この2021年春夏に新しく販売が始まり、大変多くの方に召し上がっていただいているのが今回ご紹介する「羽根つき スタミナ肉餃子」です。パッケージはもちろんなのですが、名前だけでもそそる表現ですね。
今回はその「羽根つき スタミナ肉餃子」開発者の村田さんにお話を伺いました。
既存の餃子とは違いを出しながらも餃子の「もう一つの王道」を目指した 羽根つき スタミナ肉餃子
早速ですが、今回の開発を考えたきっかけはどんなところにあるのでしょうか?
今回考えたのは今多くの皆様に食べていただいている羽根つき餃子と共に主役を張れるような、「もう一つの王道」の餃子を作ることにあります。
「もう一つの王道」を考える中で餃子を食べる時、「人間はニンニクが食べたいのではないか。餃子=ニンニクのイメージが大事なのではないか」というのを考えました。
そうなのですね、なぜ「もう一つの王道」が大事なのでしょうか?
我々としては、既存の羽根つき餃子がある中で、その中でも日常的に召し上がっていただけるような定番的な餃子がもう一種類あっても良いのではないか、と考えたんです。
そこで、餃子としての軸をずらさず、かつ「月曜日は羽根つき餃子だったから、水曜日はこっちの餃子にしよう」と思えるような餃子を考えたんです。
そう考えると結構厳しい制約条件の中で考えられたのですね。苦労されたことはありますか?
今回は、実はあまり悩みませんでした。新商品は必ず社長の承認が必要なのですが、今回は一回目の社長提案でほぼOKが出ていました。
なんと、それはすごいですね!なぜそんなにスムーズに進めるできたのでしょうか?
冷凍餃子の開発に活きる、意外でも納得感のある経験とは
これまでの経験で餃子の練具合を学んできたことが活きた結果というのが一つですね。もう一つは、お店での経験が活きている部分もあるのではないかと思います。
村田さんはずっと開発をされていた訳ではないのですね?
そうなんです。以前は当社グループのラーメン事業部で、店舗の店長をやっていました。その時代に店舗のメニュー改善など開発にあたることもこなしていたこともあり、味の勘が研ぎすまれていたと思います。
外食の仕事をしていた経験が活きているわけですね!「お店の味」は伊達じゃないですね。
どんなところにその技が活きているのでしょうか?
わかりやすい特徴を出すこと、具体的にはニンニク感とジューシー感ですね。実際に具材のニンニクと肉はレギュラーの羽根つき餃子の2倍入っています。
なるほど、例えば、しょうがなんかも増量したりしているのでしょうか?
しょうがは使っていないですね。調味料も必要最低限、でシンプルなものになっています。
不思議です。なんでそうなったのでしょう?
開発の経緯で、最初は色々な具材、調味料入れていたんです。ですがニンニクを立たせるためにはもっと削っていく必要があると考えたのです。色々引き算をした結果、現在のシンプルな構成ができたんです。
意外にも引き算が役に立ったんですね!料理マンガで見たことあるような展開ですね。笑
どうしてそのように、味の展望が思いついたのでしょう?
やはりこれまでの経験が活きていて、何を足すとどんな味になるか、などはわかっていたのが大きいと思います。
羽根つき スタミナ肉餃子 開発のための苦労は?
大阪王将の羽根つき餃子といえば、水いらず油いらず、フタいらずで羽根がつくところが大事だと思うのですが、この辺については味が変わることで苦労はあったのでしょうか?
(この人、何でも卒なくこなすタイプか?)
こちらにもお店の経験が活きているのでしょうか?
いえ、こちらには私の経験というよりも組織としての経験が活きていますね。羽根つき餃子の仕様として、ロジックができているので、味を変えても実現可能なんです。
なるほどー、こちらには平山さんたちチームの力なんですね!ちなみに、5フリーについてはどうですか?
この餃子も5フリーですよね?
