羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け
山本純子
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山本純子

冷凍食品ジャーナリスト。 冷凍食品エフエフプレス編集長。1981年に冷凍食品新聞社入社。 冷凍食品新聞の記者、 編集長、 主幹を経て2015年に独立。 テレビや新聞、 雑誌、 WEB等幅広いメディアで、 冷凍食品の魅力や業界動向などを紹介。

  • 2026年8月27日

夕食の食卓こそ冷凍食品を主役に

冷凍食品を何の目的で買っているか?というアンケートを業界団体やメーカーが実施すると、かつては「お弁当」「昼食」などが多くを占めていたのですが、近年は「夕食」での利用目的が第1位になっています。 意外でしょうか。子育て世代の女性のみ「お弁当」の比率が高めですが、ほぼ男女全世代で「夕食」がトップ。年代が高いほど「夕食」利用の比率が高いという傾向です。 「夕食」の食卓で、どのように使われているかというと、主菜、副菜、麺やごはんの主食系等さまざまでしょう。そこで今回は、夕食のメインおかずこそ、冷凍食品を主役にして考えてはどうですか、というはなしです。   レンジでOK、食卓の冷凍食品で座談会 こんなテーマを思いついたのは、先日、某テレビ番組の企画で、冷凍食品の専門家が揃い、夕食のメインで大満足の冷凍食品を論じてほしいという依頼を受けたからです。 収録済み未放送なので、ネタばれ禁止なのですが、冷凍食品マイスターとして活躍しているタケムラダイさん、SNSでホームフリージング活用調理の魅力を発信しているインフルエンサーの冷凍子ママさんと3人、大いに語り合い楽しいひと時でした。 論じ合う条件として、「電子レンジでできるもの」とあったので、フライパンで焼く餃子は対象外。商品選択の幅が少し狭くなってしまったのですが、唐揚げ、焼売はじめお肉系のおいしい商品、最近いろいろ良いものが出てきた魚メニューあれこれと、議論が白熱しました。 ご当地冷凍食品愛が強く、「日本全国!ご当地冷凍食品大賞」の審査委員長も務めるタケムラダイさんは、やはり強くご当地ものを推薦。冷凍子ママさんからは子育て真っ最中の視点で、調理の段取り、家族それぞれの嗜好も考えての意見があり、大変学びがありました。 いろいろ語り合うチャンスをいただき、冷凍食品は、おいしさや品質、調理のしやすさで優れていること、また、レンジ調理での再現性が高まっていることを再認識した次第。   夕食の悩みは「献立」といいますが、、、 食事に関するアンケートでよく目にする「献立を考えるのがめんどう」というお悩みですが、毎日毎日、それは大変。家族に聞いても「何でもいい」と言われて「それが一番よくない」と憤るのだとよく聞きます。子どものリクエストはワンパターンで、そればっかりじゃ栄養面が気になるとか、材料のコストも考えなければとあれこれ思いをめぐらすと、確かにめんどう。食事を提供する側の優しい気遣いばかりでは乗り越えられませんね。 私の場合はあまり悩まない、と言ったらひんしゅくを買うでしょうか。なぜかというと、基本「自分が食べたいもの」が真っ先に頭に浮かぶので、そのまま実行するからです。自己中心的だなぁと自分でも思いますが、子どもの健康に配慮する時期も過ぎていますので、「好き勝手で上等!」と開き直るとストレスがありません。   まず、冷凍食品から考えるとうまくいく 例えば帰り道、冷凍庫の中にある冷凍食品を思い出しながら、「今日はあれだな」と思います。じゃあ、これを合わせたいなと考えて、足りない野菜などがあれば近くのスーパーやコンビニで買って帰宅。逆パターンもあり、スーパーで旬の鰹!と思いついたら、野菜具沢山味噌汁を作って副菜は冷凍庫に入っているあれ、と考えて帰宅します。すると20~30分以内には食卓が整います。 もちろん、1日中忙しく疲れ切って、買い物も何もしたくない、という日もあります。そんな日は常備している冷凍餃子や焼売を夫に渡して、その調理が進んでいる間に、常備野菜で何かを作るということが月に数回あります。本稿にも書いたことがあると思いますが、冷凍餃子を焼くことは、コロナ渦中のリモートワーク以降、夫の得意技になりました。 餃子以外、唐揚げでもハンバーグでもフライ類でも、何か1品の冷凍食品を決めるだけで、献立を考えるのはとても楽になり、冷凍食品を解凍調理している間に、もう1品の余裕がでてきて、食材の幅が広がり、栄養バランスも整ってきます。それくらい、主役級のおいしい冷凍食品が増えている、と認識しています。   足りないものを加えてパーフェクト 冷凍食品が主役といっても、冷凍だけでは足らないものも認識しておいてください。よく、クイズにするのですが、冷凍に向かない2つのものって分かりますか? 正解の1つは、殻付きの生卵。冷凍して解凍して、白身は戻りますが、黄身は固く変質してしまいます。それも食感の違いを楽しんで食べることができますが、卵料理には利用できません。 もう一つは、シャキシャキレタスのような組織が壊れやすいサラダ用野菜です。前述の卵の場合は、殻を割った冷凍液卵が業務用市場で活用されていますが、レタスなどの冷凍野菜化は技術的に未解決なのです。 発想を転換すれば、生卵とサラダ用野菜を備えておけば、後は日々の食事は冷凍食品でOK、となります。 ちょっと冷凍食品愛が強すぎますか?   日本全国!ご当地冷凍食品大賞 https://gotouchireisyoku.com/ 冷凍子ママ Instagram https://www.instagram.com/reitoumama/

  • 2026年8月5日

え?!冷凍食品て保存料を使っていないんですか?

本コラムも回を重ねて今回で50回目! 冷凍食品について皆さまにお伝えしたいことは、尽きないのですねぇ。今回は、周回記念♪というわけではないですが、冷凍食品ジャーナリストとして取材した話ではなく「取材された」話で、非常に驚いたことがあったので、その話題です。 タイトルに掲げた、「え?!保存料を使っていないんですか?」は、インタビューさせてほしいとわが事務所に訪れた男女4名の編集者のうち、3名の驚きの声です。   リメンバー!ごはんのホームフリージング インタビューを受けていて、「冷凍食品の一番の魅力は何ですか?」との質問に、「腐らないことです」と返したところ、皆うなずいて納得。「しかも、保存料を使わずに食品の温度を下げるという手段だけで腐らないんです」と続けると、「え?!」という驚きの反応が返ってきたのです。 「それ私は知っていました」と答えた1人は、日本冷凍食品協会関連の仕事をしたことがあるから理解している、とのことでした。冷凍食品について、正しく理解していたのは、業界に関わりを持ったことがある人だけ、という現実に、こちらがびっくりした次第。 そこで私が、「ごはんって冷凍したことありますか?何も加えなかったでしょう。レンジで解凍して炊き立て状態に戻ったとおもいますが、、、」と言うと、「あ~確かに、、、」と言いながら半分くらい納得した、という表情。どうやら、冷凍食品について、保存料をはじめ添加物をたくさん使っていて、からだに良くない、おいしくない、鮮度も劣る、栄養も疑わしい等々ずっと誤解していたようです。山本に話を聞いただけでは、にわかには信じ難し、という雰囲気でした。 マイナス18℃以下は腐らない温度帯なので保存料不要 ホームフリージングはマイナス18℃以下の環境で凍結させる「緩慢凍結」ですが、メーカーが製造する冷凍食品は、マイナス30℃以下の温度帯で「急速凍結」されています。急速凍結は、食品の組織をなるべく壊さないようにして温度を下げる技術です、 そして、冷凍食品はマイナス18℃以下の温度をキープして、保存、流通しています。マイナス18℃以下の温度帯(業界自主取り扱い基準、食品衛生法ではマイナス15℃以下)では、食品を腐らせる原因となる微生物は活動できません。つまり、菌は増えない。腐らないのが冷凍の大きなメリットです。 腐らないものには、保存料は使わなくて良い、のです。   何も加えず、何も引かず長期間保存 何も加えず、何も引かず、低温というパワーだけで長期間保存できる、というのが冷凍のメリット。つまり、塩漬けにする(塩蔵)、砂糖を加える、乾燥させる(干物など)、高温高圧をかける(缶詰、レトルト食品)をいった手段で食品に変化を加えて保存性を高めるのではなく、下処理した素材そのままを、料理したメニューそのままをキープできるのが冷凍食品なのです。 冷凍食品は今や大注目の食品。「おいしい」「便利」と評価されるだけでなく、ワンプレートの冷凍食品の人気を見るに、コスパが良い、タイパが良いと好んで使う人が増えました。日本冷凍食品協会が春に発表した、「令和8年 “冷凍食品の利用状況”実態調査」によると、物価高でも購入が増えた食品の第1位に冷凍食品がランキングされ、冷凍食品を使用することは「合理的で賢い選択」と評価されています。 資料:日本冷凍食品協会 「令和8年“冷凍食品の利用状況”実態調査」より 購入している方に少しだけ不安があるのかも? ここで、少し疑問が出てきました。皆さま冷凍食品が役に立つ、リーズナブルだと評価しつつも、安全性や健康面ではよく分からず、あまり評価をしていないのではないか、という疑問です。 実際、私が運営している冷凍食品情報サイト「エフエフプレス」では、4,100記事超の記事を掲載していますが、その中で人気上位記事を見てみると、4位までが品質保証の専門家に寄稿してもらった、「安全・安心Q&A」記事です。掲載記事を読んでいただくことで、少し安心していただいているのかな、と喜んではいるのですが、「自然解凍でOKというけど何で?(だいじょうぶ?)」とか、「中国産って大丈夫なの?」といった不安から記事を読んでいる方が多いのかと思うと、少し残念です。 毎年消費者キャンペーンを実施してきた、首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)は、キャンペーン応募した方にアンケートを実施して、その結果を公表しています。その中で、「冷凍食品は生産から販売まで常に-18℃以下で管理されているので衛生的です。あなたは知っていましたか?」という質問に、7割を超える方々が「知っていた」と回答しています。つまり、冷凍食品をよく買っていて、業界団体のキャンペーンにも応募する方々は、冷凍食品の特性を知って、リピーターになっていますが、その他の方々は、よく分からないうちに購入し、合理的だとは思いつつも不安感を抱えている、ということかもしれません。 資料:日本冷凍食品協会 「令和8年“冷凍食品の利用状況”実態調査」より 冷凍食品のメリットをもっと訴えていきます 冒頭ご紹介した編集部の方々は、インタビューを終えて帰るころには、「今日は仕事帰りにスーパーかコンビニに寄って冷凍食品を買って帰ります」と言っていました。知らないこと、知らされていないことには、不安がつきもの。もっともっと、冷凍食品がいかに安心して召し上がっていただける食品かを繰り返し訴えていくことが大事だと再認識しています。 そんな折、イートアンドフーズの秋冬新商品発表会があり、商品パッケージに印刷している「素材のおいしさマーク」を今秋冬から刷新するという発表がありました。新マークは、ハート型で、素材本来のおいしさを大切にした商品であることが一目で伝わるようにと変更します。冷凍食品だからこそ、食品添加物に頼らず、素材のおいしさを生かした商品づくりができる。それを実際に商品で活かして、訴えていく。そんな姿勢に大いに共感しました。

