんです。  編集オガワ そもそも5フリー、なんてなんで始めようと思ったんですか?  平山さん 実は素材を生かした味、というものを追求していく過程で生まれた発想だったんです。私達は日々メインの餃子についても改善の可能性を探っているのですが、その中で美味しさを実現するための選択肢のひとつとして、香料や着色料、化学調味料に頼らずに素材の力でそれを実現できないかと。  編集オガワ なるほど、味を追求する中での着想だったんですね。しかし「水いらず、油いらずで羽根つき」の発想もそこからだったような…味にうるさい会社ですねー。  平山さん 味にうるさい会社なんです!それが良いところでもあり、開発の悩みの種でもあり…ちょっとした原材料の変換なんかもすぐ気付かれてしまうんですよ。 やっぱり元々が外食から始まっているので、特にルーツである餃子については妥協は許されません。  編集オガワ 上司の○○さんですか?!  平山さん ○○さんだけじゃないですよ!上司の更に上の✖︎✖︎さんもだし、△△の□□さんなんて……  編集オガワ …別方向に話が進みそうなので、元に戻しましょう! そんな発想で取組み始めた5フリーですが、どこに苦労しましたか? 長い道のり…5フリー実現までの苦労  平山さん 味に関しては、化学調味料を使わないように味を仕上げるのが大変でした。不使用にすること自体は可能ですが、大阪王将のクオリティを落とさずに質感の高い味を作るのには非常に苦労しましたね。  編集オガワ それまで作っていた味の構成を変えるわけですから、大きな変化ですもんね。  平山さん そうなんです。水餃子にしても羽根つき餃子にしても、素材の加工をひとつひとつ見直して、その良さを最大限引き出す、というのが最初の取組でしたね。  編集オガワ (なんと面倒そうな…)  平山さん その上で、水餃子はどちらかと言えば早く完成形が見えました。先程説明したひとつひとつの素材の加工見直しに加え、味噌を入れてコクを出したり、調味料の見直しました。  編集オガワ 水餃子と羽根つき餃子で難易度が違うんですね。  平山さん そうなんです。レンジやスープで調理いただく水餃子と、焼き餃子である羽根つき餃子では、それぞれ求められる要素が違うんですね。  編集オガワ では、羽根つき餃子はどんな所に苦労したのでしょう?  平山さん 焼き餃子は焼くことによる香ばしさや具材の甘みが品位を上げるポイントでした。そこでこれまでのキャベツやにんにく、生姜に加え、ニラ、白菜などを加えています。  編集オガワ なんと、具材が増えてるんですね!化学調味料以外にも「フリー」にするために苦労した要素はありますか?  平山さん 着色料なんかも苦労しましたね。たれにも元々色とコク出しのために着色料を長年使用していましたが、代わりにりんご果汁を使うなど、工夫しています。  編集オガワ そうか、たれも5フリーなんですね。これだけのことを開発してしまうって、我が社のことながらスゴい!  平山さん 長いことかけて改良の試作を続けましたね。ですが私たち開発チームだけでなく、取引先の原料メーカー様にもアイデアをいただいたり協力をいただいたおかげで実現できた部分も結構あります。私達もまたメーカーですので、工場や品質保証といったメンバーにも、本当に何度もテストに協力していただきました。私たちだけではもっと苦労したか、実現も出来なかったかもな、と。会社全体が新しいことへのチャレンジに前向きなのは当社のいいところだなと思いますね。感謝です。  編集オガワ 他社に協力いただいたおかげでもあるんですね!この辺は食品メーカーとして大事なことですよね。そういえば平山さんはよく「私たち」という話し方をされますけど、開発チームはどんな雰囲気なんですか? チームの力で未来を切り拓く。開発チームと、その思い  平山さん 和気あいあいと働いていますよ!それぞれが自分のテーマで日々開発に取り組むので個人的なタスクは勿論あるのですが、そのタスクについても試食をみんなでして、意見を出し合ってアドバイスをもらったりしています。チームメンバーもグルメなのでちょっとしたひとことでも凄く良いヒントだったりするんです。  編集オガワ (上司とか関係なく、皆味にうるさいのでは…?) ここまでお話を伺っていて、開発って大変な仕事だなーと思いました。どんな想いで取り組んでいるのですか?  平山さん 大阪王将は飲食店から始まっているのですが、冷凍食品はお店とは利用いただくシーンが違うかな、と考えています。  