今期の羽根つき餃子の新商品である大阪王将 羽根つきタン塩餃子。羽根つき餃子の変わり種といえばチーズ、カレーがあったのですが、ついにタン塩がきました。なんでこんな不思議な餃子を?開発者にインタビューしてみました。 きっかけはアイデア会議と取引先とのお付き合い 編集オガワ 早速ですが、なぜタン塩の餃子を作ろうと思ったのですか? 三條さん 着想を得たのはアイデア会議です。この会議では開発メンバーでいくつかアイデアをプレゼンするようにしているのですが、その中で私がタンを使った餃子、というのを出したところ、「これは面白いのでは?」となったんです。 編集オガワ なるほど。ではなぜそのMTGにタンのアイデアをプレゼンしようと思ったのですか? 三條さん 私は宮城県出身で、牛タンは日常的に食べていたんです。それで自分の好きなものが餃子に入っていたら面白いかと。地元で家族で焼肉をすると、牛タンを買って家で食べていたんですね。 地元宮城ではお肉屋さんで買っていて、それが普通だったのですが、就職してひとり暮らしになると以外とお肉屋さんに行く機会が少ないことに気づきました。そこで、自分が感じていた家族団らんの焼肉のようなシーンを餃子で提供できないかな、と考えたんです。 編集オガワ なるほど、宮城での経験から、なのですね。 三條さん 加えて、お取引先様からレモン使ってませんか?という提案があったのもひとつのきっかけです。レモンを使えるなら、タンの餃子と合わせて「タン塩だな」となったんです。 編集オガワ 2つのきっかけから始まった開発なのですね。 食感にこだわったタン塩餃子 編集オガワ こちらのタン塩餃子、味作りの工夫はどのようなところにあるのでしょうか? 三條さん まず最初は肉感を重視しました。最初はお肉の歯ごたえあれば良いかな、と考えていたのですが「タンを食べているときの食感」とは少し違うことに気づいて、その食感を出すのに苦労しましたね。餃子ですので他の野菜と練り込むのは当然なのですが、練り込むことによって歯ごたえがなくなってしまうんです。 編集オガワ どうやってそういった食感を出すのですか? 三條さん タンのカットがまず第一で、それ以外にも他の具材と練る時の温度、時間、どんな順番で練り込むか、といった手順の工夫で実現しました。開発室だけでなく、工場での練り方も考える必要がありましたので、生産現場にも協力してもらって作り上げていきました。 編集オガワ 具材だけでなく、手順などで食感が変わるのですね!深い。 三條さん ハンバーグをイメージすると分かりやすいかもしれません。最初にひき肉と塩だけで練った後、他のつなぎを入れる、といった作り方があると思うのですが、あのような感じですね。 編集オガワ なるほど!洋食屋さんのスゴ技のようなテレビ番組でたまに見かける、あのイメージですね。 食感が決まったら後はスムーズでしたか? 「タンって何?」哲学的な問が味の完成度を高めた 三條さん いえ、その後が大変でした。ある程度味ができたな、というところで職人のチェックが入るのですが、そこの承認がなかなか出なかったんです。焼肉らしい、それに見合う価値になっていない、と。 編集オガワ 職人の味チェックは厳しいんですね。 三條さん よく聞いてみると、「タンらしさをもっと出してほしい」ということでした。そこから「タンの味って?」といった問が生まれたんです。 編集オガワ なんか哲学的ですね。笑 三條さん 実はタンを入れて食感を出すだけだと「タンを入れた餃子」ではあるのですが「タン塩の味」にはならないということに気づいたんです。そこからは食感の追求ではなく「タン塩」にするためにネギを入れたり、焼いた香りを出すために香ばしさを工夫したりしたんです。 編集オガワ タンそのものの味と焼肉のタン塩のイメージのギャップを埋める開発だったのですね。 三條さん そうです、焼肉のタン塩のシーンをイメージしての工夫をこらし、たれも合わせて焼肉らしさを感じる餃子になりました。 タン塩餃子にぴったりのレモンこしょうたれ 編集オガワ たれにはどんな工夫がこらされているのでしょう? 三條さん レモンと餃子はそもそも相性が良いという話からたれの話は始まりました。餃子の中に入れても良かったのですが、大阪王将の餃子の考え方や焼肉のタン塩を食べるシーンをイメージして、レモンこしょうのたれで行くことになりました。 レモンの風味を活かすこしょうの粗挽き感にこだわり、味わいや香り出しを工夫しました。 5フリーのタン塩餃子 編集オガワ 5フリーで作ることの苦労はありましたか? 三條さん 香ばしさを出すところで、香ばしい香りの香料など色々あるのですが、それは使わずに他のもので香り出しをするのは少し苦労しましたね。上司が購買担当なので、原料などをメーカーさんにぐいぐい聞いてくれて、助かりました。 編集オガワ 完成してから、皆さんの反応はいかがでしたか? 三條さん 最終的には今までにない餃子ができて、職人からも良い意味での驚きをいただけて、手応えを感じましたね。 タン塩餃子、どんなシーンで? 編集オガワ 最後に、こちらのタン塩餃子はどのような食卓でめしあがってほしいですか? 三條さん 自宅のホットプレートでワイワイ食べた、おうち焼肉のようなシーンを想像して作った餃子ですので、ちょっと特別な日にはぜひ食べていただきたいですね。 ごはんは勿論ですが、お酒と一緒に合わせていただくと嬉しいです。大阪王将の羽根つき餃子やスタミナ肉餃子より一回り大きく、満足感もある一品です。ビールやハイボール、レモンサワーと一緒にめしあがってください。 編集オガワ ありがとうございます!お腹へってきました。笑 この夏ぴったりのタン塩餃子、めしあがれ! いかがでしたか?今回は大阪王将 タン塩餃子の開発秘話を伺ってきました。「タン入りの餃子」と「タン塩餃子」は違う、というのはなかなか面白い観点でしたね。梅雨も開け、本格的に夏到来で暑い毎日、ビールやサワー片手に食べたいですね!