  • 2026年6月30日

商品を「育てる」、生協の底力

今回は、全国生協が加盟する総本部、日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、新井ちとせ代表理事会長)の創立75周年記念行事の一環として開催された、「感謝イベントinコーププラザ渋谷」について、そのリポートも兼ねて、生協についての話です。 生協=消費生活協同組合は、消費者が自発的に集まることで、日々のくらしをより良くしていく組合、法人組織です。消費生活協同組合法で第一条にある目的、「国民生活の安定と生活文化の向上を期する」という文言は、かなり昭和のにおいが漂う古臭さですが、この令和の時代、折々に感じる生活の不安定感はかなりあると思います。例えば自然災害のリスクが高い国であること、平和とは程遠い国際情勢をはじめ、家計に打撃を与えている食品価格高騰などなど。現代こそ、「くらしを守る」という理念を持った生協の事業、活動に、国家ならずとも「期する」思いが強くなってきます。 日本生協連75周年イベントで見たコープ商品進化形 昨年の本コラムでは、生協がいかに冷凍食品の普及啓蒙に貢献してきたかについて、記しました。つまり、生活者の皆さまが冷凍食品についてまだよく認識していなかった時代から、「冷凍」の手段で各家庭に安全にお届けできること、1週間の食事作りに計画的に無駄なく利用できる食品は冷凍であるという知識を広めてきたのです。 今回取材した日本生協連の感謝イベントは、コープ商品、カタログ事業、物流、社会的取り組みでは長期にわたる被災地支援、平和運動などなど、生協事業・活動を網羅する構成でした。そして、主にコープ商品の開発姿勢、組合員の声を反映していく仕組みの紹介展示に重点が置かれていたことに注目しました。 冷凍食品では昨年実施した、かき揚げ商品のトレーをなくすリニューアルを紹介。冷凍庫内の収納性に関する声に応えて、トレーレスにして好評を得ているという事例が紹介されました。そしてこれは、年間10トン超のプラスチック使用量削減につながったとのことです。 価格高騰に対応したアイデアも 水産冷凍品では、ロングセラーの「まんまるねぎとろ丼」(お茶碗サイズ個包装のねぎとろ)のタレを減塩リニューアルしたこと。また、「骨取りさばのみそ煮」などの人気アイテムを展示していました。 さばなど原料が高騰している水産加工品は、価格改定をせざるを得ない商品ですが、魚のサイズは少し小さく、野菜のお惣菜をプラスすることで値ごろ感を維持する狙いの商品、「骨取りさばとなす・厚揚げのみぞれ煮」などを昨年発売したところ、1度のボイルで2種類のおかずが整う便利商品になったと聞きました。苦肉の策とはいえ、ナイスアイデアに感心します。 “声”を反映するコープ商品 日本生協連では、全国の組合員からコープ商品に寄せられた「よかったの声」を、その商品の供給数量で割って計算した指標を「声の“熱量”ランキング」として紹介していますが、2025年の冷凍食品部門ランキング1位は、「九州のうらごしほうれん草」(120g=15gのキューブ8個入、参考価格税込311円)でした。 これは2025年に改良が図られた商品で、従来寒天やでんぷんを使用して成形していたものを、ほうれん草と水のみにして評価が高まりました。さまざまな料理にアレンジできる便利な商品ですが、リニューアルにより「離乳食に使える」という喜びの声が多く寄せられているそうです。 組合員の“声”が商品の改良につながり、また、それを評価する“声”が寄せられる。生協ならではの、マーケットインで商品を育てている、といっても良いでしょう。   組合員の口コミを可視化 7月30日「生協の日」に取り組んでいる、組合員投票でおすすめコープ商品を可視化する『推しコープ』では、今年、旅行ガイドブックの「地球の歩き方」とタイアップした「推しコープ×地球の歩き方」キャンペーンを6月21日から9月20日までの3か月間実施します。旅行ガイドブックのように編集した、『推しコープ』商品。タイアップキャンペーン特設サイトで6月22日に公開されたページの筆頭に紹介されているのは、水産冷凍食品のえびフライです。 油調調理は敬遠されがちですが、揚げておいしいえびフライは、変わらずの人気商品です。タイアップページでは、商品の詳細やこだわりポイント、組合員の声に加え、編集部のコメントも掲載されて、楽しい商品ガイドになっています。旅のような商品との出会いが楽しい企画です。 協同の精神がくらしを豊かにする 協同とは、人と人が手を取り合い、新たな価値を生み出すこと。くらしを豊かにする取り組み。生協のコープ商品は、1960年発売の「CO‣OP生協バター」から始まっています。初期から、消費者目線の、安心して使える良い商品を開発して共同購入しよう、たくさん買えば安くなる、という発想でした。現在も同様の目的はありますが、組合員のより良いくらしを彩る商品を育てていく、という点で、メーカーが開発して発売する商品とは異なる、独自の価値があると思います。 さて、イベント当日も披露された学習まんが、「生協のひみつ~つながり、ささえあう、みんなのくらし~」(学研)は、生協について分かりやすく解説した1冊です。全国の小学校・特別支援学校、公立図書館、児童館など約2万4千カ所へ寄贈しています。創立75周年記念事業として、日本生協連がいろいろ構想を練って制作したものです。小学生向けのまんがで、ストーリーの舞台も小学校ですが、大人が読んでもよく分かり、楽しめるものでした。 人と人が協力し合う、生協の原点。web上で公開されていますので、ぜひ、一読してください。 https://kids.gakken.co.jp/himitsu/library233/

