本コラムも回を重ねて今回で50回目! 冷凍食品について皆さまにお伝えしたいことは、尽きないのですねぇ。今回は、周回記念♪というわけではないですが、冷凍食品ジャーナリストとして取材した話ではなく「取材された」話で、非常に驚いたことがあったので、その話題です。
タイトルに掲げた、「え?!保存料を使っていないんですか?」は、インタビューさせてほしいとわが事務所に訪れた男女4名の編集者のうち、3名の驚きの声です。
リメンバー!ごはんのホームフリージング
インタビューを受けていて、「冷凍食品の一番の魅力は何ですか?」との質問に、「腐らないことです」と返したところ、皆うなずいて納得。「しかも、保存料を使わずに食品の温度を下げるという手段だけで腐らないんです」と続けると、「え?!」という驚きの反応が返ってきたのです。
「それ私は知っていました」と答えた1人は、日本冷凍食品協会関連の仕事をしたことがあるから理解している、とのことでした。冷凍食品について、正しく理解していたのは、業界に関わりを持ったことがある人だけ、という現実に、こちらがびっくりした次第。
そこで私が、「ごはんって冷凍したことありますか?何も加えなかったでしょう。レンジで解凍して炊き立て状態に戻ったとおもいますが、、、」と言うと、「あ~確かに、、、」と言いながら半分くらい納得した、という表情。どうやら、冷凍食品について、保存料をはじめ添加物をたくさん使っていて、からだに良くない、おいしくない、鮮度も劣る、栄養も疑わしい等々ずっと誤解していたようです。山本に話を聞いただけでは、にわかには信じ難し、という雰囲気でした。
マイナス18℃以下は腐らない温度帯なので保存料不要
ホームフリージングはマイナス18℃以下の環境で凍結させる「緩慢凍結」ですが、メーカーが製造する冷凍食品は、マイナス30℃以下の温度帯で「急速凍結」されています。急速凍結は、食品の組織をなるべく壊さないようにして温度を下げる技術です、
そして、冷凍食品はマイナス18℃以下の温度をキープして、保存、流通しています。マイナス18℃以下の温度帯(業界自主取り扱い基準、食品衛生法ではマイナス15℃以下)では、食品を腐らせる原因となる微生物は活動できません。つまり、菌は増えない。腐らないのが冷凍の大きなメリットです。
腐らないものには、保存料は使わなくて良い、のです。
何も加えず、何も引かず長期間保存
何も加えず、何も引かず、低温というパワーだけで長期間保存できる、というのが冷凍のメリット。つまり、塩漬けにする(塩蔵)、砂糖を加える、乾燥させる(干物など)、高温高圧をかける(缶詰、レトルト食品)をいった手段で食品に変化を加えて保存性を高めるのではなく、下処理した素材そのままを、料理したメニューそのままをキープできるのが冷凍食品なのです。
冷凍食品は今や大注目の食品。「おいしい」「便利」と評価されるだけでなく、ワンプレートの冷凍食品の人気を見るに、コスパが良い、タイパが良いと好んで使う人が増えました。日本冷凍食品協会が春に発表した、「令和8年 “冷凍食品の利用状況”実態調査」によると、物価高でも購入が増えた食品の第1位に冷凍食品がランキングされ、冷凍食品を使用することは「合理的で賢い選択」と評価されています。


資料:日本冷凍食品協会 「令和8年“冷凍食品の利用状況”実態調査」より
購入している方に少しだけ不安があるのかも?
ここで、少し疑問が出てきました。皆さま冷凍食品が役に立つ、リーズナブルだと評価しつつも、安全性や健康面ではよく分からず、あまり評価をしていないのではないか、という疑問です。
実際、私が運営している冷凍食品情報サイト「エフエフプレス」では、4,100記事超の記事を掲載していますが、その中で人気上位記事を見てみると、4位までが品質保証の専門家に寄稿してもらった、「安全・安心Q&A」記事です。掲載記事を読んでいただくことで、少し安心していただいているのかな、と喜んではいるのですが、「自然解凍でOKというけど何で?(だいじょうぶ?)」とか、「中国産って大丈夫なの?」といった不安から記事を読んでいる方が多いのかと思うと、少し残念です。

毎年消費者キャンペーンを実施してきた、首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)は、キャンペーン応募した方にアンケートを実施して、その結果を公表しています。その中で、「冷凍食品は生産から販売まで常に-18℃以下で管理されているので衛生的です。あなたは知っていましたか?」という質問に、7割を超える方々が「知っていた」と回答しています。つまり、冷凍食品をよく買っていて、業界団体のキャンペーンにも応募する方々は、冷凍食品の特性を知って、リピーターになっていますが、その他の方々は、よく分からないうちに購入し、合理的だとは思いつつも不安感を抱えている、ということかもしれません。

資料:日本冷凍食品協会 「令和8年“冷凍食品の利用状況”実態調査」より
冷凍食品のメリットをもっと訴えていきます
冒頭ご紹介した編集部の方々は、インタビューを終えて帰るころには、「今日は仕事帰りにスーパーかコンビニに寄って冷凍食品を買って帰ります」と言っていました。知らないこと、知らされていないことには、不安がつきもの。もっともっと、冷凍食品がいかに安心して召し上がっていただける食品かを繰り返し訴えていくことが大事だと再認識しています。
そんな折、イートアンドフーズの秋冬新商品発表会があり、商品パッケージに印刷している「素材のおいしさマーク」を今秋冬から刷新するという発表がありました。新マークは、ハート型で、素材本来のおいしさを大切にした商品であることが一目で伝わるようにと変更します。冷凍食品だからこそ、食品添加物に頼らず、素材のおいしさを生かした商品づくりができる。それを実際に商品で活かして、訴えていく。そんな姿勢に大いに共感しました。
