- 2026年5月29日
進化を続ける「ワンプレート冷凍食品」
春頃からいくつかの一般メディアに協力して出演しました。今年の家庭用冷凍食品について話題提供を依頼され、事前打ち合わせの際は新商品の中から、これはおいしい、新しい、と私が感じたものをピックアップして提案しました。その中で、企画担当者が揃って高い関心を寄せたのが、うどんとおかず、ナーンとカレーといった“進化系ワンプレート”の話題でした。 放送後の結果は、試食した方々も含めて、もちろん大好評。 「ワンプレート冷凍食品」2万トン・135億円 「ワンプレート冷凍食品」の認知度は、某番組が昨年調査したところ、50%程度でした。あれから半年ほど経って、その認知度はますます上がっているようです。 (一社)日本冷凍食品協会もこのトレンドをとらえて、昨年の生産高調査(2026年1~12月)にあたり、「ワンプレート」について初めて調べました。新たな品目分類として立てるのではなく、参考数値としての発表でしたが、その生産量は2万156トン、生産金額(工場出荷額)135億3500万円でした。 この数値が多いか少ないか、というと、けっこうな存在感になっていることが分かります。どういうことかというと、国内生産量157万4172トンの中でワンプレート2万156トンは1.28%の構成比。この1.28%という数値は、おにぎりの1.1%(昨年はコメ原料高騰の影響もありました)、ミートボール、中華まんじゅうの1.2%を上回っているのです。 資料:(一社)日本冷凍食品協会調査 令和7年(1-12月)日本の冷凍食品生産・消費について 主食は、ごはん・パスタだけじゃない ワンプレートの進化系、具体的にはテーブルマークの「うどん和膳 彩り野菜かき揚げとちくわ天」、日本ハム冷凍食品の「ナーン&Wカレー(バターチキン・ほうれん草、バターチキン・キーマ)」が、この春の話題商品。ごはんとおかず、パスタと洋食といった、これまでのワンプレートの定番スタイル以外の新ジャンルです。 昨年には、イートアンドフーズもニチレイフーズも、ワンプレートでアイテム数が少なかった『中華』ジャンル商品に力を注ぎました。その主食部分は、炒飯や焼そばで、これも目新しい提案でした。 今年は、イートアンドフーズの中華ワンプレート新商品が、記者発表会の段階から好評でした。「たれつき肉焼売」の焼売がドン!と入ったワンプレート「大阪王層 直火炒飯とたれつき肉焼売」、野菜の食感がシャキッとした回鍋肉がおいしく仕上がっている「同 直火炒飯と回鍋肉」です。特に回鍋肉にはびっくり。製造段階での工夫や店舗のノウハウ再現に、改めて力を入れたのではないかと推察しています。 超高齢化社会の生活を支える さて、2万トン、約135億円という数値は、あくまでも冷食協協会員が対象です。会員以外に目を向けると、ネット販売でさまざまな企業が事業を展開しています。それらは、抵糖質、たんぱく質たっぷりといった栄養面のコントロールに役立つコンセプトや、一流シェフ監修によっておいしさを訴えたもの、高齢者対象に設計したものなどさまざま。先日放送のNHK「サタデーウォッチ9」の特集では、札幌のスーパー「クーリッチ」で店内製造する冷凍弁当が紹介されました。単身生活の82歳の男性が同店の宅配サービスを利用し、冷凍海老天丼を自宅で食べるシーンも放送され、番組は即食できるワンプレートは、高齢化社会において生活の支えになっている、と紹介しました。 いつかはパーソナル対応も さまざまな形で多様化が進んでいるワンプレート冷凍食品。「クーリッチ」のロケ放送では、社長自らが調理して、小型のリキッド凍結機で凍結しているシーンが映りました。物価高の折、ロスの出ない冷凍弁当の活用で少しでも割安な商品を提供したい、という想いも語っていました。月に600個ほどを販売しているそうです。 番組内では私のコメントも放送され、「かつてはお母さんが家族のために買うものだったが、誰もが自分が食べたいものを買うようになった」「冷凍食品も価格が上昇しているが、上がってもなお、タイムパフォーマンスもコストパフォーマンスも良い」という部分が採用されていました(他にもいろいろしゃべったのですが、、、)。 そんなニュースの特集を観ながら、いずれパーソナル対応の冷凍弁当業者や、何でも急速凍結サービスといった新ビジネスが誕生するのではないか、と想像していました。