  • 2026年5月29日

進化を続ける「ワンプレート冷凍食品」

春頃からいくつかの一般メディアに協力して出演しました。今年の家庭用冷凍食品について話題提供を依頼され、事前打ち合わせの際は新商品の中から、これはおいしい、新しい、と私が感じたものをピックアップして提案しました。その中で、企画担当者が揃って高い関心を寄せたのが、うどんとおかず、ナーンとカレーといった“進化系ワンプレート”の話題でした。 放送後の結果は、試食した方々も含めて、もちろん大好評。   「ワンプレート冷凍食品」2万トン・135億円 「ワンプレート冷凍食品」の認知度は、某番組が昨年調査したところ、50%程度でした。あれから半年ほど経って、その認知度はますます上がっているようです。 (一社)日本冷凍食品協会もこのトレンドをとらえて、昨年の生産高調査(2026年1~12月)にあたり、「ワンプレート」について初めて調べました。新たな品目分類として立てるのではなく、参考数値としての発表でしたが、その生産量は2万156トン、生産金額(工場出荷額)135億3500万円でした。 この数値が多いか少ないか、というと、けっこうな存在感になっていることが分かります。どういうことかというと、国内生産量157万4172トンの中でワンプレート2万156トンは1.28%の構成比。この1.28%という数値は、おにぎりの1.1%(昨年はコメ原料高騰の影響もありました)、ミートボール、中華まんじゅうの1.2%を上回っているのです。 資料:(一社)日本冷凍食品協会調査 令和7年(1-12月)日本の冷凍食品生産・消費について   主食は、ごはん・パスタだけじゃない ワンプレートの進化系、具体的にはテーブルマークの「うどん和膳 彩り野菜かき揚げとちくわ天」、日本ハム冷凍食品の「ナーン&Wカレー(バターチキン・ほうれん草、バターチキン・キーマ)」が、この春の話題商品。ごはんとおかず、パスタと洋食といった、これまでのワンプレートの定番スタイル以外の新ジャンルです。 昨年には、イートアンドフーズもニチレイフーズも、ワンプレートでアイテム数が少なかった『中華』ジャンル商品に力を注ぎました。その主食部分は、炒飯や焼そばで、これも目新しい提案でした。 今年は、イートアンドフーズの中華ワンプレート新商品が、記者発表会の段階から好評でした。「たれつき肉焼売」の焼売がドン!と入ったワンプレート「大阪王層 直火炒飯とたれつき肉焼売」、野菜の食感がシャキッとした回鍋肉がおいしく仕上がっている「同 直火炒飯と回鍋肉」です。特に回鍋肉にはびっくり。製造段階での工夫や店舗のノウハウ再現に、改めて力を入れたのではないかと推察しています。   超高齢化社会の生活を支える さて、2万トン、約135億円という数値は、あくまでも冷食協協会員が対象です。会員以外に目を向けると、ネット販売でさまざまな企業が事業を展開しています。それらは、抵糖質、たんぱく質たっぷりといった栄養面のコントロールに役立つコンセプトや、一流シェフ監修によっておいしさを訴えたもの、高齢者対象に設計したものなどさまざま。先日放送のNHK「サタデーウォッチ9」の特集では、札幌のスーパー「クーリッチ」で店内製造する冷凍弁当が紹介されました。単身生活の82歳の男性が同店の宅配サービスを利用し、冷凍海老天丼を自宅で食べるシーンも放送され、番組は即食できるワンプレートは、高齢化社会において生活の支えになっている、と紹介しました。   いつかはパーソナル対応も さまざまな形で多様化が進んでいるワンプレート冷凍食品。「クーリッチ」のロケ放送では、社長自らが調理して、小型のリキッド凍結機で凍結しているシーンが映りました。物価高の折、ロスの出ない冷凍弁当の活用で少しでも割安な商品を提供したい、という想いも語っていました。月に600個ほどを販売しているそうです。 番組内では私のコメントも放送され、「かつてはお母さんが家族のために買うものだったが、誰もが自分が食べたいものを買うようになった」「冷凍食品も価格が上昇しているが、上がってもなお、タイムパフォーマンスもコストパフォーマンスも良い」という部分が採用されていました(他にもいろいろしゃべったのですが、、、)。 そんなニュースの特集を観ながら、いずれパーソナル対応の冷凍弁当業者や、何でも急速凍結サービスといった新ビジネスが誕生するのではないか、と想像していました。

  • 2026年4月28日

お弁当デビューの皆さまへ

4月、新年度も始まり、お弁当デビューをした方、またはお弁当作りを卒業してやれやれ、という方も多いことと思います。 写真は、数年前、某テレビ局の朝のワイドショーに出演した際、冷凍食品フル活用でお弁当向け商品をご紹介したときのものです。「手間抜き」の冷凍食品を利用してお弁当作りが楽しくなる。だから「冷食OK!」、という内容でした。   冷凍食品を使ったお弁当が話題になって、、、 新学期シーズンになると思い出すのは30年前、娘が幼稚園に通っていた頃のこと。お弁当には当然、冷凍食品。しかも新発売されたばかりの商品も入っていて、子どもたちも先生も「なんかおいしそう~」と毎日覗き込み、話題になりました。娘はもちろん、しっかり食べて、毎日完食でした。 娘を送り迎えしていたおばあちゃんに、先生が「いつもAちゃんのお弁当が話題になるんですよ~」といった話をしたそうです。するとおばあちゃん、鼻高々に「お母さんが冷凍食品新聞の記者なのよ~」と答えたそうです。 そして、私が娘を園に送っていったある日、園長先生から「ぜひ冷凍食品の話が聞きたいわ。保護者の方々にも声をかけますから」と依頼されました。嬉しかったですね。   安心して安全に使える冷凍食品 今から30年も前ですから、「冷凍食品なんて、、、」と思っていた方も多い時代。でも、毎日毎日、わが家が持たせたお弁当箱の中には、さまざまなおかずが入っていました。ニコニコ食べる娘の様子を見て、「あれ?おいしいのかな?」と先生方は興味がわいたようなのです。 公立幼稚園でしたが、統廃合される前で非常に少人数。冷凍食品の話をしたときは、先生も含めて7-8人ほど集まっていただけたと記憶しています。 そこで、冷凍食品のさまざまなメリット、つまり、急速凍結で栄養がそのまま保たれていること、マイナス18℃以下で保存・流通していて、そんな低温下では食品を腐敗させる微生物が繁殖できず、腐らないので、製造段階で保存料が不要なこと、衛生的でレンジで簡単に解凍できる商品が増えていることなどをお伝えしました。本当に皆さま、びっくりしていました。 お弁当以外に何かおすすめ商品はないかと聞かれ、「焼きおにぎり」がレンジで簡単に食べられますよ、と紹介したところ、後日、多数の方々から感動の声を聞くことになりました。   冷凍食品利用は愛情不足? その後、1999年には自然解凍でOKのお弁当用商品も発売されて、ますます、お弁当需要は高まっていきました。その一方で、お弁当作りに「冷凍食品の利用禁止」といった通知をする園が話題になって、手作り・イコール・愛情いっぱい、といった論理は、果たして正しいのか、おいしくて便利なものを使うことは愛情不足なの?といった論争がありました。 この論争は収束したのかとおもいきや、今でもご意見さまざまで、冷凍食品を使わないお弁当を推奨している園も少なからずあるようです。 私自身、愛情たっぷりに娘を育てたと自負しておりますし、冷凍食品を使うことは、手抜きではなく「手間抜き」と2016年から言い続けてきました。「手間抜き」は単なることば遊びではなく、冷凍食品工場では、とても衛生的な環境で、「食」の大切さに真摯に向き合って、製造にあたっている方々がいることを知っているから、その手間に感謝を込めて発信しています。さまざまなメリットがある冷凍食品。手間暇をかけてより良い食品を生産している工場。そして、工場では、生産段階で発生する残渣もゴミとせず、資源化する取り組みをしています。 こんなメリットだらけも冷凍食品を使うことを手抜きとか、愛情無しなどと言ってほしくない、というのが本音です。   餃子弁当も手軽に作れるように 先日、日本冷凍食品協会から2025年の生産・消費調査結果が公表されました。国内生産も冷凍野菜輸入量も、冷凍調理食品輸入量も増えて、同年の国内消費量は初めて300万トン台となりました。国内生産の品目別動向を見ると、「ギョウザ」はなんと前年比13%増の生産量。国内生産全体が同2.4%増ですので、突出した伸びだと理解できます。 〔資料:日本冷凍食品協会 令和7年冷凍食品の生産・消費について(速報)〕 各社の商品開発が進み、バラエティ豊かになってきているのでしょう。そのひとつ、イートアンドフーズの「大阪王将 クリスピーひとくち餃子」に昨年から注目しています。約5分で簡単に焼けて、ぱくぱくと、スナックのように食べられる小型の餃子です。餃子ワールドがまた広がってきました。 お弁当のおかずといえば、焼売は定番ですが、餃子となるとお弁当箱に入れるには少しハードルが高いようです。餃子は焼きたて、食卓向けが主流かもしれません。でも、「ひとくち餃子」は、お弁当のおかずとしても喜ばれそう。にんにく不使用で、やみつき味、ごはんが進みそうです。冷凍餃子の活躍場面がますます広がりますね。   究極、レンジも不要でお弁当作り さて、去る4月2日に、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」に出演した際、最後に「山本が今、お弁当づくりをするとしたら?」という問いかけがありました。 私の答えは、「むき枝豆」の活用と、自然解凍OKのフライ類を使用したサンドイッチでした。 枝豆はさやがついているもので。おつまみに食べるもの、という旧来からの思い込みを捨てて、「むき枝豆」を買ってみると、驚くほど便利で、幅広く使えるたんぱく質摂取素材だということに気付きます。お弁当に利用するなら枝豆ごはん、サラダトッピング、楊枝に刺して彩りの1品などでしょうか。スープジャーを利用していたら、具材のひとつとして便利に使えますね。 自然解凍OKのフライはお弁同箱におかずとして入れるだけではもったいない。例えば、ロールパンを少しカットしてバターを塗り、カット野菜と一緒に挟むだけで簡単サンドイッチが出来上がります。とてもスピーディ。ソースなどが欲しければ別添で持参すればよく、ソースインやソースオンのフライ類ならソースを用意することも不要なのです。この話はとても驚いてもらえました。 お弁当はアイデア次第。ぜひ1品、「手間抜き」できたら、彩りや栄養バランスに気遣って、楽しいランチタイムを実現してほしいです。

