羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け

冷凍は人を泣かせることができる

いきなり、大胆なタイトルで失礼いたします。

「冷凍は人を泣かせることができる」

秋田・大館の駅弁企業、㈱花膳・八木橋秀一社長のことばです。1月20日に開催された、第2回「日本全国!ご当地冷凍食品大賞2025-2026」(一般社団法人未来の食卓主催。冷凍食品PR連盟後援)の最終審査会場でのプレゼンテーション。審査員決戦投票で見事グランプリに輝きました。

同社がエントリーしたご当地冷凍食品は、冷凍駅弁「あきたと鶏めし」です。お米はあきたこまち。北東北産若鶏を使用して、おかずも地元の食材、レシピにこだわったお弁当です。

「冷凍は単に味を保存する技術ではなく、記憶と文化を未来へ運ぶ方法ではないでしょうか」「変わらぬ味を守り続けることが経営理念。これ以上おいしくしてもまずくしてもいけないのです」と胸を打つことばが審査員の評価につながりました。

この冷凍弁当を山梨県で食べた80代の秋田出身の男性が、贈ってくれた方に電話して「おいしい。おいしい」と涙した、というEコマースのレビューを紹介した八木橋氏は、「冷凍は人を泣かせることができる」と語ったのでした。

 

これ以上おいしくしてもまずくしてもいけない

審査員代表のタケムラダイ氏(冷凍食品マイスター、冷凍食品PR連盟専務)は、『これ以上おいしくしてもまずくしてもいけない』ということばに「ご当地冷凍食品を体現してくれた」とコメントしました。

変わらぬ味わいは、過去の記憶を呼び起こす。地域の食文化を守っていく。

“時間を止めて空間を超越できる”冷凍パワーは、地域の食文化を継承していくことにも一役買っているのです。

 

郷土への想いも時空を超える

同アワードには今回、115品がエントリーして、最終審査には5品(4社)が残っていたのですが、その中でもう一つご紹介したいのは、「冷凍瓦そば」(㈱はしもと商店)です。

「瓦そば」は、茶そばを瓦の上で焼いて、甘辛く煮た牛肉や錦糸卵のトッピングと共に、温かいつゆにつけて食べるという、ちょっと変わった山口県下関市の郷土料理ですが、はしもと商店は奈良県の企業。下関の名物、ねり天(練りもの)の老舗の娘が奈良に嫁ぎ、その老舗の味わい、技法を奈良で再現。さらに下関の郷土料理である瓦そばも、奈良の地で再現したというご当地冷凍食品です。その郷土愛ストーリーを同社中山嘉延社長が語りました。

「冷凍瓦そば」を味わった人は、いつか下関に行って熱い瓦に乗せてカリッと焼いた本場の瓦そばを楽しむかもしれません。ご当地冷凍食品に込めた郷土愛も、時空を超越することができるのです。

「ご当地」にはいくつもの系統あり、と気づく

ご当地冷凍食品大賞を取材していて、ふと気づいたことがあります。郷土の味、郷土料理というと、その土地の食材を利用した家庭料理もあれば、地元の飲食店が考えだした料理もあり、今回のグランプリのように駅弁、「中食」のご当地名物もあります。伝統的な料理もあれば、土地の食材を活かして、他の地域から移住してきた人が、おいしい食品を開発した、という事例もあります。

ご当地食はかなりフレキシブル、自由自在、なのです。

これからも新たな地域の名物が続々と誕生していくことでしょう。それらにスポットライトをあてて、全国の注目を集めること、全国・世界どこでも楽しめるようにすることができる冷凍食品は、なんと素晴らしいシステムなのでしょう。

 

『大阪王将』は、大阪の魂

さて、『大阪王将』ブランド冷凍食品は、55年以上の歴史を誇る大阪の餃子専門店『大阪王将』がルーツです。つまり大阪ご当地。当初から「おなかいっぱいの幸せ」というコンセプトがあり、おいしいものを食べて幸せ、“食い倒れ”るという大阪の魂(実は山本は大阪生まれ)を常々感じています。しかも勢いに乗って、一生懸命楽しく!

そんな魂を冷凍食品にする工場ができたのは、今から30年前(1996年2月、現イートアンドフーズ関西工場)です。元祖ご当地冷凍食品、冷凍食品によって全国にご当地の名を轟かせたパイオニアではないかと、改めて敬服したのです。お世辞ではなく。

冷凍食品ジャーナリスト山本純子の『冷凍食品のはなし』の最新記事4件