羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け

早くも秋冬新商品~トレンドは「コスパ」「個食」で共感!

イートアンドの秋冬新商品発表会はなんと6月!

毎日暑いです。「日本は四季折々に…」といった決まり文句は、いずれ死語になってしまうかもしれません。近年は、春・夏・真夏・秋・冬の「五季」になったような気がします。あれ、「五季」って単語はあるのかな?と思ってAIに聞いてみたところ、ありました。北海道やシベリアで「春・夏・秋・初冬・厳冬」という「五季」分類があるそうです。9月以降も暑さが続くので、「夏+まだ夏」という表現もあるとか。最近は調べものも楽になりましたね。

さて、今回のテーマは秋冬新商品。その発表会は、もちろん秋になる前の夏に行われます。トレンドをいち早くとらえるファッション業界と同様、食品も時代背景を前提に、メーカー各社が次のシーズンの需要を捉えるような新商品を提案します。我々記者は、暑い時期に熱々、ほっかほかのものを、寒いときにはお腹が冷える冷たいものを試食しております。

例年、7月から8月初旬にかけて各社がさまざまな方法で発表するのですが、今年は6月中にイートアンドフーズが、他社に先駆けての発表会を開催しました。

 

インフルエンサーの皆さまが感心したシンプル「中華そば」198円

イートアンドフーズの新商品発表会で、ひときわ話題になったのは、「大阪王将 なにわの中華そば」でした。“要素を極限までそぎ落としたシンプルな中華そば”として開発されたという新商品。麺とスープ、そして具材はネギのみ、です。

試食したら、「おっ!」と驚く味わいの良さ。「大阪王将」のお店の味わいを手本にして、そこに関西の食文化である出汁をきかせ、華やかな香りのこいくち醤油とコクのあるたまり醤油を使い、ネギ油で香りを出したスープ。スープがよく絡む、中太のちぢれ麺との相性もグッドです。麺重量は180gと満足感があるボリュームです。

価格についての質問には、税抜き198円で売れるとのことでした。

 

「カップ麺よりいいね♪」とこの商品設計に感心したのが、発表会に参加していたインフルエンサーの皆さま。麺のおいしさ、フレッシュ感は、冷凍めんが得意とするところです。

具の無いシンプルラーメンは、ローソンPBとして開発されたカップ麺が昨年秋から話題を呼んでいます。『スープ激うま!』と名付けて、価格は税込238円。また、税込198円の『超大盛り』カップ麺も受けているようです。

 

前列㊧一般社団法人焼き餃子協会代表理事 小野寺力さん、同㊨冷凍食品マイスター:冷食番長タケムラダイさん、後列㊧管理栄養士・エミッシュ代表 柴田真希さん、同㊥スーパーエコごはん研究家 桃世真弓さん、同㊨ラーメンライター 井手隊長さん

 

ラーメンライター井出隊長さんにうかがったところ、外食ラーメン店でも価格が1,000円を超えないようにとシンプルラーメンが流行っているとのこと。食品の価格も外食メニューの価格も右肩上がり。生活者の節約志向にどう向き合って、寄り添っていくか。商品開発、提案における大きなポイントになってきました。

 

おいしくて数百円で買えることは業界DNA?

冷凍食品は、賞味期限が長いことで廃棄ロスが抑制されますから、消費期限内に売り切らねばロスが出て利益に影響するジャンルの商品群より、リーズナブルに提供できている食品だと言えます。

もちろんその背景には、メーカーの弛まぬ努力の積み重ねがあるのです。

振り返れば、全品大幅割引セールが続いた業界暗黒の10年(2004年~2014年あたり)、メーカーの利益率はかなり低いのだと耳にしてきました。それでもめげずに、より良い商品を開発しようと努力してきたのが冷凍食品業界。

誤解を恐れずに言い切りますが、「コスパ」は冷凍食品の得意技の一つです。

昨年来大注目のワンプレート冷凍食品ですが、値上げが続いたとはいえワンコイン(500円)内で買える1回分の食事。リーズナブルです。具付きラーメン・汁なし麺・うどんも同様。さらにリーズナブルな価格帯で販売されているのが、パスタ類ですね。

これらがおいしくて「コスパよし」、と評価されています。販売価格数百円で、他の食品ジャンルよりも魅力的な商品開発をと志向してきた、業界DNA(遺伝子)があるのかもしれません。

 

個食トレンドにフィット!“1食完結型”ジャンル

新商品発表会は8月初旬まで続くのですが、7月の時点で2025年秋冬トレンドとしてはっきり言えそうなのは、ワンプレートや丼タイプごはん、具付きめん、お好み焼・たこ焼なども含めて、「個食(孤食とも)」対応品が人気で、開発点数が増えたことでしょう。

 

 

大手食品問屋、日本アクセスの展示会「フードコンベンション」では、春季、秋季それぞれの会場(東日本と西日本2会場)で、一般消費者が新商品を試食して審査する「新商品グランプリ」が行われますが、今回の秋季企画で、冷凍食品部門のエントリー商品のほとんどが「個食」商品でした。

冷凍食品はもはやファミリーがターゲットではなく、ファミリーを構成する個人がターゲットになったように感じます。2000年代に入って以降、パスタ類が人気ジャンルになってから、業界内では1回のレンジ調理で食事が整う便利な商品を“1食完結型”と表現してきました。2015年あたりからは、ニップンがワンプレート商品の開発を本格化して、パスタとワンプレートは、家で、1人で食事をする女性のニーズにフィットして人気ジャンルになりました。

そして、コロナ禍を経て、冷凍ラーメンが注目を集めました。今や、老若男女を問わず、ランチに夕食に、冷凍食品を活用する方々が増えています。

1食分のコストは、と考えた時に、冷凍食品はとても便利で、おいしく、外食メニュー1食分に対してコスパもタイパも良いのです。

 

さて、今年も多くの新商品がお盆あたりから9月1日にかけて市場投入されます。9月も残暑が厳しいとなると、熱々麺は売場導入が少しずれ込むかもしれませんが、ぜひぜひ秋は「コスパ」と「個食」に注目して売場をチェックしてみてくださいね。