  • 2026年3月27日

外国人もびっくり、日本の冷凍食品は「おいしい!」

日本最大の国際食品展「FOODEX JAPAN2026」(3月10日~13日、東京ビッグサイト)内の「FOODEX Frozen」展示は、今回も国内外多数のバイヤーで賑わいました。 企画展示では、家庭用冷凍食品各社のブースにステージを併設。ステージでは、2日目の3月11日、新商品・新提案商品を対象としたアワード「フローズン・オブ・フューチャー」の公開審査、並びに同表彰式が行われたのをはじめ、連日様々なプレゼンテーションがありました。   試食に目を丸くして驚く外国人バイヤー 各メーカーブースでは、冷凍食品、アイスの試食や説明を行いましたが、例年通り、目についたのは、嬉々として試食する外国人バイヤーたちでした。そのおいしさに驚く声が、そこかしこに。 「フローズン・オブ・フューチャー」の4部門別各グランプリ獲得商品は、社会課題解決部門「Wildish唐辛子ツナ炒飯」:Umios(マルハニチロ)、テクノロジー・イノベーション部門「レンジで冷たい盛岡風冷麺」:ニチレイフーズ、グッドアイデア部門「パリッチェ(チョコ&バニラ/チョコ&ストロベリー):森永乳業【アイス】、外国人対応部門「クリスピーサンド ザ・グリーンティー」:ハーゲンダッツジャパン【同】でした。その結果の通り、ハーゲンダッツの新商品に、群がる海外バイヤーを目撃しました。 アイスはもちろん、フローズンのくくりにはなるのですが、冷凍食品かというと、業界も産業的な分類も少し異なるのですが、そこはまあ、ざっくばらんに。日本では、冷凍食品もアイスも共においしい、ということです。 訪日外国人に聞いた好きな日本食 フローズンステージで、凍結機メーカー、タカハシガリレイのTFS課片山正幸主査から、興味深いプレゼンテーションがありました。大阪の観光名所、黒門市場に来ていた外国人に、好きな日本食、日本で冷凍食品を食べたか、自分の国で冷凍食品を食べているかといったインタビュー結果の報告です。インバウンドの皆さまが、ニコニコと好きな日本食を次々と挙げる様子が動画で流れました。 人気日本食の結果は、1位ラーメン、2位寿司、3位お好み焼(大阪でのインタビューなので)でした。焼肉、和牛と続き他にも、たい焼き、カツカレー、うなぎ、カレー、焼き鳥、天ぷら、うどんなどなど。たくさんのメニュー。 片山氏のアイデア提案は、好きな日本食がたくさんあるので、それを少しずつ詰め合わせた冷凍食品を試作してみた、というものでした。旅行客が帰国する時、「あ、あの日本食も食べたかったなぁ」と感じた時に、喜ばれるのでは?というストーリーです。その試作品は、軍艦巻きの寿司風アソートになっていて、なかなかユニークでした。 「自国で冷凍食品は何をよく食べる?」という質問への回答は、1位野菜、2位餃子、3位肉/ピザとのこと。日本食が好きな外国人は「餃子好き」のようですね。   日本のおいしい食事を世界へ 冷凍食品の需要は伸長の一途ですが、それは諸外国も同様、各種調査機関の予測をチェックしてみても、欧米を中心にアジア諸国でも成長基調という情報が出てきます。冷凍食品は、簡単で便利、というメリットはもちろんですが、生活者のさまざまなニーズに対応できるバラエティ豊かなレディミール(Ready Meal)の開発により、さらに需要は拡大していくと予想されています。 “時間を止め”て“空間を超越”できる冷凍食品は、引き続き長い賞味期限によって、人々の食生活に大きな恩恵をもたらしていくことでしょう。外国人にうける日本食も、冷凍食品として世界へ提案することができるのです。片山氏はプレゼンテーションで、「旅行者は帰国後、日本での楽しい食体験を友人知人に語るはず。その楽しさを共有したい、と思った時に、メイドインジャパンの冷凍食品が役立つのでは」と語りました。   技術開発でマーケットは倍増する さて、同ステージには、「冷凍食品マーケット倍増を目指した技術開発」のテーマで、一般社団法人食品冷凍技術推進機構(略称:FF Tech)の鈴木徹代表理事(東京海洋大学名誉教授)が登場。私も進行役として登壇し、かけあい漫才のように、冷凍食品の将来について語りました。 鈴木先生は、技術開発がマーケットを変えて、需要を画期的に伸ばしていくと主張しました。具体的には、最適に解凍調理できる家電(電子レンジ)、レンジ調理で食感の良い揚げ物、毎日食卓に上る主食系商品の開発などが、キーポイントになる、という話。 確かに、毎日食べる冷凍食品が人気商品として定着したら、マーケットは倍増することでしょう。冷凍食品利用先進国の欧米では、「パンも食べるがポテトは毎日食べる」(鈴木先生)ので、冷凍食品のマーケットが大きい、という説明でした。そして、「欧米のポテトは、日本では何かというと、ごはん、食パンでしょう」とのこと。 白いごはん、今はパックご飯が家庭での炊飯に代わる勢いで需要が伸びているようですが、それよりおいしく手軽な冷凍白ごはんができれば、画期的に市場が拡大することでしょう。 わくわくする話ですね。今後、毎日食べても飽きない冷凍食品は何か、というテーマをもって取材しようと思いました。皆さま、毎日食べても飽きないのは、やはり白いごはんでしょうか?

  • 2026年2月24日

2026年は餃子年? 
スーパー総合展会場に「餃子ストリート」!

前回本コラムで、「ご当地冷凍食品」について紹介したばかりですが、続いての話題を最初に。 2月18日~20日の3日間、幕張メッセ全館を会場に開催されたスーパーマーケットの総合展、「スーパーマーケット・トレードショー(SMTS)2026」で、「ご当地冷凍食品」ピックアップ展示コーナーが主催者企画として設置され、賑わいました。 われらが冷食番長こと、「ご当地冷凍食品」を愛してやまないタケムラダイ氏(冷凍食品マイスター)もニッコニコ。 同コーナーに、「日本全国!ご当地冷凍食品大賞」(一般社団法人未来の食卓主催、冷凍食品PR連盟後援)の第1回受賞商品、第2回受賞商品の中から、53社が協力して合計65品が集まりました。日本地図に書き込まれた「ご当地冷凍食品」金賞・最高金賞などの受賞商品。実際の商品の近くには、審査員代表を務めたタケムラダイ氏の寸評が掲示されていて、それをじっくりと読む人も多く、賑わいました。 昨今、スーパーマーケット関係者が冷凍食品に注目し、従来の商品群ばかりでなく、目新しいもの、ストーリー性のある商品の品揃えにも大きな関心を持っていることがよく分かる展示コーナーとなりました。 ついに、日本全国の生産者が、リテイラーが、『時空間超越』の冷凍食品を自らのビジネス発展の手段として認識したのだなぁと感銘を覚えました。   SMTS2026、力を入れるべき商品に昇格 さて、SMTS2026を取材して、それ以上の驚きは、にぎやかな「冷凍」ゾーンでした。 SMTSでは過去数年、「食のトレンドゾーン 冷凍×食」コーナーとして、冷凍食品を展示・紹介してきましたが、ついに、コーナーから「ゾーン」に昇格!したのです。いまや冷凍食品は、スーパーマーケットが積極的に力を入れるべき食品になっています。 「冷凍」ゾーンには51社・団体が出展しましたが、もちろん他のゾーン、加工食品、地方・地域産品、さらに生鮮のゾーンでも、冷凍食品の展示紹介が溢れていました。 たとえば、チューブ薬味ではなく「冷凍薬味」。わさび、しょうがをはじめ冷凍薬味は風味がフレッシュで、小分け利用ができて、しかも添加物を少なくして加工・流通できるので、おいしいものにこだわる方々に大好評です。また、生鮮ゾーンでは、野菜・青果の輸入商社のブースで、海外メーカーとコラボした、冷凍フルーツジュース(未発売)を取材しました。やはり、冷凍は、『時空間超越』メリットが、あらゆる分野で、世界で活かされているのです。   「大阪王将」の黄色い看板の前も横もその裏も「餃子」 イートアンドフーズ「大阪王将」は今年も、展示会VIPコーナーを備えた特大ブースを設置して注目を集めました。3年連続冷凍餃子№1!とパネルを掲げて勢いよく、商品展示では、海外進出製品、新商品、生協商品などがずらりと並び壮観でした。さらに人気急上昇中の「小籠包」を中心に、スーパーの惣菜コーナー向けに提案している業務用冷凍食品の展示を拡大して、力が入っていました。もちろん、お約束の試食コーナーは、常時行列が絶えない人気です。 そして、驚いたことに、通路を挟んだ前に、今回初出展の韓国メーカー、CJフーズ ジャパンの「マンドゥ」ブース。さらに、その隣には、オリジナルの冷凍餃子製造請負をPRする信栄食品ブース。そしてその斜め前には、一般社団法人焼き餃子協会のブースでした。近くには、惣菜バックヤード向けの小型餃子成型マシンの紹介ブースも、という徹底ぶり。 どうやら主催者は、「冷凍」ブースの一角を「餃子」推しでいこう、と考えたのだろうと推測できます。2026年は餃子年かもしれません。 焼き餃子協会が『餃子大賞』アワードを拡大開催 焼き餃子協会のブースでは、同協会の小野寺力代表自らPRに立って、各種餃子の試食も行いながら、「JAPAN餃子大賞2026」(主催:㈱講談社BECK、共催:焼き餃子協会、協力:㈱J-オイルミルズ、宝醤油㈱、冷凍食品PR連盟)を積極的にPRしていました。同アワードは昨年に第1回を開催し、首都圏の餃子を提供する中華店がエントリーして、餃子愛好家の方々による厳正審査により、総合1位に東京・幡ヶ谷の「餃子の店 您好(ニイハオ)」が選ばれました。 今年はさらに拡大して、「惣菜餃子部門」と「通販餃子部門」を設けて、エントリーを募集中(3月31日まで)です。通販部門で冷凍餃子が注目を浴びそうですね。受賞商品は、雑誌「大人の週末」の誌面・web掲載が約束されていますので、全国規模で盛り上がることでしょう。   品質競争ウェルカム!よりおいしく、さらに成長へ 最近、「冷凍餃子って伸びていますよねぇ」とよく聞かれます。確かに勢いよく、今回の展示会でも注目の的でした。まだこれからも冷凍餃子の需要は伸びるのか?というご心配は無用。日本の国民食の一つといわれる餃子のニーズは底堅く、冷凍餃子だからこそ味わえる本格感や使い勝手の良さ、フレッシュ感により、まだまだファン層は拡大していくことでしょう。 冷凍めんの事例を振り返れば、それは明らか。冷凍めんの商品第1号は1974年、「カトキチさぬきうどん」。それから50年を経て、冷凍めん全体の年間生産食数は20億食超(日本冷凍めん協会統計)になりました。乾麺やゆで麺、手打ちだけだった麺の世界が、“ゆでたてがスピーディによみがえる”冷凍めんの登場で拡がり、成長を続けているのです。 冷凍餃子もしかり。さまざまな形で品質競争が繰り広げられることによって、生活者の皆さまにとっては、お気に入りの定番や話題商品、特別な日のアイテム、ちょっと目先を変えた楽しみなどなど、餃子で楽しい食卓を演出することができるようになります。SMTS会場の「餃子ストリート」は、ますますマーケットが拡大する明るい未来へつながっているように思えました。

