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急速凍結100周年! 冷凍食品が盛り上がったAnuga2023

世界最大規模の食品展、ドイツの大展示場・ケルンメッセ全ホールを使用して開催された「Anuga2023」(アヌーガ/2023年10月7日~11日)を視察してきました。

隔年開催の同展は、“10の展示会を一堂に集めた” と言われるほどの大規模なもので、1日半という限られた視察でしたが、世界の食品の「今」を感じることができました。その大きなテーマは、サステナブル:持続可能であること、に集約できるかもしれません。

そんな中、冷凍食品の展示会場は、「急速凍結100周年」を掲げて盛り上がっていました。つまり、1923年、米国で世界初の急速凍結機をクラレンス・バーズアイが開発、今年でちょうど100年ということです。

DTI(ドイツ冷凍食品協会)のブースでは、冷凍食品の売場に立つバーズアイその人が大きな写真で紹介され「冷凍食品100周年」をアピールしていました。曰く、

「冷凍食品は1923年から、革新的で、フレッシュで、サステナブルであり続けている」

です。

感動です。現代の食のテーマであるサステナブルを冷凍食品は100年前から実践してきたのです。

DTIブースで、「ドイツ語のものしかない」と言われて渡された資料を、AI活用で悪戦苦闘しながら「冷凍100年 クールなサクセスストーリー」を読み解くと、バーズアイはイヌイットの食生活にヒントを得て、1923年にプレート式フリーザーを開発。1924年にはダブルベルトフリーザで特許を取得しました。これにいち早く目を付けた、後のゼネラルフーズ社が2200万ドルで買収、1930年3月6日に、世界初の冷凍野菜が米国で発売されました。

欧米では、その3月6日を「冷凍食品の日」(1984年~米国で制定)としているそうです。

ドイツでは、1956年に初の業界団体が設立され、1966年には冷凍食品宅配サービス企業が創業、以降、宅配サービス業態の発展とスーパーの売場拡大で冷凍食品需要が伸びてきました。1960年代にクリームほうれん草、1970年代にグルメフィレなど大人気商品も誕生して、人々の生活に広く活用されるようになっていったとのことです。

確かに2021年実績で、国民1人あたりの冷凍食品消費量第1位はドイツ(39.3g)。前年1位のアメリカを抜き、イギリスを抑えて首位に立ちました。冷凍食品の消費で、今最も勢いのある国です。

40kgのケバブ 行列ができた試食、一方で代替食肉が目立つ

Anuga2023、冷凍食品ホールを巡ると、野菜、フルーツ、肉・水産加工品、ピザ、ベーカリー・スイーツ、世界各国からの提案商品などが主な展示です。日本での冷凍食品関係展示会とは、ちょっと雰囲気が異なる様相。日本では目立つめん類、レンジ対応の調理食品などは少数派です。

各ブース、大量に試食宣伝を展開していましたが、ひときわ長い試食待ちの行列ができていたのは、ケバブでした。

ポーランドのメーカー。聞くと40kgの塊は、2日ほどかけて凍結させて解凍にも2日ほどかかるという製品で。特注60kg製品もあるそうです。牛、鶏、ターキーの塊。他社製品にはビーガンのケバブもありました。

肉製品の注目度の高さと同等に注目を集めていたのは、代替プロテイン。フローズンばかりでなく随所にさまざまな提案商品があり、視察団員(今回、食品業界女性経営者ネットワーク:WF-NETで視察団を組んで来訪)からは、「代替プロテインの試食が多かった」という感想が出るほど。

私は親交のあるオランダのミートパッカー、VION社を訪ねてみましたが、そこで紹介されたのも、グリーンピースを原料にした代替肉ステーキ。

かなりステーキの雰囲気をした見た目にびっくり。食べ心地も同様でした。難を言えば、ジューシーさに欠けていたことと、噛み応え感がいまひとつ。しかし、ハンバーガーとして食べるミートパティなどは、ほとんどそれと分からないくらいの味わいとなります。同社が目指すのは「世界で最もサステナブルな食肉企業」とのことでした。

代替たんぱくでは他に、cricket:クリケット(こおろぎ)を原料とするたんぱく食も注目のジャンルでした。生産性の高いたんぱく質として今後利用が進んでいくようです。

JETROブース近くの行列は、オタフクソース

JETRO(日本貿易振興会)ブースはじめその周辺では、日本企業の提案が来場者の関心を集めていました。中でも試食に行列ができていたのは、オタフクソースのブースで、お好み焼、たこ焼を焼いてオタフクソースを付けての提案。その甘辛いソースはヨーロッパ、特にスペインで大人気だそうです。

ハウス食品が、カレールウと共にカツカレーパン「KATSU BUN」を提案、フライするだけの日本式ワンハンド・ライトミールとして人気を集めました。エスビー食品(S&B)もブース展開。インド系のカレーではなく、日本のカレーライス、カレーパンが世界から注目される日も間近かもしれません。

ラーメンは既に、日本の食文化として人気を集めています。デュッセルドルフに現地販売会社を作って10年という実績を持つ西山製麺(札幌市)は、同社発祥の札幌ラーメンをはじめ、さまざまなタイプのラーメンを試食紹介していました。

シンギは、今年5月に同社が立ち上げた「時空食堂」ブランドのおにぎりをPR。同社本業の食品容器販売で取引のある駅弁業者の、人気駅弁をモチーフにした冷凍おにぎりです。「時空食堂」は、私が日頃唱えている、冷凍食品は「時空間超越食品」に似ていて親しみを覚えます。

日本料理といえば寿司。稲畑ファインテックの欧州拠点は、ベトナムで製造する冷凍寿司を出展していました。サーモンの握り寿司と巻き寿司(裏巻き製品)です。寿司は今やポピュラーな食品となって、街中に、ものまね的な怪しい寿司が散見される中で、日系企業の提案する寿司は、味わいや品質も高く、注目されていました。

他に、納豆、味噌、米、醤油、日本酒、和菓子などなど多彩な提案でした。日清製粉ウェルナも社名変更後初出展。天ぷらの試食をしながら、粉製品グローバルブランドのWELNAを紹介していました。キユーピーは独自ブースで「日本NO.1のマヨネーズ」を紹介。手応えありとのこと。

Anuga展示会場を回っていると、まさに世界をぎゅっとまとめたようにさまざまな人が行き交います。日本の知り合いにばったり出会ったこともあり、日本からのバイヤーも「何か目新しいものを」と多く商談に訪れていたようです。

食の世界は万国共通。食べて、あれこれやりとりして「おいしい」と言うと、「そうだろう」とにっこり。食べることは、互いの理解を深め、つながることだと実感した視察でした。