編集オガワ そういえば東洋経済さんの大阪王将社長インタビューでもそんな話をされていましたね。 ▼インタビュー記事はこちら  平山さん そうです!冷凍食品の大阪王将は、お店の職人品質で味の追求はするのですが、家庭の味方になりたいと思っています。 今晩のおかずとしてあって良かった、いつも冷凍庫に置いておきたい、そんな食品を創りたいと思っています。焼き餃子なんかは、味は勿論ですが綺麗にやけたときは嬉しかったりするんですね。簡単・便利さだけでなく、そうした嬉しさや楽しさみたいなものも食品を通してご提供できたら良いな、と。  編集オガワ なるほど、そう考えると単に食品を作っているわけではないのですね。これから取り組んでいきたいことなどはありますか?  平山さん 感染症拡大の影響でお客様も中食が増え、中には「簡単・便利」だけでなく、多少手間がかかってもより本格的なものがほ欲しい、という声もいただいています。私達は両方に寄り添うなものを考えていきたいですね。 このような大きな環境変化だけでなくとも、お客様のライフスタイルは年々変わっていくので、3年後、5年後の生活を見据えて、開発も考えていきたいですね。  編集オガワ これからの冷凍餃子も楽しみです!ありがとうございました! 編集後記 これまで3回に渡ってご紹介してきた冷凍餃子の開発ストーリー。そこには個人プレーだけでなく他社様にも協力いただくことで実現できた、という工夫の数々やその根底にある「家庭の味方でありたい」という想いがあるということが分かりました。 大阪王将の開発チームは他にも個性豊かな面々が勢揃いですので、またストーリーと共に紹介していきたいと思います。 編集としても、こうしたストーリーと焼き立ての冷凍餃子をおつまみに、今晩の一杯をいただきます。

  • 2021年9月4日

羽根つき餃子開発リーダーに聞いてみた、大阪王将冷凍餃子の歴史2 フタいらず実現への道

大阪王将の羽根つき餃子、水や油をひかずに焼けるだけでなく、フタをしなくてもそのまま焼けて、綺麗に羽根がついてしまうって、ご存知でした? 実はお客様にもそのことを知らないままフタをして調理されている方もいらっしゃるようで、2021年2月にTBSさんの『坂上&指原のつぶれない店のでご紹介いただいたときにも、皆様が驚かれているのを嬉しく思いつつも、私達の広報活動が足りていないかも…なんて反省もしたものです。 外食のお店から冷凍餃子を作り始めるまでを教えていただいた前回ですが、 今回はアップデートにより「フタいらず」「油ハネない」が実現するまでの経緯について、リーダーの平山さんに伺いました。 第二章 冷凍餃子としてはセンセーショナルな「フタいらず」ができるまで  編集オガワ 前回羽根つき餃子ができるまでのお話を伺いましたが、なんで「フタいらず」なんてやろうと思ったのですか?  平山さん 私達は常に味を良くしていく、ということは考えているのですが、合わせて「水いらず」「油いらず」から更に便利にするには?ということを考えていました。 そんな中で、「フタがなくなったらもっと便利に、アウトドアでも焼いてもらえるのではないか」なんていうことを考えたんです。電子レンジで調理する食品ではなく焼いて調理するものですので、逆にそうしたシーンでの利用方法も楽しんでもらえるかな、と。  編集オガワ なるほど、    平山さん お客様に実際に冷凍餃子を焼いていただいているシーンなんかを見させていただいたこともあるのですが、一人暮らしをされているお客様の中にはそもそもフタ自体をもっていらっしゃらない方もいることを知ったこともあって。そうしたお客様は、そもそも大阪王将の羽根つき餃子を召し上がっていただけない事情があることも後押しの理由になりました。  編集オガワ 確かに。仕事が忙しかったり、そもそも外食やコンビニ中心の生活をしている方は、フタはわざわざ買わないかもしれませんね。僕も新卒で激狭の部屋に住んでいる頃はフライパンを置くスペースも勿体なかったです。笑  平山さん …  編集オガワ 今はフライパンもフタもありますよ!そんな中で、フタいらずの開発が進んでいくわけですが、こちらはどのような苦労があったのでしょうか?  平山さん やはり焼き餃子というお料理を作る中でフタが果たす役割は大きくて。まず「蒸し」の機能があるんですね。フタがあることで水分が水蒸気になって、餃子を芯まで温め、皮にも美味しく火が通っていくんです。 これがフタをなくすと、まず水分が無いので皮が乾いてカピカピになってしまうんです。  