  • 2026年2月2日

冷凍は人を泣かせることができる

いきなり、大胆なタイトルで失礼いたします。 「冷凍は人を泣かせることができる」 秋田・大館の駅弁企業、㈱花膳・八木橋秀一社長のことばです。1月20日に開催された、第2回「日本全国!ご当地冷凍食品大賞2025-2026」(一般社団法人未来の食卓主催。冷凍食品PR連盟後援)の最終審査会場でのプレゼンテーション。審査員決戦投票で見事グランプリに輝きました。 同社がエントリーしたご当地冷凍食品は、冷凍駅弁「あきたと鶏めし」です。お米はあきたこまち。北東北産若鶏を使用して、おかずも地元の食材、レシピにこだわったお弁当です。 「冷凍は単に味を保存する技術ではなく、記憶と文化を未来へ運ぶ方法ではないでしょうか」「変わらぬ味を守り続けることが経営理念。これ以上おいしくしてもまずくしてもいけないのです」と胸を打つことばが審査員の評価につながりました。 この冷凍弁当を山梨県で食べた80代の秋田出身の男性が、贈ってくれた方に電話して「おいしい。おいしい」と涙した、というEコマースのレビューを紹介した八木橋氏は、「冷凍は人を泣かせることができる」と語ったのでした。   これ以上おいしくしてもまずくしてもいけない 審査員代表のタケムラダイ氏(冷凍食品マイスター、冷凍食品PR連盟専務)は、『これ以上おいしくしてもまずくしてもいけない』ということばに「ご当地冷凍食品を体現してくれた」とコメントしました。 変わらぬ味わいは、過去の記憶を呼び起こす。地域の食文化を守っていく。 “時間を止めて空間を超越できる”冷凍パワーは、地域の食文化を継承していくことにも一役買っているのです。   郷土への想いも時空を超える 同アワードには今回、115品がエントリーして、最終審査には5品(4社)が残っていたのですが、その中でもう一つご紹介したいのは、「冷凍瓦そば」(㈱はしもと商店)です。 「瓦そば」は、茶そばを瓦の上で焼いて、甘辛く煮た牛肉や錦糸卵のトッピングと共に、温かいつゆにつけて食べるという、ちょっと変わった山口県下関市の郷土料理ですが、はしもと商店は奈良県の企業。下関の名物、ねり天(練りもの)の老舗の娘が奈良に嫁ぎ、その老舗の味わい、技法を奈良で再現。さらに下関の郷土料理である瓦そばも、奈良の地で再現したというご当地冷凍食品です。その郷土愛ストーリーを同社中山嘉延社長が語りました。 「冷凍瓦そば」を味わった人は、いつか下関に行って熱い瓦に乗せてカリッと焼いた本場の瓦そばを楽しむかもしれません。ご当地冷凍食品に込めた郷土愛も、時空を超越することができるのです。 「ご当地」にはいくつもの系統あり、と気づく ご当地冷凍食品大賞を取材していて、ふと気づいたことがあります。郷土の味、郷土料理というと、その土地の食材を利用した家庭料理もあれば、地元の飲食店が考えだした料理もあり、今回のグランプリのように駅弁、「中食」のご当地名物もあります。伝統的な料理もあれば、土地の食材を活かして、他の地域から移住してきた人が、おいしい食品を開発した、という事例もあります。 ご当地食はかなりフレキシブル、自由自在、なのです。 これからも新たな地域の名物が続々と誕生していくことでしょう。それらにスポットライトをあてて、全国の注目を集めること、全国・世界どこでも楽しめるようにすることができる冷凍食品は、なんと素晴らしいシステムなのでしょう。   『大阪王将』は、大阪の魂 さて、『大阪王将』ブランド冷凍食品は、55年以上の歴史を誇る大阪の餃子専門店『大阪王将』がルーツです。つまり大阪ご当地。当初から「おなかいっぱいの幸せ」というコンセプトがあり、おいしいものを食べて幸せ、“食い倒れ”るという大阪の魂(実は山本は大阪生まれ)を常々感じています。しかも勢いに乗って、一生懸命楽しく! そんな魂を冷凍食品にする工場ができたのは、今から30年前(1996年2月、現イートアンドフーズ関西工場)です。元祖ご当地冷凍食品、冷凍食品によって全国にご当地の名を轟かせたパイオニアではないかと、改めて敬服したのです。お世辞ではなく。

