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冷凍食品食べ放題「チン!するレストラン」が起こす
イノベーション

 

冷凍食品約320品とアイス約70品が並ぶショーケースを備えた108席のレストラン。電子レンジは30台。来店客は気になる冷凍食品を自由に冷凍庫から出して、自分でチン!して90分間食べ放題。レンジの待ち時間には、好きなアイスを食べる楽しみがあります。

スーパーの売場で、好きなものを何でもいくらでも食べて良いと言われているようなもので、夢のような楽しさはあたりまえ。それに加えて、「ライブキッチン」コーナーがあり、メーカーが日替わりでレンジ調理以外の冷凍食品や、アイスのアレンジメニュー試食品を提供します。入れ替え制で料金は1人2000円(小学生半額、同未満無料)。

食品総合卸NO.1の日本アクセスが主催する、冷凍食品プロモーションイベント「チン!するレストラン in NAGOYA」が2024年4月13日から、名古屋駅より徒歩圏内の会場「グローバルゲート」でスタートしました(同28日までの期間限定)。

オープニングイベントには、地元テレビ局はじめ8社が取材・報道するなど、大きな話題を呼んで連日大賑わいです。

 

業界挙げて盛り上げようというキャンペーンが発端

このイベントは当初、日本アクセス主催のわが国最大規模の冷凍食品キャンペーン「フローズンアワード」の第10回を記念して、2022年10月に東京・秋葉原で開催されました。大反響を得て、“キャンセル待ち8000人”と大きな話題を呼びました。翌年は、ぜひ大阪でもとの声が盛り上がり、6月に大阪・梅田で開催。そして今回、同社中部エリア担当の熱烈オファーもあって、名古屋で開催の運びとなりました。

そもそも、同イベントの元となった「フローズンアワード」は2013年、何か業界挙げての取組みによって、元気になれるキャンペーンをとスタートしました。消費者が投票する参加型キャンペーンで、掲げたタイトルは「10万人が選ぶフローズンアワード」。

フタを開けてみたら、10万人を大きく上回る投票があって、以降、毎年冷凍食品の話題を盛り上げてきました。昨年(第11回)のアワード投票数は、314万8354票。しかも前年比118%と大きく伸びました。

スタート時の2013年といえば、スーパーで週に1度「一律5割引」といった特売販促が横行していた時期。消費者庁は同年4月、量販店等の団体に対して「価格表示適正化」を要請しました。同年10月からスタートしたフローズンアワードキャンペーンが果たした大きな役割は、価格以外の価値を知ってほしい、という冷凍食品業界人の想いを具体的に表したことだったのです。

家庭用冷凍食品が今日のような脚光を浴びるきっかけとなった第一歩と言って良い、『炒飯戦争』が話題になったのは、それから2年後の2015年でした。

 

 

新たなフローズン体験、新商品やお値打ち商品揃える

「チン!するレストラン」も3回目開催となると、過去参加した方々からの声を反映した工夫が多数ありました。100を超える席数の確保やレンジ台数を増やし調理待ち時間を短縮すること。品揃えは、冷凍食品もアイスも、まだ見たことのない新商品や、名古屋初上陸商品を充実させ、ご当地もの『名古屋めし』コーナーも設けました。

そして、日本アクセスが新カテゴリーとしてマーケットでの定着を促している、「ワントレー」商品の充実した品揃えも見どころとしました。ワントレーについては、前回の本コラムでお伝えしたとおり、生鮮食材を揃えて調理した場合に比較して、多種類の食材を揃える必要がないコスパの良さ、そして1回のレンチンだけで済むタイパ(タイムパフォーマンス)の良さがメリットです。

 

今回の名古屋会場では、日本アクセスがコロナ禍中から取り扱いを開始した、『冷凍駅弁』も登場。「かにめし」「たこめし」などお取り寄せしたら単価1000円超えの商品も毎回補充されています。

 

アイスでは、人気の「ハーゲンダッツ」商品を全19種類揃えたことも大きな魅力として発信しました。

 

 

300円の壁、500円の壁を越える

さて、今回の「チン!するレストラン」オープニングイベントで、冷凍食品ジャーナリスト山本純子トークライブのオファーをいただき、前回に引き続き、日本アクセスのフローズン食品MD部、松元雄一部長と2人で、春夏新商品の話題やイベントに対する期待などについて語り合いました。

 

「純子さん、チン!するレストランに対する期待は何ですか?」と松元部長に聞かれ、「新たな商品との出会いです。価格を見て手が出なかった商品を気軽に体験することによって、その価値を知ってもらえて、ファンになってもらえること」と答えました。200円台半ばあたりまでが値頃感と思われている冷凍食品ですが、その価値を知れば価格に対するイメージが変わり『300円の壁を乗り越える』ことができるのではないでしょうか。ボリュームパック品なら、300円台ではなく『500円の壁を乗り越える』ことにつながるのではないかと期待しています。

300円を超えると高い、というイメージは、どうやら半額セール横行時代の後遺症のようなのです。ランチのラーメンに900円、1000円出している方が、冷凍食品の350円のラーメンを「高い」と感じる不思議を常に感じています。冷凍食品売場は100円台の商品から1000円超え、1万円超えの商品があっても決しておかしくないのです。“安いもの”イメージの売場、という印象は、お気に入りの商品を見つけていただくことにより、変化していくのではないでしょうか。

半額セール収束となった2014年春(イトーヨーカドーが宣言)からすでに10年経過しています。

 

「冷凍食品ヤバ~い!」 イベントを全国で、その意義

名古屋会場でのメディア向け発表会で、来年以降のことに質問が及びました。松元部長からは、全国各地で開催したい、との想いが語られました。しかし、あくまでも希望として。つまり、イベント開催を目的とするのではなく、今回の事例なら、イベントを通じてフローズンの価値、可能性を多くの方々に知ってもらい、以降、名古屋周辺地区の冷凍食品需要が一段と盛り上がっていくことが実証されて初めて、イベント開催の意義が見えてくる、ということです。

 

名古屋地区では、初の試みとして、スーパーを通じて事前キャンペーンを開催しました。さらに、愛知大学の学生とコラボして、試食を通じて「商品紹介POP」を作成してもらい、各商品に貼り付けました。もちろん、日本アクセス社員による専門家目線のPOPも貼り付けています。また日本アクセスは、冷凍食品のメリット、価値についてZ世代と呼ばれる大学生に伝授、SNS拡散してもらうことに期待しました。

会場で会った学生の1人に「これが美味しいよ。冷凍食品だからこそ実現できた美味しさなんですよ」と紹介しました。さっそく試食した感想は「超美味しい。冷凍食品ヤバ~いです」でした。そう、まずは知っていただくこと。そこから冷凍食品の明るい未来が広がるような気がします。