羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け

プラントベースの進化形から日本の食の可能性を考えたニューヨーク

さらに円安、160円台!そんなニュースを聞いて「あぁ頑張れ祖国」と心でつぶやいた旅先。アメリカ視察団に先月末参加(山本が事務局長を務めるピザ協議会企画ツアー)しました。テレビではバイデン×トランプ討論会。まぁこれはどうなることやらと置いておき、気になる食の未来を探るべく、ニューヨークで開かれていたFANCY FOOD SHOW2024(第68回)会場を見て回ったのでした。

スーパーを視察しては、ピザ、冷凍食品、プラントベースの加工品などを買い求めて、キッチン付ホテルで試食。改めて日本の食品メーカーの底力、つまり、どんな食品を買い求めてもそこそこ美味しいし見栄えも良い、という実力を感じた次第です。

事実、JETRO・農水省による日本パビリオンは、ニコニコと試食する人々で賑わっていました。そして街では、ラーメン店に長蛇の列。日本居酒屋は、仕事帰りの現地住民で溢れていました。

 

■会場の一角に存在感、プラントベースパビリオン

視察の目的の一つであったFANCY FOOD SHOWは、冬はサンフランシスコ、夏はニューヨークで開催されている”こだわり”商品を一堂に集める北米最大規模の展示商談会です。出展企業は今回、海外56カ国の出展も含めて2,523社、3日間で約2万9.000人のバイヤーが来場しました。

会場は2層で、上層は主に各国パビリオン、チーズ、菓子・スナックなどアメリカの巨大産業を象徴する展示、下層は米国内各州のパビリオンとビバレッジ・パビリオンに加えて、プラントベースフードのパビリオンが設置されていました。昨年視察したドイツのAnuga展でも、プラントベースフードは大きなトレンドであると同時に、たんぱく質の新供給源としてコオロギ(Crickets)への注目度の高さを目の当たりにしました。日本では、企業の熱量が若干下がったかと噂されているプラントベースフードや代替肉ですが、将来を見据えれば避けて通れない大トレンドであると実感しました。

 

■美味しいプラントベースも誕生

FANCY FOOD SHOW会場での試食、さらに、スーパーで買い求めたプラントベースフードをいくつかと食べてみると、コロナ禍前に食べた時とは少し違って「これはいける、美味しいね」と思う商品もあったことが驚きでした。かつては、原料の大豆たんぱくの風味をマスキングして、かつ肉料理っぽさを出すために香辛料をたっぷり使っているイメージがありましたが、研究、改良は進んでいるようです。

とはいえ大半のものは、美味しさより理念が重要、と考える人々を対象に作られているんだなと思わせる製品。日本企業がプラントベースフードに着目してから数年で、驚くほど精巧な形状と味わいの製品を作り上げていることを思うと、わが国独特の飽くなきサービス精神をもっての食品開発魂は、きっと米国マーケットでも受け入れられるはず、と確信した次第です。

 

■アメリカ市場を狙う日本企業

ラーメンが欧米で大人気。しかしまだまだ、現在の10倍は広がっていくだろうという話をアメリカや欧州に自社拠点を持って製品を送り出している西山製麺から聞いたばかりでのアメリカ訪問。街を歩いていると、自然とラーメン店に目がいったのですが、噂通り、昼間は入店待ちの行列で、夜も人足が絶えないという繁盛ぶりでした。

展示会場の日本パビリオンでは、38社が出展して、抹茶、ゆず、味噌、ごまドレなど人気のカテゴリーをはじめ、バイヤーが興味深く商品を見ていました。中でも『NIPPON KITCHEN』 のブランドで、魚料理や惣菜をはじめ日本の食文化をトータルに提案していくというPRをした亀井工業ホールディングス㈱(神奈川県茅ヶ崎市)のブースに注目しました。

同社は100数十年続く建築業をルーツに、「まち」づくりの観点から老健施設向け調理冷凍食品の提供サービス(グローバルキッチン)まで多角的な事業を手がけています。亀井信幸社長が自らブースに立ち、「日本食でアメリカ人を健康にする」と意気込みを語ってくれました。

確かに、高脂肪、糖度の高いアメリカンフードから和食に切替えるだけで、摂取カロリー、脂質も糖質も大幅にダウンしますから、アメリカには日本食全体をヘルシーフードと考える方が多くいると聞きます。

餃子を試食提供している企業もあり、話を聞くと、水産物輸出の拠点を生かして、「プラントベース餃子」の販売を開始したところ、さっそく高級スーパーに採用されたという㈱CHOKAI(東京都板橋区、佐藤雅弘代表取締役 写真㊤向かって右の方)でした。

 

■K-FOODも人気集める

さて、日本では韓国メニューの人気が続いているのですが、アメリカでもそんな傾向が垣間見られました。もしかして、全米ヒットチャートNo.1を獲得したBTSが貢献?

FANCY FOOD SHOW会場で最も人気を集めて行列までできた商品も韓国フード。それは、らせん状にポテトをカットして串を刺して揚げたトルネードポテトでした。フライドポテトが発祥地の欧州から米国へ、さらにぐるっと世界を回り、クルクルした形になって韓国から里帰り、なのですね。ポテトの産地は中国で、細長いラセット種でした。

街の中でチーズがビヨーンと伸びるチーズドッグも発見。また、人気スーパー、TRADER JOE’Sでは、昨年から話題になっていると聞いた韓国産「冷凍キンパ」をゲットしました。韓国からのお米加工品はゼロ関税となっていて、価格優位性もあるようです。売場に品揃えしていないので、無いのですか?と聞いたところ、あるよ!とバックヤードから持ってきてくれました。調理方法は、袋の端をカットしてレンジ加熱、しばらくそのまま放置して温度が均一に馴染んできたら食べます。「無印良品」で人気のキンパと同様ですね。そこそこ美味しいかな、という感想でした。

 

■居酒屋で冷凍食品のパワーを感じる

ツアー中の夜、有志の食事会となり、どこに行くかという多数決で、和風居酒屋の圧倒的得票に驚きました。たまにはそんな経験もよいかとドアを開けたら、「いらっしゃいませ~」と言われて、新宿?新橋?と錯覚するほどのデジャブ感を味わいました。ということで、お店で見た居酒屋メニューの写真。

たこ焼に枝豆、ししゃも、煮魚、、、冷凍食品の“時空間超越パワー”をマンハッタンの真ん中で実感した、というのがオチでした。