「冷凍庫の中にいれておく“お守り”」
~冷凍食品の日に生まれた名言

1年365日、何かしらの記念日があります。食べものでは、29日「肉の日」とか、15日「いちごの日」などが有名でしょうか。22日が「ショートケーキの日」というのはおもしろいですね。カレンダーでは必ず、22日の上に15日、「いちごの日」があるのです。いちごを上に載せているからショートケーキの日、、、これを知って以来、カレンダーを見るたびに。毎月ショートケーキの部分があるんだなぁと思い、にっこりしています。

手持ちのカレンダーに「食品関連の毎月の記念日」という記載があり、よく見たら「中華の日」は15日とか(東京都中華料理環境衛生同業組合)。何で15日?まさか、、、と調べてみたら、やはり、そのまさかでした。15日は月の中間=ちゅうかん→中華、という、語呂合わせ。

 

10月18日は「冷凍食品の日」、10月は「冷凍食品月間」です

本題は、10月18日「冷凍食品の日」、そして10月は「冷凍食品月間」について、です。記念日が多すぎて、多くの方に知られていないようなのでご紹介しましょう。

その由来は、冷凍の「とう」で10月。10月は食欲の秋でもあり、食べ物がおいしい時期。そして、世界共通の冷凍食品の保存温度、「マイナス18℃以下※」にちなんで、18日は「冷凍食品の日」です。日本冷凍食品協会が、1986年に定めました。
「冷凍食品月間」は、1年遅れて87年から制定されました。さまざまな団体や企業が、ピンポイントの18日だけでなく、その前後でPR活動を展開したことから、1ヶ月を盛り上げようという狙いでした。

1970年代から1980年代はじめ頃まで、冷凍食品の需要は勢いよく伸びていました。私が駆け出し記者としてスーパーの取材に行くと、売上二桁アップが当たり前という時代。冷凍食品業界は、いけいけどんどんのムード。ところが、1984年の統計数値は少しトーンダウンしたのです。家庭用冷凍食品の成長は「踊り場」に来たか?といった論議が生まれたのが85年でした。

業界のリーダーたちは集まり、話し合い、「業界挙げて冷凍食品のメリットを消費者の皆さまに、正しく伝えるPR活動をすることで、まだまだ需要は伸びる」という結論に至ったのです。

まるで、なんとかX!のような、心躍るチャレンジでした。

 

業界挙げてPR、その成果は消費量3倍

冷凍食品の“需要踊り場論”が出た頃の、国民1人当たり冷凍食品消費量(業務用含む)は、7.6㎏です(1984年、日本冷凍食品協会統計、以下同様)。以降、85年7.9㎏、86年8.5㎏、87年9.0㎏と伸長して、10kg超えは89年。その倍、20kgに達したのは2004年でした。

そして、最新の統計調査である2025年は24.6㎏です。前年の24年は23.6㎏だったので、1年で1人当たり1㎏も消費が伸びました。

資料:一般社団法人日本冷凍食品協会「日本の冷凍食品生産・消費に関する統計」

冷凍食品の需要が伸びてきた背景には、さまざまな要素があります。でも一番重要なのは、品質の向上だと言えそうです。皆さまがいろいろな場面で、「冷凍食品はおいしくなったね」とか、「便利で助かる」と評価していることを見聞きするに、生産者の日々の開発努力が実っているのだな、と実感しています。

「冷凍食品の日」が制定された年から40年を経て、消費量は3倍以上。もちろん、業務用として消費されている冷凍食品も含みますので、「私はそんなに食べていないわ」という方も、外食やお弁当・惣菜の購入などなど、さまざまな食シーンで、冷凍食品をおいしく食べていると思います。

 

手抜きではなく“手間抜き”であることをアピール

日本冷凍食品協会では、「冷凍食品の日」に向けて毎年、消費者向けPRイベントを実施しています。今年は、10月16日、17日の両日、渋谷駅新南改札直結の渋谷サクラステージを会場に、「手間抜きパーク」と題して、展示や生産現場動画紹介、アレンジメニュー試食(1018名)などを実施しました。

SNSを見てわざわざ足を運んだ方や、友人や家族で渋谷に来て参加した方々など、行列ができるほどの盛況でした。

試食メニューは、「かぼちゃとナッツのサラダ」(冷凍かぼちゃ使用)、「ミニハンバーグのつくね風 チーズソースかけ」(ハンバーグと冷凍ブロッコリー使用)、「からあげピンチョス」(からあげと冷凍ブロッコリー使用)の3種です。

参加者はまず、展示コーナーでスタンプラリーに参加。試食する3種のメニューを手作りした場合と、冷凍食品を活用した場合の調理時間を比較する展示を見て、手間抜きで生まれた時間をどう使う?という質問に、シールを貼って答えるなどして、スタンプを集めます。それから、ゆっくり着席してアレンジメニューを試食しました。

冷食協のシロクマキャラクター「フリージー」のオリジナルグッズが当たる、カプセルトイゲームも大人気。手間をかけた冷凍食品の生産風景を紹介するビデオも大画面で流して、関心を集めました。

 

心に響く「手間抜き」、実は札幌発祥

イベント初日の午前に現地で開催された、メディア向け発表会では、タレントの箭内夢菜(やない・ゆめな)さんがゲスト出演。冷食協の藤江太郎会長とトークショーに臨みました。お料理が得意な箭内さんは、高校時代にお弁当にからあげなどをよく利用していたこと、今でもミックス野菜やほうれん草をよく利用していることなどを披露。手間抜きで生まれた時間は、「ドラマを観たり、忙しくてたまってしまう家事もしたいので、2つシールを貼りました」とにっこり。「冷凍食品は、冷凍庫の中にいれておく“お守り”」という名言も生まれました。

さて、手抜きではなく「手間抜き」、というアピールは、実は札幌からの発信が元祖です。2016年1月、札幌テレビ「どさんこワイド」からのお声がけを頂いて、私が冷凍炒飯を紹介するコーナーで、ご一緒した札幌在住の料理研究家、坂下美樹先生が、冷凍食品を使用したアレンジメニューを紹介。その時に、冷凍食品を使うことは「手抜きじゃなく手間抜き」「手間を省けた分は、愛情を注いでもう1品」とお話しされました。

その言葉に感動した私。先生の許可を得て、東京に持ち帰り、いろいろな場面で発信して、それが広まっていきました。冷食協の広報活動にも採用されて久しく、いろいろな場面で、「手間抜き」の言葉が皆さまの心を軽くして、そして、手間をかけている生産者の想いが伝わるようになりました。今年も冷凍食品月間にあたり、良い言葉に出会ったなぁとしみじみとしています。

 

※マイナス18℃は、ほぼ華氏0度(0℉)。約1年間、凍結された食品の品質がほぼ損なわれることなく保たれる管理温度帯です。日本の食品衛生法では、マイナス15℃以下と定められていますが、冷凍食品業界では、世界標準に合わせてマイナス18℃以下を自主的取り扱い基準にしています。