「ヒルナンデス!」の売場密着企画で気づいたこと
「おススメの冷凍食品は何ですか?」「冷凍食品についてお悩みはありませんか?」とスーパーの冷凍食品売場にタレントの大沢あかねさんが張り付いてお客様に質問、お悩みが出たら冷凍食品ジャーナリスト山本純子が回答する、という日本テレビ「ヒルナンデス!」の企画(9月4日放送)。お悩みごとの多くは視聴者共通の「あるある」なのでしょうか。好評だったそうです。
「冷凍野菜を小分けに使っていると、霜が付いてしまう」「うどんとか麺のところどころが硬くなっちゃう。どうすればいいの?」「冷凍庫がいっぱいで入らない!」、はたまた、「いろいろ並んでいるのを見るけど、よく分からないから結局いつも同じものばかり買ってしまう」といったお悩みまで。きっちりとお答えいたしました。
「結局いつも同じもの」と言った方は、カートにいくつも冷凍食品を入れていました。明らかにヘビーユーザーです。冷凍食品の利便性やおいしい使い方もよく分かっていて、冷凍食品に対する関心はかなり高い方だと思われます。でも結局は、チャレンジはせずいつもの商品・・・なぜ?としばし思案しました。そして1つ気づきました。
手を伸ばしてカートに入れる決定的な理由がないのでは?ということです。関心があるから売場を見る。中には気になるものもある。でも、失敗したくない。背中を押してくれる情報が無いのでは、ということです。
いつも決まったものばかり~お試し企画のチャンスを狙おう
セールや増量品キャンペーンは、お得感で惹かれます。推しタレントがCMに出れば“推し活”消費も盛り上がります。しかし、もっと強いインパクトのある、おいしさや便利さ、楽しさといったメリットは、売場だけではなかなか知ることができません。
そこで思い出したのが、日本アクセスの冷凍食品・アイス食べ放題企画「チン!するレストラン」の毎回の盛況ぶり。価格高めのハンバーグはいつも人気上位に入り、フルーツなど新しいアイテムも人気です。お試しして納得できる機会が増えれば、もっといろいろな商品を買いたくなりそうです。そして、新たに取り入れた冷凍食品は、日々の食生活をより豊かにしてくれることでしょう。「チン!するレストラン」、今年は11月に札幌での開催が決まっていますので、北海道の皆さまはチェックをお忘れなく。
日本アクセスでは、地域スーパーとコラボした「チン!するレストラン」企画も展開中です。今後、皆さまの近くでも開催のチャンスがあるかもしれません。
また、首都圏限定ですが、首都圏市販冷食連絡協議会(略称:市冷協)では、昨年から市販冷食試食会を復活させています。春季キャンペーンの景品のひとつとして応募者を招待するイベントです(今年は抽選・招待済み)。市冷協では今年、工場見学会も開催します。なんと1,000人を超える応募があったそうです(同済み)。冷凍食品について積極的に知りたい、という方々が増えていることが感じられる、嬉しい報告でした。
日本冷凍食品協会も、昨年に続いて、10月18日「冷凍食品の日」のイベントとして、無料で冷凍食品メニューを楽しめるイベントを開催します。『手間抜きレストラン』と名付けたイベントは、10月17日・18日、会場はJR新宿駅東南改札すぐの「サナギ新宿」です。試食品は、「バタバタな朝だっておいしく“チャージ”できるアレ」「1日がんばった日の“ご褒美”のアレ」などと名付けたアレンジメニューだそうです。何を使ってどんなアレンジをするのか、楽しみですね。
冷凍食品のお試し企画や工場見学会など、生活者の皆さまには、冷凍食品を「知る」チャンスを積極的に探していただきたいし、お店も店頭で積極的な商品情報提供をしてほしいと思うこの頃です。
霜はどうしてつく?乾燥は? 知って分かる対処法
さて、前置き長く、本題はこれから。皆さまの代表的お悩みを解決しましょう。
冷凍野菜を小分けに使っていますが、2回目以降霜でくっついてしまう
買ってから1-2か月ほどなら、水やぬるま湯をかけてついた霜を取り(もしくはごく短時間のレンジ)、ペーパータオルなどで水気をよく取れば問題なく調理に使えます。時間が経っていて色みがすごく変わっているものや、においを感じるものは避けましょう。
なぜ霜が付くかというと、開封して袋の中に温度の高い空気が入り、それが冷凍庫の中で冷えて霜になるのです。できるだけ霜をつけないコツは、
- 開封して必要量を取り出し、調理法を確認したら残りは調理前にすぐ冷凍庫に戻す。
- 開封した袋の中の空気をできるだけ追い出すようにしてピッチリ密閉しておく。
- 密閉しやすいチャック付き袋を活用するのがおススメ。
- 開封したら野菜に限らず1か月以内に使い切りましょう。美味しく食べるコツです。
うどんとか麺のところどころが硬くなっちゃう。どうすればいいの?