編集オガワ それは美味しくなさそうですね…  平山さん フタのもう一つの機能である「油ハネを防ぐ」というのもやはり難題で。フタをしていないので当然ながら油がハネてしまう。研究室のコンロ周りは毎回油まみれになってしまって、掃除が大変でした。笑  編集オガワ 味を創ったり、配合を考えたり、といった努力とは別の領域の、産みの苦しみですね。フタいらずで油ハネない、というのはどんなことを研究した結果できたのでしょうか?  平山さん まず最初に研究室でそれを実現するには、やはりレシピが重要ですね。得に今回は羽根の素になる部分のレシピ、水と油の配合がカギです。  編集オガワ 前回の羽根つき餃子を開発するまでにも重要だとお話されていた、水と油の配合ですね!でも考えてみると「水と油は混ざらない」なんて言葉があるくらいなのに、不思議な話ですね。  平山さん そうなんです!水と油は混ざらないからこそ、うまーい具合に水の中に油のつぶつぶが入っている状態を作り出すことが大事なんです。油の粒が細か過ぎてもだめだし、大きすぎてもだめ。その絶妙な状態を見つけるまでが難しいんですね。また、そういった状態を作り出すための最適な油を選んだり、配合だけでなく羽根の素の原材料をすべて見直すつもりで取り組んでいました。  編集オガワ 最初の羽根つき餃子ができるまでもそうですが、こちらもすごい苦労ですね。実際に最適なレシピができて、どうでしたか?前回では、工場で生産が始まるまで苦労がありましたが…  平山さん 今回は、これまでの経験があったので、最初に羽根つき餃子を開発するときほどは苦労しませんでした。といっても、新たに開発したものですので、ちゃんと作れるかな、とドキドキはしますね。  編集オガワ 経験が生きているんですね!  平山さん 発売前に、お客様に試食いただいたときに「焼けていく具合が見えていいね」と言っていただいたのは嬉しかったし、私達が気づいていなかった発見でしたね。 また、火が強すぎると、フタを開けたときには真っ黒、というような失敗も起きてしまう可能性があります。 フタがあると、透明のフタでも覗き込む必要があったり、または少しフタを開けてしまったり、といったこともあって、そうしてしまうとフライパンの温度が下がってうまく焼けなかったりするんです。 フタがないことで羽根が焼けていく具合が直感的にわかるので、うまく焼ける確率が上がったかな、と思います。  編集オガワ 確かに、パッと見て焼けてるかわかれば、焦げる前に火を止められますね!  平山さん 私達は「餃子を焼く」という工程を少しでも便利に、と考えていましたが、実際の調理って他の家事をしながらだったり、他の料理をしながらだったり、忙しいんです。餃子を焼くにしても、焼き具合ばかり気にしていられないんですよね。そうした忙しいなかでも、うまく焼ける餃子になったかなー、と思っています。  編集オガワ なるほど、家事全体のことを考えても便利なものができた、という訳ですね! テレビでも紹介された新しい便利機能が「フタいらず」。本来混ざらない「水と油」の混ざり具合で油がハネないようにする、というのは僕のような素人からすると不思議な話です。 次回はフタいらずに加えて開発された「5フリー」の開発秘話をうかがいます。

  • 2021年9月1日

羽根つき餃子開発リーダーに聞いてみた、大阪王将冷凍餃子の歴史

大阪王将の冷凍食品では最も代表的と言える羽根つき餃子。 パッケージから出すと冷凍された餃子の周りについている羽根の素の独特なフォルムや、焼き上がりのパリッとした香ばしい羽根の仕上がりを見ると「どうやったらこうなるの?」とつい思ってしまいます。 今回はその羽根つき餃子ができるまでのお話を、商品開発マネージャーの平山さんに聞いてみました。 序章 大阪王将が自社製冷凍餃子を始めるまで 編集オガワ 早速ですが、そもそも大阪王将は外食のお店ですよね?どんな経緯で冷凍食品を始めたのですか? 平山さん もともとは大阪は京橋でお店を出し、外食しかやっていなかった大阪王将ですが、ご家庭用の食事という目線では「ナホ」というテイクアウトの形で餃子の作っていました。その後、餃子専用の工場もでき生協様向けに餃子をつくっていくことになり、更には一般にスーパー様でも餃子を購入いただけるように、ということ冷凍餃子の開発が始まりました。 編集オガワ 持ち帰り用の生餃子、というのは冷凍ではないですよね。なぜ冷凍で作ろうと思ったのでしょうか?誰かノウハウを持っていたのですか? 