真夏、プールを出てアイスバーを頬張る至福の時、最後のひとくちがポトッと落ちて〈涙〉という経験、ソフトクリームがへなへなになって手がベトベトという経験、ありますか?私は、ボーっと考えごとをして、うかつに生きている子どもだったので、よくありました。
アイスはとけるまえに食べる!うっかりとけてしまったものを再凍結すると美味しくない!これ、鉄則ですね。スーパーでアイスを買おうというとき、お店に入って最初にカゴに入れる人はいないはず。特に夏は要注意です。買い物の最後にカゴに入れて、すぐレジにGO! 保冷剤かドライアイスを買うかもらうかして、まっすぐ家に帰り、すぐ冷凍庫にしまわなくてはいけません。
ところが、冷凍食品はというと、アイスほどには気遣っていただけていないような気がします。
ということで、今回は、「冷凍食品買い方指南」。
サブタイトルに掲げたように、そのカギは“コールド・チェーン”です。
お店では最後に買って保冷バッグ&保冷剤
『時間を止めて(急速凍結)』、『空間を超越する(マイナス18℃以下の保存・流通)』冷凍食品【前稿ご参照くださいませ】。マイナス18℃以下のコールド・チェーンをつなげて、売場に並べるまでは業界の仕事ですが、それ以降は、買い物をした皆様に託されています。
「チェーン(鎖)」をピンと張れば一直線ですが、どこかひとつの輪が切れたら、じゃらじゃらと落ちてしまいます。売場から皆様のご家庭の冷凍庫まで、ずーっとチェーンがピンと張れているかどうか、まずは意識することからスタートしましょう。
今やエコバッグの時代、冷凍食品を買う時は普通のエコバッグではなく、保冷バッグ持参を忘れずに。家を出るとき、冷凍庫にある保冷剤を入れておけばなお良いですね。保冷剤やドライアイスが有料の店もあるので、持参した方が節約になり、しかもエコフレンドリーです。
お店の中では、アイスと一緒に最後にカゴに入れて、すぐレジに向かいましょう。そして、保冷剤を持参してなければ、店でドライアイスや保冷剤を入手。そして、冷凍食品の上に置いて、しっかりチャックを閉めましょう。冷気は上から下に流れるのです。
注意したいのは、氷を使うのはNGということ。氷は冷凍庫から出してしまうとすぐ温度が上昇していきます。レジ横に置いてある氷は要冷蔵食品(10℃以下)の保冷用です。氷は、マイナス18℃以下の冷凍食品に接していると、時間の経過と共に冷凍食品の温度を上げてしまうことになるのです。
おうちでは
帰宅したら真っ先に、冷凍食品を冷凍庫にしまいましょう。そう、コールド・チェーンの最後のところです。
保管場所は、自分の使いやすいように、庫内を大きく4分割などして番地を決め、どこに何を納めるかをはっきり決めておくと良いですね。開け閉めの時間は短いほど良いですから。あれ。どこかなと探しているうちに庫内温度はどんどん上がってしまいます。
小分けにして使うものは、一度開封したら取り出し易い場所にまとめておくのも良い方法です。小分け使用の商品は、残りをジッパーバッグなどで保存するのも賢いやり方。乾燥しやすい麵類などは特におすすめです。
そして、『冷凍庫はみっちり保管』と記憶してください。空間が大きいと冷凍庫を開け閉めしたときにその空間に外気が入り込み、温度変化が起こりやすくなります、使った分を買い足していき、常にたくさん入った状態がベスト。
最後に注意いただきたいのは、冷凍=永遠ではない、ということです。
庫内が狭い家庭の冷凍庫は扉の開閉によって温度変化にさらされますので、家電メーカーでは、保存期間の目安は「3ヶ月」としています。もちろんそれを過ぎても腐らないのが冷凍の優れているところなんですが、印字されている賞味期限が何ヶ月先でも、買ってから2~3ヶ月以内を心がけて使い切るのが美味しく食べるコツなのです。
最近の冷凍食品はどれを食べても美味しくって、間違いなし。でも、せっかく美味しい冷凍食品を買っても、食卓できちんと100%の美味しさを再現しなくては、もったいない!!美味しく食べる第一歩は「買い方」。売場から家庭の冷凍庫までのコールド・チェーンがカギなのです。