うどんならとにかくレンチン加熱。硬くなったところはチョキンと切ってください。硬くなったところ以外は十分食べられます(庫内のにおいが移って風味が低下してしまったものは避けましょう)。
めん類は買ってすぐ食べるのがベストコンディションで、うっかり日数が経つと何カ所か白くなってしまいます。これは乾燥によるものです。冷凍庫内はとても乾燥しているのです。皆さまも氷を長く入れておくと、氷がやせたような状態になった経験があるかと思います。
例えば冷凍うどんは表層の水分含有率が80%くらいなので、とても乾燥が進みやすい食品です。パンや肉まんの皮などは少し水をつけてレンジ加熱すると水分を取り込んで多少改善しますが、カチカチの麺の端などはあきらめるしかないのです。
では白いところを作らないようにするコツはというと、早めの消費、なのですが、ストックしておきたい、ということでしたら、ジップ付きバッグでの密閉をおススメします。乾燥を抑える効果があります。
冷凍庫がいっぱいで入らない!
いっぱいに詰めて正解。使って空いたスペースに買い足していきましょう。1か月くらいで1回転していく冷凍庫が理想的です。
冷凍庫内は、しっかり詰め込むことで冷却の効率も上がり、電気代節約にもつながります。賞味期限は製造してから約1年後で刻印されていることが多いですが、その期限は、マイナス18℃以下をキープした場合です。開け閉めの激しい家庭用冷凍庫は、常に温度変化にさらされていますので、期限に関係なく、買ってから1カ月、長くても2カ月以内に使い切りましょう。これがおいしく食べるコツ。
庫内に入れる時は、どこにどんなものを入れるか、あらかじめ決めておきましょう。麺は左の奥、お弁当用は手前にとか、おおざっぱでかまいません。取り出し時間が短くなって、品質保持にもつながります。
保冷バッグ持参でお買い物、マストでしょうか?
真夏にアイスを持ち歩く、と考えてください。保冷バッグに+ドライアイス、保冷剤はマストです。
アイスが解けてしまったら、再び凍らせても元の状態、元のおいしさに戻らないことは、皆さま体験からよくご存じかと思います。冷凍食品も同様とお考えください。
アイスや冷凍食品はお買い物の最後にカゴに入れてレジへ。保冷バッグの中は、冷凍食品を密着して入れ、最後に上部にドライアイス・保冷剤を置きましょう。冷気は上から下へ流れます。
よく見かける勘違いは、配布されている氷を入れて持って帰ること。氷は確かに冷凍状態で保存されていますが、出したときからどんどん温度が上昇して、解けて水になります。氷は冷凍品やアイスの保冷にはNGです。
前述の「ヒルナンデス!」ロケの際、店内用に保冷バッグを用意してお買い物をしている方がいて、猛暑対策の達人だと感心しました。しかし惜しかったのは、冷蔵品と冷凍食品を一緒に入れていたことでした。冷蔵品は10℃くらい、冷凍食品はマイナス18℃以下ですので、その温度差は28度! 一緒にいるとお互いにその温度差を縮めようとしますので、冷蔵品にも冷凍品にとっても良くない環境になってしまいます。
ロケでそんな説明をしたら、すぐ納得していただいて、「これから分けるようにします!」と明るく返していただけて、ホッとしました。
そのほか、お弁当が茶色くて彩りよくない!といったお悩みに、華やかになる黄色い色、自然解凍OKの「だし巻き玉子」や「オムレツ」をおススメしたら、「使ったことなかったです。試してみます」と喜んでいただけました。
今回改めて、取り扱いのこと、商品のこと、いろいろなことがお伝えしきれていないなぁと感じました。もっと知って、より楽しく、おいしく!業界の皆さまにもお伝えしていこうと思います。