羽根つき餃子、ぷるもち水餃子の大阪王将│5フリーで食卓へお届け

冷凍食品ジャーナリスト山本純子の
『冷凍食品のはなし』vol.1

1960年代のテレビアニメ、「スーパージェッター」をご存じでしょうか? 昭和のことはもはや故事、古典となってしまった令和の時代にこんな話題を振ると、なんか迷惑な年寄りになってしまいますが、『時の流れを超えてやってきた』少年ジェッタ-は、本当にかっこよかった。

ジェッターは、腕時計のようなもので「流星号応答せよ!」を呼びつけ(今のApple Watch風?)、どこから来るのやら空を飛んできて重量を無視して浮いているそやつに飛び乗り、マッハ15のスピードで飛んでいきます。少年少女の未来へのあこがれが詰まったアニメは、1965年1月7日にスタートし、最終回が1966年1月20日とのこと(何事もすぐ検索できる便利な未来になりました)。さて、その当時の家庭用冷凍食品はというと、1963年にスーパーの先駆け、ダイエー三宮店に初めて冷凍食品売場が登場し、ものすごいスピードで出店が続いたスーパーを通じて、人々の生活の中に入り始めた時期でした。

何が言いたいのかというと、時の流れを超える、未来から来たような『時空間超越』こそが冷凍食品の神髄、かっこよさ、ということです。

 

旬の食材も出来たての料理も、有名シェフのレシピによるごちそうも、急速凍結という手段で『時間を止める』。

そして-18℃以下という低温で保存して流通することで、約1年~2年、腐ることなく元の鮮度と品質を保ちながら、日本国内どこへでも、場合によっては海外へも、はたまた将来には宇宙にだって移動できる。行列ができるような有名店監修のラーメンも家庭にいながら楽しめる。つまり、『空間を超越できる』のが冷凍食品なのです。

 

『時空を止めて空間を超越する』というフレーズ、実は、わが国食品冷凍学の権威、鈴木徹先生(東京海洋大学特任教授)からお墨付きをいただいたもの。先生がかねてより唱えてこられた、「食品冷凍技術システム論」を私なりに解釈して表現したものです。

あるとき、「冷凍食品の最大のメリットとは?」と鈴木先生に聞かれ、「腐らないことです」と答えたところ、「そうだ!」と鈴木先生。「つまり、時間を止めて空間を超越する手段ってことですね」と私が言うと、「うまい表現だね」と褒めていただけた、という経緯です。

もちろん、時空間超越が可能になってから最後、冷凍庫から出して食卓に上るまでの扱いも重要です。システム論の『解凍・調理』のところを上手にこなすことが美味しさにつながります。“適切に解凍・調理をする”ことは、食べる皆様、厨房で調理する料理人の手に委ねられています。上手に解凍・調理して、素早く、美味しく、楽しく、快適な冷凍食品ライフを楽しんで頂きたいと思います。