平山さん 最初は誰もわかっていませんでした、自社の工場ができる前は調味料やレシピを送って他社様に委託していたんです。そこから委託先さんにも指導を仰ぎながらノウハウを積み重ねて自社内製化を進めることができたんです。現在もこうした委託企業と協同して品位や、品質の向上を図っているんですよ。 編集オガワ 我が社だけではなく、他の会社にご協力いただいて初めてできたんですね。 平山さん 最初は「美味しい冷凍餃子を作るんや」って、気持ちと勢いで初めて、何とかしてしまうあたり、弊社らしいなと思う部分もありますね。笑 編集オガワ この冷凍餃子は、すでに「羽根つき」だったのでしょうか? 平山さん いえ、最初は「羽根つき」ではありませんでした。最初は大阪王将として冷凍餃子を発売し、その後リニューアルで「たれ付」の冷凍餃子を発売したんです。これが多くのお客様に気に入っていただけるきっかけになりました。 編集オガワ なるほど、それで今も羽根つき餃子はたれが付いているんですね。 羽根付き餃子 開発のきっかけ 編集オガワ 「羽根つき」になったのは「たれ付」の後でしょうか? 平山さん そうです、ちょうど私が入社したのがこの頃で。入社したてで会社にも慣れていませんでしたが、新分野への挑戦をするチームに加入することになり、驚いたのを覚えています。 編集オガワ 最初から「羽根つき」にしよう、という話にはなっていたのですか?なぜ羽根を付けようと思ったのでしょうか? 平山さん そうですね、「たれ付」の次に「羽根つき」の構想はあったようです。そもそも私達は餃子の味にはそれまでの開発でも継続的に取り組んでいて、「今よりも更に、ご家庭で本格的な餃子を冷凍で実現するにはどうすればよいか?」を考えた結果、羽根つき餃子のアイデアが出てきたそうです。 そして、「羽根」を開発する過程で「油いらず、水いらず」の調理法も合わせて実現できることになりました。 編集オガワ 大きな変化ですね。どうやってそのようなことが実現できたのでしょうか? 平山さん 「羽根つき」で「油いらず、水いらず」を実現するには「羽根」の素である穀物粉と水、油の配合が鍵なんです。 当時はまだ開発メンバーも少なかったので、とにかくその配合を何通りも考え、それを作っては焼き、作っては焼き、を繰り返して最適なものを探す、という開発をしていました。当時は水と油の粒子を観察するための顕微鏡も持っていなくて、近くの大学に借りていたこともあったんですよ。笑 もちろん、今はしっかりした顕微鏡を購入してもらっていますが。 編集オガワ もしかして、関東工場の近くの東洋大学ですか? 平山さん そうです、それがきっかけで東洋大学さんとの産学連携の研究への取組が活性化しました。 編集オガワ それだけの苦労があった、ということは、最初に羽根付きが成功したときにはすごい達成感があったのではないですか? 平山さん それがそうでもないんです。 研究室でうまい配合ができてうまく焼けたとしても、それが工場のラインでちゃんと再現できないと、お客様の元に羽根つき餃子を届けることができないんですね。なので研究室で成功をした後は工場での成功を目指す努力が必要で、これが更に大変でした。 編集オガワ 工場で安定してつくる、というのは大変なんですね。どんなところが難しいのでしょうか? 平山さん それまでのたれ付餃子とは大きく仕様が変わるので、設備や餃子を載せるトレーも変更の必要がありました。 変更した設備を使って重量がぶれないようにしたり、餃子をうまくトレーのポケットに入るようにしたり、バッター液を安全に安定して仕込むようにしたり、と全行程で試作と同じようにトライ&エラーを繰り返していましたね。 生産部や品質保証部といった開発以外のメンバーも総出でテストや会議を繰り返していました。 編集オガワ 聞いているだけでも気が遠くなるような苦労ですね。 平山さん そうですね、ですので研究室での成功よりも、むしろ達成感があったのは工場でちゃんと餃子ができたときですね。どちらかというと達成感、というよりは「やっとうまく流れたー」という安堵の気持ちの方が強かったと思います。 「水や油を使わずに餃子を焼けるしくみ」と「羽根がつくしくみ」というのはそれぞれ別物に感じますが、「羽根を追求した結果水や油を使わない方式に行き着いた」というのは面白い話ですね。 まだ設備が整っていない頃からトライ&エラーを繰り返して冷凍餃子が作られることになったと考えると、今の「フタいらず」というのはいったいどうやってできたの?なんて思ってしまいます。 次回はその「フタいらず」開発秘話を伺います。