- 2026年9月28日
冷凍めんの魅力
~ゆでたて凍結+「コスパ」
冷凍食品のクイズとして、私がよく出すのは「日本人が一番食べている冷凍食品は何でしょう?」です。 本コラムを読んでいただいている方なら、即、「ポテト(輸入品)」と答えていただけると思いますが、では、「日本国内で一番たくさん生産されている冷凍食品は何でしょう?」はいかがでしょう。 タイトルにありますから分かりやすいですね。 答えは「うどん」です。 価格が魅力、市販用うどん3割アップ NHKの情報番組「経済バックヤード」の冷凍食品第二弾企画「チン♪して満腹 大満足!「冷凍食品」の舞台裏」(初回放送9月23日、再放送9月28日)では、冷凍うどんやワンプレート冷凍食品の商品開発現場が紹介されて、大いに注目を集めました。 冷凍うどんの年間生産食数は、2025年で13億8300万食(一般社団法人日本冷凍めん協会調査、以下同様)。前年に比べて17.5%増でした。その内訳は、業務用4億6100万食、市販用9億2200万食です。業務用が前年比2.6%減と減少したのに対し、市販用は同31.0%増と驚異的な伸びを示しました。 振り返れば昨年は、お米の価格が大暴騰。お米よりリーズナブルな主食として、冷凍うどんの人気が爆上がりしたようです。 確かに、冷凍うどん1玉の価格は、値上げもありましたが、70円くらい。高品質バージョンのうどん玉でも100円くらいとお手頃。一方、パックご飯はまとめ買いをしても180gで100円台の半ばです。そして市販のおにぎりもどんどん高くなりました。 冷凍うどんは、圧倒的なコスパを発揮して、昨年から家計の救世主になったのです。 瀬戸大橋開通を契機に需要増 うどんをはじめ、冷凍めんの年間生産量は、ずっと右肩上がりで伸びてきました。しかし最初は苦労があったと聞いています。 1974年に市販用冷凍うどん第1号商品が発売された時の1玉の価格は100円ほどでした。一方、チルド流通しているゆでうどんは1玉30円くらい。圧倒的な価格差があったのです。 ゆでおきすると麺は当然のびます。一方、冷凍めんはゆでたてを凍結していますので、のびない。しかも保存料や酸味を加えることも不要。「麺は冷凍がうまい」と複数の企業がおいしさをPRしましたが、高いものに消費者の関心はさほど集まりませんでした。 ところが、瀬戸大橋開通(1988年)を機会に、四国の玄関口・香川への旅と共に「さぬきうどんブーム」が到来。うどん県の香川県民すら「おいしい」と認めるという、冷凍うどんに注目が集まりました。需要が増えると生産も増え、効率も上がり、リーズナブルに。うどんは、昨今値上げラッシュ前は、1玉50円程度で買える主食として、人気を得るようになりました。 ゆで揚げ直後の麺のおいしい状態で時間を止める、そしてそのおいしさを閉じ込めた商品が皆さまのお手元に行き、解凍により再現される。でんぷん質の食品は「冷凍適性」が高いので、再現性に優れています。 ちなみに、ご家庭でも「ごはん」を冷凍することがあると思います。家庭の冷凍庫で行う緩慢凍結でも、十分に解凍後に炊き立ての風味が戻るのは、でんぷんの冷凍適性の高さによるものです。 伸び続ける冷凍めん需要~具付きも安い! 冷凍うどんの生産量は昨年13万8300トンと紹介しましたが、冷凍めん全体では23億5千万食(前年比14.7%増)です。前年より3億食増えています。そのうち、うどんだけで2億食伸びました。 うどんに次いで多い生産量は、中華めん(ラーメンなど)です。4億300万食で前年比9.3%増。内訳は業務用2億6900万食、市販用1億3400万食。業務用の玉ラーメンの需要が伸びています。つまり、市販用の中華めんの成長余地は、玉めんや具付きめんも含めて、まだまだある、と言えそうです。 次いで、パスタが2億6900万食(15.0%増)。業務用8300万食、市販用1億8600万食と市販用が主体で、成長しています。市販用でソースも具も入ったパスタは、昨年、コスパの良い1食として注目されました。前年比22.8%増という急伸です。 資料:(一社)日本冷凍めん協会「冷凍めん年間生産食数調査」 玉ラーメンで楽しめるアレンジ 市販用冷凍ラーメンに可能性あり、という推察は、9月、福岡で開催された冷凍食品・アイスクリーム食べ放題イベント「チン!するレストラン in FUKUOKA」(日本アクセス主催)で、「チン!するご当地ラーメン」コーナーを見たからです。 好みのご当地スープ(濃縮・常温)を丼に入れ、お湯で溶いたところに、冷凍玉ラーメン(業務用の少量タイプでした)と冷凍野菜バーから選んだ具を入れ、レンジでチンして、オリジナルラーメン出来上がり、という趣向でした。 家庭でチャレンジしたら、おそらく数百円以内で、楽しめる自分好みのラーメンができそうです。近年、ラーメン店で食べるラーメンが1000円前後となって、1000円の壁論争も起きるくらいです。ならば、好みのアレンジ家ラーメンや、外食の半分以下のコストで楽しめる具付き冷凍ラーメンの出番かもしれません。もちろん、人気ラーメン巡りは別の楽しみとして取っておいて、です。 世界に誇れる冷凍めん いろいろな国で冷凍食品を見てきましたが、日本の冷凍めんの技術に肩を並べそうなものには出会ったことがありません。冷凍めんは、日本の食品加工技術として、世界に誇れるものだと信じています。 去る9月17日、一般社団法人食品冷凍技術推進機構(FF Tech、代表理事:鈴木徹=東京海洋大学名誉教授)主催の「第1回食品冷凍テックフォーラム」が開催されました。産官学の関係者が食品冷凍をテーマに集った初の会合として注目を集めました。 官の代表、農林水産省からは、大臣官房の河南健総括審議官が基調講演に立ちました。「日本成長戦略」に挙げられた17の戦略分野の一つに「フードテック」が掲げられていて、そのフードテック推進は4つの領域、植物工場、陸上養殖、食品機械、新規食品で議論されているとのことでした。日本発信の凍結機評価基準(FF Techが発信)にも触れました。 日本の優れた冷凍技術が世界をリードする。そんな夢を感じるフォーラムでした。その中でも、優位に立てるのは冷凍めんだと確信しています。 「大阪王将」は餃子のレストランブランドで今年、米国に初出店しましたが、併せて、ラーメンにも夢を抱けるのではないでしょうか。 楽しみですね。