  • 2025年12月25日

シュウマイブーム到来

『おかず〈おつまみ〉』部門1位! 「大阪王将 たれつき肉焼売」 まずは、「フローズンアワード2025」冷凍食品総選挙(日本アクセス主催)の『おかず〈おつまみ〉』部門で、イートアンドフーズ「大阪王将 たれつき肉焼売」が見事1位を獲得したこと、おめでたい限りです。おつまみの定番である、たこ焼やポテトを抑えての1位獲得でした。 あえて『おつまみ』部門を選び、食卓でお酒といっしょに楽しむ焼売を印象づけたことに拍手、でした。そして何より、商品PR動画がおもしろい。 さすがイートアンドフーズ!大阪王将!と爆笑しました。 (動画リンク) https://vimeo.com/1141090554?fl=pl&fe=cm   焼売で『おつまみ』部門にエントリーしたことに納得がいったのは、日本シュウマイ協会の代表理事、シュウマイ潤氏の「ノンアルの時代といわれているようですが、これに逆らってお酒を飲みながら焼売を楽しみましょう」との発言を思い出したからです。   子羊肉の焼売に赤ワイン、その他は白ワイン シュウマイ潤氏のそんな話を聞いたのは、伊勢丹浦和店のデパ地下で開催されたシュウマイフェア(9月17日~23日)会場内のトークショーでした。 シュウマイ潤氏が司会で、「焼売酒場 小川」(東京都渋谷区渋谷)のオーナーシェフ、小川将氏と、「浦和クラフト焼売」を開発した國𠮷貴之氏(株式会社グレイス代表取締役:とんかつ店「豚組」など展開)が、シュウマイへの熱い想いを語りました。 シュウマイでお酒を飲む、というムーブメントを作った方と紹介された小川氏。「お肉をソースで食べる」というフレンチシェフの視点から、「新しい素材に出会ってソースを作り、そのソースに合うシュウマイを考案しています。北海道のホオズキでソースができ、そのソースに合う鴨焼売ができました」と、人気メニューの開発秘話を紹介しました。 焼売に合うお酒は?という参加者からの質問に、「ワインが基本。子羊の焼売には赤ワイン。それ以外は白」だそうです。 「中華にこだわらない、第七世代の焼売」とシュウマイ潤氏が解説。詳しくは同氏著書「シュウマイの本」(2021年刊)をお読みくださいとのことでした。   クラフトビールに合う焼売は、豚肉の部位にこだわる とんかつ店を経営する豚肉のプロとして、浦和のクラフトビール醸造所から、クラフトビールに合う焼売の開発依頼を受けた國𠮷氏は、銘柄豚の部位3種(モモ、ウデ、バラ)と浦和で栽培している椎茸を合わせた「浦和クラフト焼売」を紹介しました。中華調味料を一切使わず、醤油、塩、みりん、うま藻を使用して、肉の味わいと椎茸のうま味を活かした焼売です。 「濃いめのクラフトビールに合わせた焼売ですので、日本酒をチビチビ飲みながら楽しむのも良いと思います」と国𠮷氏。やはり、焼売には酒、なんですね。シュウマイ協会では、ミツカン「ポン酢サワー」や「青島ビール」など、シュウマイに合う酒コラボを展開中です。   百貨店のシュウマイイベントが大盛況、担当者の驚き さて、伊勢丹浦和店のシュウマイフェア。企画担当者も驚く大盛況でした。 「史上初!浦和でシュウマイ愛を叫ぶイベント」(シュウマイ潤氏)だったそうですが、同店の内山修平バイヤー(写真㊧:シュウマイ・ポーズで)によると、すごく売れている驚きの企画、だそうです。「餃子よりすごい」とのことですので、ひょっとすると、ギョウザよりシュウマイがいいんじゃない?という時代が、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。 ヘルシーな調理法「せいろ」ブーム 11月恒例、「日経トレンディ」誌12月号が発表する「ヒット予測100/ヒット商品ベスト30」で、2025年ヒット商品5位に「せいろブーム」がランクインしました。蒸し調理レシピが、ヘルシーでローカロリー、映(ば)えると話題になり、せいろは、入れて蒸すだけで超簡単、そのまま食卓に出せて洗い物減少とかなんとか、よいことだらけの調理器具としてブレイクしました。 これはますます「蒸す」食べものの時代が来ているような気がしてきました。   「ほっかほっか亭」が「シュウマイ弁当」を発売 ハークスレイグループ企業の㈱ほっかほっか亭総本部は、12月1日、レギュラーメニューとして「シュウマイ弁当」(税込810円)を持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」で発売しました。同グループ企業、ホソヤコーポレーションの「贅沢焼売」を店舗でせいろ蒸しして入れたお弁当です。 専門店の増加、冷凍・チルドメーカーによる商品強化が続いていて、シュウマイ潤氏は同弁当発売にあたって、「第二次シュウマイブーム到来」とコメントしています。 シュウマイ愛を叫ぶ方々の話を聞うかがっていると、豚肉を焼いてばかりいてはいけない!という思いにかられてしまいます。しかし、その一方で、なぜシュウマイは「焼いて売る」と書くんだろう?という、「大阪王将 たれつき肉焼売」のコマーシャルでの疑問が蘇ってきます。   ※「焼売」の疑問への回答はこちら↓ https://table.osaka-ohsho.com/recipe/7753/

  • 2025年11月26日

冷凍食品は「生鮮五品め」

冷凍野菜が大人気~天候不順・価格高騰の青果 最近冷凍野菜や冷凍フルーツ(主にブルーベリー)が大人気です。ブルーベリーが売れている原因は、やはり、皆さま男女を問わず、スマホを見過ぎて目が疲れているのかなぁと推察していますが、冷凍野菜の人気上昇ぶりには驚くことばかり。 春頃、イオンのバイヤー筋から聞いたところによると、「ブロッコリーの500g入りが売上1位になりました。冷凍野菜が1位になったのは初めてのこと」だそうです。確かにキャベツの高騰で年明けから大騒ぎだった今年。夏の猛暑をはじめ大雨などの天候不順が、生鮮品の価格変動に一層大きな影響を及ぼしています。 「スライスきゅうり」も春先に話題となりました。ポテトサラダ用や酢の物などに、すぐ使える人手不足解消食材と業務用需要で人気に火が付き、イオンPBの家庭用で発売されるや、これは便利と人気商品に。確かに、単身世帯ならきゅうり1本を持て余すなんてことも起こりそう。冷凍野菜は少し割高でも価格は安定、小分けに使えてロスもなく、結局はリーズナブルだと受け止められるようになりました。   栄養価しっかり、冷凍のメリットに認知高まる 本コラムでもかつて、冷凍野菜の栄養価はしっかり保持されていて、端境期に収穫した生鮮品より冷凍野菜の栄養価の方が高いこともある、とご紹介しました。業界では長く「常識」だったこの認識は、徐々に消費者の皆さまに浸透しつつあります。 価格が1年のうち最も安く、おいしい「旬」の時期に製造する冷凍野菜が、栄養価たっぷりなのは当然、なのです。でも、そうはいっても生鮮の方が良い、という意識は根強かったと思います。 ところが、9月24日に冷凍食品をテーマに放送された「ホンマでっか?TV」(フジテレビ)の2時間スペシャルで、解説者の一人である医者の先生から、「日数の経った生鮮野菜より冷凍野菜の方が、栄養価が高い」との説明がありました。 それは、ブロッコリーの事例で、生鮮ブロッコリーを常温で保管すると7日でビタミンC量はほぼ半減するが、冷凍ブロッコリーは、ブランチング処理(主に短時間茹でる下処理)で若干ビタミンC量は下がるものの、急速凍結・冷凍保管でその後ずっとビタミンC量を維持する、という内容でした。その「常識」にMCの明石家さんまさんはじめ出演タレント陣から驚きの声が上がりました。食品冷凍学の権威である鈴木徹先生も出演していましたが、休憩時に、「あたりまえ。まだ分かってないのか、、、」とため息、でした。 野菜に限らず、肉も魚も調理品も。冷凍することはすなわち、鮮度を保つ手段なのです。 生鮮品の「とれたて」と、調理食品の「できたて」の時間を止めることができるのが、急速凍結の技術。そして、マイナス18℃以下の低温保管は、微生物が繁殖できない温度帯で化学的な反応も非常にゆるやかになります。つまり、食品は腐らず、約1年間、栄養価や味わいなど、最初の品質を保持することができます。 生鮮野菜の栄養価は季節変動する 出典:女子栄養大学栄養学部 辻村卓教授報告書より引用   1980年代に聞いた「生鮮四品」 さて、「新鮮」の代名詞ともいえる生鮮三品とは、青果、鮮魚、精肉ですね。鮮度の良い生鮮品は、おいしさに繋がります。そんな「常識」をもって私が記者活動を始めた1980年代は、「惣菜」がひとつの産業として開花した時代でした。惣菜産業界をリードしている団体、日本惣菜協会は、1977年に任意法人として創立し、1977年社団法人認可(現在は一般社団法人)となっています。 そんな時代、惣菜界の重鎮を取材した折に、「山本さん、生鮮三品は分かるだろう。惣菜はね、生鮮の四品めなんだよ」と聞きました。「確かにサラダはそうですね」と私。すると「いやいや惣菜全部だよ。だって賞味期限が1日だろ」と重鎮。1985年、CODEX規格(国際的な食品規格)によって、賞味期限表示が導入された頃であったと思います。 国際規格普及の頃に、その重鎮はうまいことを思いついたと悦に入っていたと想像します。   ふと思いついた「生鮮五品」 「惣菜を加えて生鮮四品」、長らくこの話は記憶の片隅にあったのですが、今から5年前にふとよみがえり、生鮮より鮮度が高いなら冷凍食品は「生鮮五品め」と言ってよいのでは、と思い至りました。 近年、講演などを依頼された時には、冷凍食品は生鮮五品め、というスライドを1枚作って説明しています。 「生鮮」ならふさわしい売場の位置があります。つまりスーパーの壁面やレジ近く。私はイトーヨーカドーが実践している、惣菜売場の対面の位置に配置する冷凍食品売場に大賛成です。 スーパーに入り、作りたいメニューを考えながら、カゴの中に野菜・果物、日配品(卵、豆腐、納豆ほか)、鮮魚、精肉売場と歩いて、数日で消費するものを選び、途中で常温品や日用品などを選ぶ。最後に当日消費する惣菜を選んで、さらに“賞味期限が長いフレッシュ”である冷凍食品をカゴに入れて即レジへ直行。もちろん、惣菜といっしょに当日食べたい冷凍食品をピックアップしてもOK。 支払いを済ませたら、冷凍食品は他のものとは別の保冷バッグに入れ、ドライアイスや保冷剤を使用して持ち帰り、帰宅後すぐ冷凍庫に保管する。以上がわが家の「生鮮五品」感覚の買い物スタイルです。   Fresher than Fresh!(生より新鮮!) 本コラムをスタートした頃に、アメリカで昔使われていた冷凍食品のキャッチフレーズ、「Fresher than Fresh!(生より新鮮!)」を紹介しました。欧米の人々は、冷凍が鮮度を保つ手段である、と認識しています。 先日、日本冷凍食品協会から「令和6年 冷凍食品に関連する諸統計」(令和7年10月)が発刊となりました。その中に2024年の世界各国の国民1人当たりの年間冷凍食品消費量(資料:ユーロモニターインターナショナル)が掲載されています。冷食協の同年統計と比較してみると、日本の同消費量は万年5位。しかもベスト4の国々の数量に比較すると依然格差があります。 この格差は、日本でFresher than Fresh!の認識がさらに広がることにより解消されるのではないかと期待しています。 資料:「ユーロモニターインターナショナル」、日本の数値のみ日本冷凍食品協会統計より