5フリーについてはこちら
大阪王将羽根つき餃子では前回紹介の「フタいらず」に続くアップデートとして追加されたのが香料・甘味料・着色料・保存料・化学調味料の5つを使わない、という5フリー。▼前回紹介の「フタいらず」開発秘話はこちら[sitecard subtitl[…]
5フリーにすることには意外と苦労しなかったですね。開発段階から保存料や化学調味料を使わずに味を構成しようと考えていたので。
では今回の餃子、開発には全く困らなかったんですか?
実はコンセプトが決まるまでには大変苦労しました。どのような餃子が求められるかを調査して、どんな方向性を定めるか、というところですね。
なるほど、ちゃんと苦労しているじゃないですか!!
いや、あまりにも「うまくいっています」感あったのでつい…記事的にはちょっとは苦労があってほしいもので。笑
ちゃんと努力して作っているんですよ!コンセプトが決まった後、最初の味を決めるまでは苦労しなかったのですが、量産に向けて同じクオリティでコストを合わせていていくのにも苦労しましたね。
発売当初から非常に好評いただいていて、本当に好評化いただいちゃったよーという感覚でして。この後これだけ召し上がっていただいているのを維持するためのリソースを検討したりする、ということも結構大変ですね。
ヒットした、というよりもこれから安定して作るのが大変だなという感覚です。
やはり開発は味だけでなく、安定してご家庭にお届けするまでが大事なんですね。
そうなんです!この餃子がレギュラーの羽根つき餃子と共に定着してほしいなー、と思っています。
羽根つき スタミナ肉餃子 最大の特徴とオマケ文化
改めて、羽根つきスタミナ肉餃子のポイントを教えて下さい。
味のポイントは先程お話した、にんにくとお肉なのですが、スープを餃子に組み込んでジューシーに仕上げているのもポイントですね。付属の岩塩と合うようになっています。
違いますよ!
具材がパンチのある構成なので、この餃子では普通のタレをつけると逆にパンチが弱まってしまうんですね。焼肉のタン塩をイメージして、岩塩が良いんじゃないか、という話になったんです。
タン塩ですか!なるほどー、さすが社長。良い例えを使ってくれますね。
「美味しい食品を召し上がっていただきたい」という思いは同じなので、試食では役職関係なく、遠慮なく意見を出し合うんです。
タレをつけたり岩塩をつけたり、大阪王将は何かオマケつけるのが好きなんですかね?笑
確かに、大阪王将の考え方として「何かつけたい」というのがありますね。お店にも味変のためのこしょうやラー油があるように、お好みで一味加えていただくことで、食事のシーンの幅が広がる、という考え方があるからだと思います。あって便利な冷凍食品、はもちろん大事なのですがそれだけでなく、楽しんでいただくための工夫もしたいなと。
開発者が語る、飽くなき冷凍食品追求への思い
ここまで羽根つきスタミナ肉餃子のお話をいただいたのですが、最後に村田さんのことも伺いたいと思います。
弊社でいえば外食事業のラーメン店で店長をしたところから、食品事業の開発に異動、と大きな変化を経験している村田さんですが、仕事を通してやっていきたいことなどあるのでしょうか?
入社したときから、家庭の役に立つ食品を開発したいと考えていました。ですので店長の経験は随所で活きているのですが、現在は自分が望んだ仕事ができていますね。
今後も餃子に限らず、家庭に役に立つ、食卓を豊かにするような冷凍食品を考えていきたいと考えています。
編集後記
これまでいくつか大阪王将の冷凍餃子についても開発ストーリーをインタビューしてきましたが、今回の村田さんは味を作ることそのものよりも、事前のリサーチとコンセプト作りにご苦労された、というところが他の方々との大きな違いでした。開発の難所となるポイントはその食品の立ち位置だったり、会社の環境だったり、状況によって変わる、ということですね。
羽根つき スタミナ肉餃子は近日CMも公開予定だとか?!
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