  • 2025年10月29日

コスパ・タイパ、そして「ウェルパ」で評価される冷凍食品

ますます注目されてきた冷凍食品の価値 手前味噌で恐縮ですが、「あ、冷凍食品の人でしょ!」とよく声をかけられるようになりました。新聞社から独立してちょうど10年、テレビ、ラジオ、雑誌、webなど、メディアからの取材依頼や出演オファーは、時間の許す限り引き受けてきたのですが、今年は既にテレビだけでも16件の対応と、例年より依頼が増えています。 2020年春からのコロナ禍は、家庭用冷凍食品の需要拡大エポックになりましたが、どうやら今年は、冷凍食品、冷凍野菜、冷凍フルーツなどに、ますます注目が集まり、一大ブームになっているようなのです。   物価上昇~でも冷凍食品はコスパ良し 「冷凍食品が人気ですが、なぜ今注目されているのでしょう」という問いに、今年は、「コスパとタイパですね」と答えています。その回答は、最初、注目を集めているワンプレート冷凍食品に関する質問に対して用意したものですが、これはどうやら、冷凍食品全般に言えるメリットとなってきたようです。 その背景には、あらゆるものの価格が上昇し、特に食品の高騰は生活を直撃していること。昨年あたりから、より安く、ボリュームがあってお得なものを志向する消費行動が目立ってきたことが挙げられます。 つまり、コスパ最優先の買い物をするようになったときに、「あれ、冷凍食品ってコスパがいいみたい」と思う方が増えたようなのです。 冷凍食品ももちろん、度重なる値上げを経て、あらゆる商品で価格レベルは上昇しています。しかし、他の食品や外食の価格、お惣菜売場のお弁当の価格と比較すると、価格帯の上昇具合いは緩やかで、「おいしくて安い」と感じてもらえるようになったようなのです。 確かに賞味期限が長く、ロスを抑えることができる冷凍食品は、コスパを表現しやすい食品と言えそうです。   家事労働もコストと意識高まる 振り返れば、「冷凍食品は高い」と言われていた時代がありました。女性の就業率が結婚・子育ち時期にぐっと低下して中年以降再び上昇して、そしてまた低下するという、グラフにすると「M字カーブ」を示していた時期です。家事を一手に引き受けていた女性たちは、食事にかかわるコストに自身の家事労働時間を入れず、食材費だけで比較して、冷凍食品は高い、と考えていました。 ところが、今や就業率は男性84.5%、女性74.1%(総務省・労働力調査、2024年:15~64歳)です。女性の就業率は上昇を続けてきて、男性との差はわずか10.4ポイントです。働き盛りの年代25~44歳の女性のみでは、就業率81.9%。男女の差はわずかになっています。 労働時間はコスト、家事労働も同じ、という意識は社会に浸透、いや、女性と若い男性の間によく認識されるようになりました。 男女共同参画社会とは、共に働くだけでなく、共に家事労働に携わることを意味しています。若い男性には、ぜひ調理スキル不足を解消できる冷凍食品を利用して、“料理男子”になってほしいですね。 就業率の推移 タイパ~時短ではなく「時産」 ワンプレート冷凍食品のメリットは、ワンコイン(500円)以下で買えるコスパ。1回のレンジ加熱で多種類の食材を使用した1食ができあがるタイパ(タイムパフォーマンス)だと私は説明しています。ご飯を炊いて、主菜、副菜を調理するのに要する時間と、1回7分弱くらいのレンチンで全部揃うワンプレート。比較するまでもなく、タイパ良しです。 同様、具付きのめん類も、ほぼ10分以内の調理時間で、ワンコイン以下のものがほとんど。コスパもタイパも良しです。 食材を洗ったり、剥いたり切ったり、焼いたり煮たり、忙しい平日には調理を楽しむ余裕もなく、どうにかして省略したい作業時間です。また、生鮮食材を多数揃えていると、どうしてもシナシナにさせてしまう野菜も出てきて、それを捨てるとなると、結局お金を無駄にして、食品ロスを生んでしまったという罪悪感まで背負ってしまいます。 そんな悩みを解消してくれる冷凍野菜は、昨今の生鮮野菜高騰もあって、今年は人気急上昇です。 さて、そんなタイパのことばかり言っていたら、先日、首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)の消費者向けイベントで、冷凍料理家&冷凍インフルエンサーの冷凍子ママが、「時短じゃなくて“時産”」と発言されて、ハッとしました。 冷凍食品の利用によって「時産」。時間を産み出し、その余裕でいろいろなことができて生活が豊かになる、という説明でした。「子どもとゆっくり遊ぶ、勉強をみてあげる、夫婦でのんびり、エクササイズや趣味等々、あなたが今日、本当にやりたいことができる。より良く生きるための戦略として選ぶ味方」(冷凍子ママ)が冷凍食品、冷凍活用。同じ子育て世代の皆さまからの熱い視線がありました。   冷凍食品は栄養がとれないという誤解の解消 スーパーの冷凍食品売場の中で、コロナ禍前に登場し始めていた“ヘルス&ウェルネス”カテゴリーは、注目度合いは高いながら販売はいまひとつ、といわれていました。プラントベースの商品やアレルギーフリー対応のシリーズなどをコーナー化しても、需要が育たなかったのです。健康と冷凍食品のイメージがかけ離れていたのかもしれません。 そういえば、昔から「冷凍食品は簡単便利だけど、栄養はちゃんと摂れないのでは?」という大いなる誤解が存在していました。 一方、家庭用冷凍食品のほとんどのパッケージには、カロリーをはじめ主要な栄養成分や食塩相当量が表示されているのですが、きちんと確認する人は少なく、また、自分がどれくらいの栄養素を摂取すべきかあいまい、という方が多いというのが実情です。 ところが、コロナパンデミック以降、積極的な健康維持に関心は高まり、潮目が変わってきました。冷凍食品の利用が広がる中で、商品情報に関心が高まり、とれたて、作りたての栄養価を保っている冷凍食品の特長に対しても認知が広がってきました。   健康づくりに役立つ「ウェルパ」 栄養摂取をはじめ日本人が抱えている食の課題は、すぐ思いつくだけでも、カルシウム不足、たんぱく質不足、塩分過多が挙げられます。食品の摂取量では、野菜不足がいわれていて、果物摂取量では、先進国最下位どころか世界で最低レベルです。 野菜たっぷりを訴求した商品は人気が高く、カルシウム、たんぱく質たっぷりに関しては、高齢の方々への訴求ポイントになっています。特にたんぱく質(プロテイン)摂取は、コロナ前までは、筋肉マッチョを目指す方々の代名詞のようでしたが、その重要性の認識が広まると、特に高齢の方々がフレイル(活動低下の虚弱状態)予防に積極的に摂取するようになってきました。 ニチレイフーズが昨年テスト販売し、今年春から全国発売をスタートさせた、たんぱく質摂取をテーマとした「everyONe meal(エブリオンミール)」ブランドは、コーナー導入店で好調な売れ行きです。また、味の素冷凍食品では、Amazon限定で販売してきたたんぱく質強化商品とは別に、今年6月から自社オンライン販路で、「たんぱく豚肉餃子」「たんぱく豚肉焼売」を発売しています。 フルーツでは、今年、ブルーベリーが絶好調で、大袋を買い求める方が増えていると聞きます。老若男女、ケータイ使用時間が長くなり、目の疲れ改善を目的に朝食で食べるという方が増加しているようです。 健康づくりに貢献することは、いまや冷凍食品の商品開発のテーマのひとつ、と言ってよい時代かもしれません。 イートアンドフーズも長く、5フリー(食品添加物としての調味料、着色料、香料、甘味料、に頼らない商品づくり)のコンセプトを掲げ、実践してきています。また、安心感を与える「具材はすべて国産」の告知も含めて、商品パッケージにも5フリーのアイキャッチを印刷しています。素材の力を活かした商品づくり、冷凍食品だからこそ可能な取り組みとして、高く評価されています。 目指せ「ウェルパ」。からだの健康ばかりでなく、心身がより良い、快適な状態であること、ウェルビーイングに貢献する食品を目指す冷凍食品に、今後もますます消費者の注目が集まってくると予想しています。

  • 2025年10月2日

皆さまの冷凍食品に関するお悩みを解決!

「ヒルナンデス!」の売場密着企画で気づいたこと 「おススメの冷凍食品は何ですか?」「冷凍食品についてお悩みはありませんか?」とスーパーの冷凍食品売場にタレントの大沢あかねさんが張り付いてお客様に質問、お悩みが出たら冷凍食品ジャーナリスト山本純子が回答する、という日本テレビ「ヒルナンデス!」の企画(9月4日放送)。お悩みごとの多くは視聴者共通の「あるある」なのでしょうか。好評だったそうです。 「冷凍野菜を小分けに使っていると、霜が付いてしまう」「うどんとか麺のところどころが硬くなっちゃう。どうすればいいの?」「冷凍庫がいっぱいで入らない!」、はたまた、「いろいろ並んでいるのを見るけど、よく分からないから結局いつも同じものばかり買ってしまう」といったお悩みまで。きっちりとお答えいたしました。 「結局いつも同じもの」と言った方は、カートにいくつも冷凍食品を入れていました。明らかにヘビーユーザーです。冷凍食品の利便性やおいしい使い方もよく分かっていて、冷凍食品に対する関心はかなり高い方だと思われます。でも結局は、チャレンジはせずいつもの商品・・・なぜ?としばし思案しました。そして1つ気づきました。 手を伸ばしてカートに入れる決定的な理由がないのでは?ということです。関心があるから売場を見る。中には気になるものもある。でも、失敗したくない。背中を押してくれる情報が無いのでは、ということです。   いつも決まったものばかり~お試し企画のチャンスを狙おう セールや増量品キャンペーンは、お得感で惹かれます。推しタレントがCMに出れば“推し活”消費も盛り上がります。しかし、もっと強いインパクトのある、おいしさや便利さ、楽しさといったメリットは、売場だけではなかなか知ることができません。 そこで思い出したのが、日本アクセスの冷凍食品・アイス食べ放題企画「チン!するレストラン」の毎回の盛況ぶり。価格高めのハンバーグはいつも人気上位に入り、フルーツなど新しいアイテムも人気です。お試しして納得できる機会が増えれば、もっといろいろな商品を買いたくなりそうです。そして、新たに取り入れた冷凍食品は、日々の食生活をより豊かにしてくれることでしょう。「チン!するレストラン」、今年は11月に札幌での開催が決まっていますので、北海道の皆さまはチェックをお忘れなく。 公式サイトはこちら 日本アクセスでは、地域スーパーとコラボした「チン!するレストラン」企画も展開中です。今後、皆さまの近くでも開催のチャンスがあるかもしれません。 また、首都圏限定ですが、首都圏市販冷食連絡協議会(略称:市冷協)では、昨年から市販冷食試食会を復活させています。春季キャンペーンの景品のひとつとして応募者を招待するイベントです(今年は抽選・招待済み)。市冷協では今年、工場見学会も開催します。なんと1,000人を超える応募があったそうです(同済み)。冷凍食品について積極的に知りたい、という方々が増えていることが感じられる、嬉しい報告でした。 日本冷凍食品協会も、昨年に続いて、10月18日「冷凍食品の日」のイベントとして、無料で冷凍食品メニューを楽しめるイベントを開催します。『手間抜きレストラン』と名付けたイベントは、10月17日・18日、会場はJR新宿駅東南改札すぐの「サナギ新宿」です。試食品は、「バタバタな朝だっておいしく“チャージ”できるアレ」「1日がんばった日の“ご褒美”のアレ」などと名付けたアレンジメニューだそうです。何を使ってどんなアレンジをするのか、楽しみですね。 冷凍食品のお試し企画や工場見学会など、生活者の皆さまには、冷凍食品を「知る」チャンスを積極的に探していただきたいし、お店も店頭で積極的な商品情報提供をしてほしいと思うこの頃です。   霜はどうしてつく?乾燥は? 知って分かる対処法 さて、前置き長く、本題はこれから。皆さまの代表的お悩みを解決しましょう。   冷凍野菜を小分けに使っていますが、2回目以降霜でくっついてしまう 買ってから1-2か月ほどなら、水やぬるま湯をかけてついた霜を取り(もしくはごく短時間のレンジ)、ペーパータオルなどで水気をよく取れば問題なく調理に使えます。時間が経っていて色みがすごく変わっているものや、においを感じるものは避けましょう。 なぜ霜が付くかというと、開封して袋の中に温度の高い空気が入り、それが冷凍庫の中で冷えて霜になるのです。できるだけ霜をつけないコツは、  開封して必要量を取り出し、調理法を確認したら残りは調理前にすぐ冷凍庫に戻す。  開封した袋の中の空気をできるだけ追い出すようにしてピッチリ密閉しておく。  密閉しやすいチャック付き袋を活用するのがおススメ。  開封したら野菜に限らず1か月以内に使い切りましょう。美味しく食べるコツです。   うどんとか麺のところどころが硬くなっちゃう。どうすればいいの? うどんならとにかくレンチン加熱。硬くなったところはチョキンと切ってください。硬くなったところ以外は十分食べられます(庫内のにおいが移って風味が低下してしまったものは避けましょう)。 めん類は買ってすぐ食べるのがベストコンディションで、うっかり日数が経つと何カ所か白くなってしまいます。これは乾燥によるものです。冷凍庫内はとても乾燥しているのです。皆さまも氷を長く入れておくと、氷がやせたような状態になった経験があるかと思います。 例えば冷凍うどんは表層の水分含有率が80%くらいなので、とても乾燥が進みやすい食品です。パンや肉まんの皮などは少し水をつけてレンジ加熱すると水分を取り込んで多少改善しますが、カチカチの麺の端などはあきらめるしかないのです。 では白いところを作らないようにするコツはというと、早めの消費、なのですが、ストックしておきたい、ということでしたら、ジップ付きバッグでの密閉をおススメします。乾燥を抑える効果があります。   冷凍庫がいっぱいで入らない! いっぱいに詰めて正解。使って空いたスペースに買い足していきましょう。1か月くらいで1回転していく冷凍庫が理想的です。 冷凍庫内は、しっかり詰め込むことで冷却の効率も上がり、電気代節約にもつながります。賞味期限は製造してから約1年後で刻印されていることが多いですが、その期限は、マイナス18℃以下をキープした場合です。開け閉めの激しい家庭用冷凍庫は、常に温度変化にさらされていますので、期限に関係なく、買ってから1カ月、長くても2カ月以内に使い切りましょう。これがおいしく食べるコツ。 庫内に入れる時は、どこにどんなものを入れるか、あらかじめ決めておきましょう。麺は左の奥、お弁当用は手前にとか、おおざっぱでかまいません。取り出し時間が短くなって、品質保持にもつながります。   保冷バッグ持参でお買い物、マストでしょうか? 真夏にアイスを持ち歩く、と考えてください。保冷バッグに+ドライアイス、保冷剤はマストです。 アイスが解けてしまったら、再び凍らせても元の状態、元のおいしさに戻らないことは、皆さま体験からよくご存じかと思います。冷凍食品も同様とお考えください。 アイスや冷凍食品はお買い物の最後にカゴに入れてレジへ。保冷バッグの中は、冷凍食品を密着して入れ、最後に上部にドライアイス・保冷剤を置きましょう。冷気は上から下へ流れます。 よく見かける勘違いは、配布されている氷を入れて持って帰ること。氷は確かに冷凍状態で保存されていますが、出したときからどんどん温度が上昇して、解けて水になります。氷は冷凍品やアイスの保冷にはNGです。 前述の「ヒルナンデス!」ロケの際、店内用に保冷バッグを用意してお買い物をしている方がいて、猛暑対策の達人だと感心しました。しかし惜しかったのは、冷蔵品と冷凍食品を一緒に入れていたことでした。冷蔵品は10℃くらい、冷凍食品はマイナス18℃以下ですので、その温度差は28度! 一緒にいるとお互いにその温度差を縮めようとしますので、冷蔵品にも冷凍品にとっても良くない環境になってしまいます。 ロケでそんな説明をしたら、すぐ納得していただいて、「これから分けるようにします!」と明るく返していただけて、ホッとしました。   そのほか、お弁当が茶色くて彩りよくない!といったお悩みに、華やかになる黄色い色、自然解凍OKの「だし巻き玉子」や「オムレツ」をおススメしたら、「使ったことなかったです。試してみます」と喜んでいただけました。 今回改めて、取り扱いのこと、商品のこと、いろいろなことがお伝えしきれていないなぁと感じました。もっと知って、より楽しく、おいしく!業界の皆さまにもお伝えしていこうと思います。